カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年08月12日 (日)

「カメラを止めるな!」

 う〜ん、なるほど。そういうつくりなのか。。。

 内容よりもなによりも映画の製作法に関心が行っちゃうのよね。ま、ゾンビ映画なんて関心ないもの。

 FM聴いてたら、アンジャッシュの渡部さんの番組で映画評論家がゲスト。で、この映画を絶賛してたつうわけ。

 納得。入れ子構造になってるわけね。これはよく見ます。あります。で、立体的に理解できるつうか、ああ、なるほど、そうだったね、と合点がいく。



 最近の邦画はヒット漫画か小説を原案にしてるのばっかですけど、映画のために脚本がしかと書かれた、つうのはめったにありませんね。

 リスクヘッジといえばそれまでなんすけど、映画屋なら脚本かけよ、と言いたくなりますわな。テレビのほうがよっぽど真摯に脚本書いてますよ。『グッドドクター』見てちょ。

 いずれにしても大ヒット。たしかにおもしろい。 

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2018年07月01日 (日)

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

 喜びと悲しみは同じモノだ・・・最近、なぜか、この手のものばかり見ています。『万引き家族』『祝福 オラとニコデムの家』とかね。

 どうしようもない親としっかりした子ども、つう親子関係。なんの暗示か、導きなのか、まだわからんけど。。。



 映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で高得点。批評家から絶賛。けど、アカデミー賞ではウィレム・デフォーが助演男優賞にノミネートされただけ。これがクリエイターとか批評家の間でブーイングになった、つう作品です。

 世界でいちばんの集客力を誇る「マジック・キングダム(フロリダ・ディズニーランド)」のそばにあるモーテルで暮らす子どもたち。

 ホームレスまで落ちてないけどアパートには暮らせない。だって、職もないし、貯金もないし、保証人もしないし、貧困層だからね。

 子どもの一番人気の場所が近くにありながら、そんなものとはほど遠い。でも、子どもは遊びの天才ですから、なにもなくたって遊びに変えちゃいます。
 それが「いたずら」。度が過ぎたいたずら。ものすごいエネルギーの塊だから、電池が切れる夜になるまで周囲の大人は振り回されちゃう。

 ホント、子どもと遊ぶとクタクタになりますよ。「あれ、なーに?」「これ、ナーニ?」と質問の嵐。きちんと調べて正しく教えてあげないとね。

 主人公はムーニーという女の子。天才子役でしょうな。自由奔放に生きてるのは母親譲り。この母親、子どもを捨てずに生きてるシングルマザー。どうやら10代でムーニーを産んでるんで、まだ20歳くらい。

 モーテルは週払い。いつも支払いが遅れる。で、ムーニーと一緒に水着写真を自撮り。実は、ほかに使うためなんですけどね。

 全編、ムーニーたち子どもの視点で描かれてます。あの頃の私はにをしてたんだろう。仲間を連れてはあちこち走り回って陽が暮れるまで遊んでいた。持てあましたエネルギーを消費するために1日中動き回っていた、と思う。

 ムーニーの動きを見ているだけで、実は疲労困憊。子どものエネルギーってのは凄い。母親ってのはこの連中に付き合ってるわけで、そりゅ、クタクタヘトヘトになるわな。

 ムーニーは教会の炊き出しにも、遠慮することなく、あれくれ、これくれ、と注文します。教会の連中もどんどんあげちゃう。

 アメリカほど貧富の差が激しい国はありません。何兆ドルものカネを投資銀行救済に使うけど、貧困層にはフードスタンプのみ。しかたない。働かないんだから。

 でも、働きたくても職がない。拒絶されちゃうわけ。失業率が激減してるのは、正社員のクビを切って、猛烈にパート・バイトを増やしてるからにすぎません。でも、パートやバイトの職すらありつけない。

 ほぼ最底辺の連中。ムーニーたちの親ですよ。言葉遣いも態度も悪い。

 「だから、あんたは貧しいのよ!」と非難するモーテルの女主人に対してムーニーの母親がとった行動。笑いましたよ。

 哀しすぎると笑うしかないね。

 そうそう、ラストシーンでムーニーがはじめて大泣きしたとき、友達のジャンシーは思わず手を取り駆け出します。どこに行くのか? なにを目指すのか?

 驚いたなあ。要注目です。


ホントはこの映画見るつもりだったの。映画館でコロッと心変わり。万事に付けてよくあることです。

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2018年06月30日 (土)

「祝福 オラとニコデムの家」

 世界中の映画賞を総なめにしたドキュメンタリー。
 昨年10月の山形国際ドキュメンタリー映画祭で最高賞ロバート&フランシス・フラハティー賞(大賞)でしょ。ヨーロッパ映画賞も受賞してまんねん。


渋谷の「ユーロスペース」でやってます。周囲はラブホテルばっか。ま、「ついでに見る」つうアイデアもあるわな。

 オラというのは14歳の姉。ニコデムは自閉症の弟。舞台はワルシャワ郊外。なんたってドキュメンタリー。

 アンナ・ザメツカ監督は鏡写しの少女に自分の経験を重ねながら、あくまでも少女の日常を撮り続けています。でないと、ドキュメンタリーではありませんからね。

 オラの家族は弟のほかにアルコール依存症らしい父親。そして、いまは違う男と暮らしている母親&そのベイピー。


なんて美しい笑顔なんだろ。

 昔の日本人はきっとそうだったと思うけど、この少女も、学校に通いながら、弟の面倒、父親の面倒、そして、おそらく、同居はしたものの、この母親にベイビーを育てる能力があるとはとても思えませんので、赤ん坊と母親の面倒までみなくちゃならないんでしょう。

 現実はかなり悲惨ですよ。でも、この娘、なぜか明るいんですよ。たまにヒスを起こしますけどね。これはガス抜きでしょう。でないと爆発しちゃいます。

 どうして、この娘がめげないか。実は、弟の初聖体式(「赤い靴」の堅信礼みたいなもの)がうまくいけば、この壊れた家族がもう1度ひとつになれる、と信じてるからです。

 この世界。大人が子どもを慈しみ育てていると考えたら大間違いで、こんな大人がいるか子どもがまともに育たない、というケースが少なくありません。
 そういう意味では、『万引き家族』『だれも知らない』にも近いんですけど、絶対的に違うのは、子どもが絶望してないこと。だから救われる。

 監督は子どもの頃、おとぎ話が大好きだったそうです。とくに『ヘンゼルとグレーテル』。親が親として自分の役割を果たせない、という森の中で、オラとニコデムは自分たちで道を探さないといけない。どのくらい耐えられるでしょうか?

 母親が戻ってきて家族が再び一緒になること。この願いだけがヘンゼルとグレーテルの「エネルギー」なんですね。

 父親がいて、母親がいて、子どもがいる。これで「家族」というチームが成立するわけではありません。この家族には父親がいないほうがいい、母親がいないほうがいい、どちらもいないほうがいい、という家族もたくさんあります。けど、哀しいかな、子どものほうはというと、そんな父親や母親でもいて欲しい、と願う。
 だから、どんな理不尽な折檻を受けても、自分が悪いからだ、と信じ込んでしまう。

 こういう「森」から救ってやるには周囲の大人が気づいてやらんといかんわけ。ある意味、「関係ないね」という社会的無関心が子殺し、幼児虐待を生んでるわけでね。
 子どもが欲しいけどなかなか恵まれない家族はなんとも歯がゆい思いをされてるのでは。

 世の中は矛盾ばかり、不条理なことばかり。でも、そんな環境や条件をわざわざ選んだのは自分だ、ととらえたほうがいいかもしれませんな。

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2018年06月20日 (水)

「ラッキー」

 「孤独」と「1人暮らし」とは違うんだ、とさ。まあ、死ぬ時に周囲にだれかいるのといないのとの違いかしらん。

 人間、1人で生まれて1人で死んでいく、とはいうものの、孤独死か増えてるとはいうものの、たいていは病院で死ぬわけで、そうすると、家族には看取られないけど、看護士さんとかが気づいてくれるかもしれんし、孤独死に付き合ってくれるわけじゃないしね。

 そういえば、妻と複数の愛人が病室で鉢合わせして、「あのまま死んでしまいたかったね」と以前、NYCで大成功した有名レストランのオーナーが言ってたなあ。

 さて、この映画。見たかったんです。あまりやってないのよ。ギリのギリで、阿佐ヶ谷の小さな小さな小さな映画館。これなら家で見た方がでかいんじゃね、という映画館まで見に行きましたよ。


阿佐ヶ谷駅北口。午後6時過ぎから1回だけの上演。1日6種類くらい上演してます。阿佐ヶ谷って住宅街と飲み屋が混然としててサイコーっすね。



 90歳のジジイを演じるのはこれまたジジイのハリー・ディーン・スタントン。残念ながら公開前に亡くなっちゃいました。最後の主演作品つうことですな。

 友人の監督デヴィッド・リンチまで共演してんの。いい役なんだよね、これが。「ルーズベルト」って命名したリクガメに遺産相続させるつもりが逃げられちゃった、つう役。

 90分程度の映画ですけど、とても良くできてますね。

 このジイさん、めちゃくちゃクセが強いんよ。朝はミルク。それからヨガ。で、馴染みのコーヒーハウスで悪態ついて、自分を出入り禁止にした店に大声でこれまた悪態ついて家路につく。

 この繰り返し。

 フラッと倒れて病院に。

「あなたの場合、禁煙は体に悪いから許します」
「どうして倒れたんだ?」
「加齢ですよ」
「いまさら?」

 笑いましたよ。90過ぎて加齢もないわな。とっくに加齢じゃん。

「病気なら、あなたの年ならとっくに死んでます」

 たしかに医師の言う通り。ヘビースモーカーでもどこも悪くない。ピンピンしてるわけ。あとは加齢で動けなくなり、そして死ぬ。それまでに呆けてしまうかもしれんし、呆けなければ悲劇だし。



「秘密があるんだ。聴いてくれるか」
 心配になって見に来た看護士に告白します。
「怖いんだ」
 
 だれだって死ぬのは怖い。はじめてのこと。リハーサルもきかないしぃ。覚悟してたって怖い。一休さんみたいに、死にとうない、死にとうない、と叫びたい。

 生きるのが辛いほど苦しい。早く死にたい。楽になりたい。それほど辛い、苦しい。ここに来てどうして難行苦行せんとならんの?
 愛しているから楽にしてやりたい、と殺してしまう。それほど辛い。
 死に顔が優しい。とっても穏やかな顔になった。そういうことってあります。

 呆けたら顔は穏やかになります。これ、ホント。呆けは神様からのプレゼントなんです。

 頑固で意固地で攻撃的で傲慢で・・・このジジイ。怖さを告白したらとっても穏やかな顔になります。

♪素直に生きれば良かった。君とやりなおしたい。
 招待されたメキシコ人のパーティで思わず愛の歌「Volver Volver」をアカペラしちゃうジジイ。歌に合わせて演奏がはじまっちゃう。やんやの喝采。

 結婚せず、家族もいない。恋はしたかもしれないけどもう忘れた。男としては役に立たないし。素直に生きたかった。もっと自然に。ああだこうだと決めつけないで、あるがまま、すべてを受け容れればよかった。

 いまとなっては遅いけど、いまからでもそうして生きていこう。後悔はしない。自分の人生だから。ジジイ、カッコイイぜい。

 ホントに脚本よくできてるわな。原作読んでみよっと。

 でも、どうして、これ、見たかったんだろ? 呆けてきたな。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「Jimmy 後編」(明石家さんま著・702円・文芸春秋)です。

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2018年06月11日 (月)

「万引き家族」

 忘れないうちに・・・明日は東京原原です。早いモノでラス前ですよ。いよいよ来月でオーラスです。今回のテーマは「売上を10倍増させるマーケティングの原理原則」です。「ま・く・ら」もそうですが、ネタにちょっと気になる銘柄をいくつか入れました。ご参考になると思います。

 いよいよ来月スタートします「ぴよこちゃん倶楽部」。第5期メンバーを熱烈募集してます。とくに「銘柄研」は要注目です。「銘柄研だけ参加したい!」というご要望がたくさんありますが、ダーメ。これは「通学コース参加メンバー」へのサービスでやってるんです。1回1万円であれだけの情報提供ですよ。いかに利益度外視かおわかりでしょ。


 さーーて、「血は水よりも濃い」といいますけど、あまりに濃すぎるとドロドロで、かえって、水のようなさらさらした関係のほうがいいように思えます。

 ここに集まる「万引き家族」。だれ一人として血のつながりはありません。


理想的な家族ですよ。1つを除いてはね。

 住んでる家にしても年金暮らしのババアのもの。で、このババアにしたって、まったく血の通わない、すなわち、死んだ夫の後妻(故人)の息子のとこに、たまたま月命日なんで寄った、と言っては3万円のカネをせしめる始末。

 で、ここの長女が精神的にやばくて、自分の処で暮らさせているわけ。長女は海外留学してることになってんだけど、ホントはJKフーゾクでバイト。家に居づらいようでね。



 フーゾク嬢の亜紀役を松岡茉優さんが演じてたんでビックリ。一度、J-WAVEにゲストで呼ばれましてね。彼女がMCしてました。頭の回転の早い娘でしたね。

 「万引き家族」てのは、ババアの年金で足りない分を「万引き」で補ってるから。日雇いとかパートとかもやってるけど、極めて不安定で計算に入れられない。つうことは、万引きは計算尽くでやってるわけですよ。

 高層マンションの谷間のボロ家。治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹亜紀との4人暮らし。家の持ち主は初枝。

 ある日、団地の廊下で震えていた幼女を見かねた治が家に連れ帰ります。誘拐になる、と帰らせようとする信代ですが、体中が傷だらけで、翌朝、家に送り届けようとしたものの、マンションに近づくと大声で叫ぶ妻の声。夫のDVが激しい様子をみてとると、信代は幼女を自分が育てる決心。
 
 2ヵ月後、テレビでは「子殺し容疑」でDV夫婦が取り調べ。

 この間、息子の祥太は「万引き」しか教えるネタがない父親から教わったノウハウを幼女に教えます。
 「妹にはやらせるなよ」と言ってくれた駄菓子屋のジジイは亡くなり、幼女を外で待たせたまま、昭太はスーパーで万引き。

 ところが、店の中に幼女が入ってきて、昭太と同じ仕草で万引きをしようとします・・・起承転結の転から結へと一気に話は展開します。 

 疑似家族のどこが悪い? 偽者でもホンモノを超えられるかも?
 しょせん、超えられませんでしたけど。

 けどさ、「家族らしきもの」を持てなかったからこそ、「家族らしきもの」をこいねがったわけでね。「ある人」は「ない人」の気持ちなんてとうていわかりません。で、「ある人」にかぎっって「ないものねだり」をするもんです。

 「産まなきゃよかった」
 「生まれてこなきゃよかった」

 血は水よりも濃い。しかし当たり前であるがゆえに、血を水ではなく血なのだ、と認識する気持ちがない。だから、水いえいえ人によっては泥水とか汚水と思うヤツも出てくるでしょうな。
 知人で養子縁組した親子たちが何組かいますけど、彼らはスタートは血ではなくて水ですけど、時間をかけて水を血にしようと努力してますよ。

 子ができれば親になる。けど立派な親かどうかはわかりません。どんなバカでも親にはなれますから。資格も免許もいりませんから、だれもが覚悟も自覚もなく親になります。

 「親であること」と「親になること」との間には天地の差があるようです。昨今、残忍な子殺しが話題になってますけど、「精神的に」子どもを殺している親なんてはるかに多いのではないでしょうか。

 父に似て 母に似て この子は神の子 仏の子

 水でも似てくるから、親子ってのは不思議ですな。

 
 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「『年金問題』は嘘ばかり ダマされて損をしないための必須知識 中編」(高橋洋一著・864円・PHP)です。

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2018年06月06日 (水)

「29歳問題」

 まったく期待してなかった。というより、観るつもりもなかった映画。
 FBでは何回も書いたけど、そもそも落語イベントには2時間ありまして、「ちょうどええがな」つうんで入っただけのこと。

 大当たりぃぃぃ。



 この映画いいですよ。香港電影金像奨最優秀新人監督賞を受賞したらしいけど、元もとは監督のキーレン・パンが2005年から舞台で演じてたものでしょ。



 すっかりこの人が監督だと思ってたのがダブル主演の1人。クリスティ役のクリッシー・チャウ。あまりにも似てるんで錯覚してました。だって、この監督、めちゃ美形なんだもの。


だれかに似てるなあ。だれだろ、思い出せん。

 で、クリスティがパリ旅行中の間だけ住まわせていた大家がティンロ。この2人、誕生日が同じ。いま29歳。30歳目前つうこと。

 舞台では2役を演じてるんですよ。そのほうが観たいわな。つまり、映画の大ヒットで舞台に客が集まる、つう現象ね。

 05年香港。化粧品会社に勤務するクリスティ。容姿端麗の敏腕女社長をリスペクト。仕事にもやりがいがあるし、恋人や友人もいて順風満帆。
 
 で、部長にも昇進。

 それからストレスの嵐。恋人ともすれ違い。そこに来て、実父が呆けてきた。マンションも立替とかで追い出され、1カ月だけ、大家に紹介されたティンロの部屋に間借り。

 ティンロはコロコロ小太りで明るくて、恋に夢見る乙女。レスリー・チャンの『日没のパリ』が大好き。
 
 なんの悩みのないようにティンロだけど、クリスティは彼女の日記を見つけちゃう。まだビデオメッセージでしか会ったことのないティンロに、クリスティは感動するわけ。
 
 仕事、恋愛、結婚。29歳が抱える問題はたくさんあります。

 どうして彼女たちはパリに行ったのか?

 そういえば、昔、ヘミングウェイだったかな。『移動祝祭日』というエッセイがありましてね。

 「もし、きみが幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、パリはきみについてまわる。
 なぜならパリは移動祝祭日だからだ」

 このひと言にガツーンと来ましたよ。ベル・エポックとレ・ザネ・フォル(Les Années Folles 狂乱の時代)の端境期を過ごしたヘミングウエイの絶筆ですからね。

 彼女たちにとっても移動祝祭日だったんじゃないかな。よー知らんけど。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「お祓い日和 その作法と実践」(加門七海著・352円・ダ・ヴィンチ)です。

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2018年05月21日 (月)

「濹東綺譚」

 忘れないうちに・・・先週土曜開催の「ぴよこちゃん倶楽部」ですが、データ・速記録を午前3時半に一斉送信しています。メンバーはご確認ください。添付ではなくダウンロード方式ですから、極めてボリュームが軽量です。届いてないよ、つう方はまずはスパムメールに分類されてないかご確認ください。


 ええっと、DVDなんすけどね。「荷風になりたい」をご紹介したと思うけど、映画は山本富士子バージョンと、津川雅彦さん・墨田ユキさんバージョンがあるわけ。



 山本富士子バージョンという意味は、荷風役はどうでもいいんでしょう。あくまでもおゆきが主役なんすよね。けど、津川・墨田バージョンはあくまでも「荷風」が主役。どこまでも荷風が主役。そういう意味では「荷風になりたい」チックでいい。


墨田ユキさんは沢尻えりかさんによく似てます。もっと女優続ければよかったのにね。相も変わらずつまらんメディアが潰してしまいましたな。

 墨田ユキという女優名は「墨東のユキ」という意味なんでしょうな。

 墨東。かつての玉ノ井。いまの東向島あたりかな。

 『濹東綺譚』は朝日新聞の連載なんだよね。舞台となった玉ノ井にしても荷風が住んでいた偏奇館にしても、3月10日の東京大空襲ですべて消え失せました。荷風曰く、「万巻の書も焼き尽くされた」。

 「ぬけられます」で知られる玉ノ井は私娼街。荷風が歩いた麻布、銀座、三田、浅草、玉の井・・・。新藤兼人監督は原作に忠実ですけど、偏奇館のロケ地は鎌倉じゃないかなあ。御成町のあの屋敷じゃないか、と思うんだよね。



 好きなように生きた男。荷風のような男が生きられたんですから、日本は戦前も戦中も自由なお国柄だったんですよ。

 ああ、荷風になりたい。 


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ 後編」(高橋洋一著・1,512円・KADOKAWA)です。

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2018年05月07日 (月)

「トレインミッション」

 久方ぶりに某社の編集長氏と面談。渋谷とのこと。嫌なんすよ、渋谷。ムダなエネルギー使うから。

 再開発工事で地下鉄の通路は狭いし、地上に出れば人口密度が濃くて歩けば当たるし、他人の足の裏蹴飛ばしちゃうし、待ち合わせのハチ公なんて、外国人がずっと記念撮影してるし。


ハチ公の背後から撮影。人気ありまんなあ。どう紹介されてんだろね。

 「なかなか美味い店見つけましたんで」と西武デパの右から昔のジャンジャンの横を通ってNHKの方に。。。「あれあれあれ、ここらに交番ありませんでしたっけ?」。
 「交番なら次、左折して坂を下がってまた左折だよ」
 ハンズを左折てこと。

 3回も行ったつうわりには道まちがえてやんの。

 「ここです」
 「隣の店はよく行ってますな」

 土佐料理。なかなか。隣は佐賀料理。原原の二次会でも何回か行ったなあ。

 本の企画は投資本、読書本、そしてSNS本と3冊。まあ、英語本も経済本もやらなくちゃいけないわけで。。。

 なにより映画談義。というのも、彼、映画狂で直前に岩波ホールで『マルクスとエンゲルス』なんて見てるんだかんね。勧めてたのは『トレイン・ミッション』。たしかにこれは面白いわな。

 実は、昨日見てるのよね。




 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「米軍の北朝鮮爆撃は6月! 米、中が金正恩体制破壊を決行する日」(副島隆彦著・1,512円・光文社)です。

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2018年05月05日 (土)

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」

 あなたは教会のように孤独。外には人が行列をつくっているというのに。

 これは映画というより「詩」ですな。

 生きるモチベーションてのは人それぞれ違うんでしょうけど、やっぱ、「存在が求められている」とか「価値を認められている」という「実感」にあるのかもしれませんね。

 「実感」てのは「主観」ですから思い込みでもいいんだけど。

 一昨日ご紹介しましたけど、見てきましたよ。またまた。今月末で閉館するテアトル横浜。


支配人がどことなく淋しそうだね。

 伊勢佐木町は日本最長モールなんすけど、サイドに場所取りしてる人たちがたくさんいまして、警官とボーイスカウトが交通整理してるわけ。
 なんだろ? えっ、開港記念イベント? そうか、もうそんな時機ですか。

 つうことはテレビ局も・・・来てる来てる。





 パレードがあんのね。それにしても少なくなりました。昔は観客で立錐の余地なしだったのよ。人口が減った、ディズニーに行ってる、だけが理由じゃないな。イベントが毎度毎度のパレードだけなのよ。おもしろくないの。関係者だけじゃないの、見てるの。野毛の大道芸は先々週に終わっちゃったし。

 来年はもっと減りますよ。雨降ったら終わり。



 ふさがってる道をなんとかスペース見つけて映画館へ。

 いつもがら空きの映画館にしてはそこそこ混んでるほうじゃないかな。けど、やっぱ、この雰囲気は場末だわな。ばあさん、じいさん。オヤジにおばさん。若いカップルは来んわなー。
 
 モードはリュウマチを患って身体は変形。歩くのも少し苦手。家族は見栄っ張りで甲斐性のない兄。この前、ジャズクラブを倒産させたばかり。

 おもりは規則にうるさい叔母。どちらからも「邪魔者」扱いされてきました。

 「おまえはなにもできない」
 「保護なしでは生きられない」

 けど、モードは自立したい。いつもそのチャンスを狙ってるわけ。



 そんなとき、短気で偏屈な男がメモを掲示板に貼り付けた。
 「家政婦求む。掃除道具持参のこと。エベレット」

 メモをひったくってモードは出かけていきます。

 孤児院育ちの男はぶっきらぼう。人間関係をなかなかつくれないタイプらしい。でも、モードが描いた鶏を「天使か?」と。つまり、悪い人じゃない。

 魚の行商をしたり、薪を売ったり。男は魚の注文を失念。NY出身の洒落た女サンドラがクレームを言いに来た。

 「犬が食べたとか」
 「飼ってない」
 「猫は魚好きよ」
 「飼ってない」
 「・・・」
 「これ(鶏)、あなたが描いたの?」
 「いちばん幸福だった頃を描いたの」
 
 幸福とは、チキンスープをつくるためにモードが殺すまでのことらしい。

 これがきっかけとなってモードの絵を買い上げるようになります。ポストカードよりも大きなサイズの絵を求めるようになります。

 魚の行商よりカネになるばかりか、ニクソン副大統領までが注文するわ、新聞やテレビ局が押しかけるわで、この男女は有名人になってしまいます。

 ニクソンが副大統領ってことは、アイゼンハワーの時代でしょ。朝鮮戦争直後だわな。

 モードは一族でいちばん不幸だと思われていました。たしかに、モードが産んだ娘は障害をもって生まれすぐに亡くなり、モードが一度も抱くことなく埋葬されてしまったとか。本人はリュウマチがこうじて背中が曲がり、その奇形のために子供たちから石を投げてからかわれたり。

 でも、絵が売れた。はじめて絵が売れた。自分が描いた絵を買う、という人が現れた。「バカがいて良かった」とエベレットは言う。

 絵の理解者が増え、モードの存在や価値を認める人が少しずつ増えていきます。そうして自己実現をかなえていくのでしょうか? どうもそうではないようで。売れようが売れまいが絵を描くことでしか寂しさを紛らわす術がなかったわけでね。

 哀しい時、絵を描く。泣きたい時、絵を描く。絶望にうちひしがれる時、絵を描く。でないと、ホントに死んでしまいそうだから。

 自尊心を満足すると、次は、だれの賞賛もいらない。自分が納得すればそれでいい、という(自己実現欲の)レベルに達する、とエイブラハム・マズローが言ったとか。
 自己実現欲にはマネーは関係ありませんが、自尊心にはマネーが「付録」としてついてきます。マネーってとっても便利な道具ですよね。

 でも、モードは贅沢からはほど遠い生き方をしてましてね。美味しいモノが食べたいとか、サンドラの綺麗な靴を賞賛しますけど、欲しいとは思わないし、まして自分が似合うとはさらさら思わないし。
 せいぜいハエが家に入ってこないよう、網カーテンが欲しいな、というのがモードの夢といえば夢。

 ちっぽけな夢。すぐにでもかなえられる夢。けど、エベレットがOKしなければかなえられない夢。そして、エベレットがかなえてくれた夢。

 それだけで喜んじゃう。

 絵が売れてると知った兄がモードの処にやってきました。マネーを管理するマネジャーになってやる、というわけ。でも、借金のために勝手に実家を売却した兄をモードは追い払います。

 叔母は叔母で後悔したまま死んでいきたくない、とモードを呼び出して「秘密」を打ち明けます。。。

 ま、これ以上は野暮なんで。一昨日に続いて、これも実話。




なんとも素敵な絵です。

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2018年05月04日 (金)

「はなれ瞽女おりん」

 忘れないうちに・・・突然、私、FBはじめましたので、よろしくです。


 ここ数日、岩下志麻さんがテレビによく出てましたね。番宣でもなさそうですし、舞台の宣伝でもなさそうですし、「たまたま」なんでしょうか。

 ご本人がやりたいのは『サンセット通り』でグロリア・スワンソンが演じた狂気の女優役だそうです。これ、ご本人から聴きました。といっても、トークショーで語ってたんすけどね。


ビリー・ワイルダーの名作中の名作。

 舞台はロス郊外の豪邸。ハリウッド。サイレント映画。栄光と没落。時代に忘れられた往年の大女優。自分は喝采が忘れられない。いまの自分を受け容れられない。光と陰。悲劇と喜劇。

 てことは、売れない脚本家役をご主人の篠田正浩監督がやったりして。
 んなこたないか。参考までにこの人、学生時代は箱根駅伝の選手で2区を走ってたはず。『瀬戸内少年野球団』がサイコーでしたね。そういえば、志麻さんも旅役者に捨てられる床屋の女主人役やってましたな。天性のコメディエンヌだと私ゃ思ってるんですけどね。



 で、『はなれ瞽女おりん』ですけど、瞽女というのは盲目の少女が将来、メシを食うのに困らないよう、三味線だとか唄だとかを身につけて、酒席等で客を楽しませるエンタテナー・・・といえば言えますが、昔のことですから(なんたって、時代はロシア革命によるシベリア出兵というんですから1917年から始まるわけ)、売春めいたこともあったはず。

 そういうことがあるから寝る時には両足を縛る。自慰行為を防ぐというより酔客を拒否するためだ、と思うね。

 で、母を失った6歳のおりんは瞽女の親方を頼るわけです。

 舞台は、おりんの生まれ故郷=福井の小浜。そして旅は上越の高田へと続きます。白鳥師匠の生まれ故郷ですな。ラスト、おりんは故郷に帰ってきますがね。ま、ラストシーンは声も出ませんな。水上勉らしいといえばらしいですけど。

 「はなれ」つう意味は破門された、つうこと。どうして破門されたか? 客をとってしまったからですよ。女なんですよ、女。業が深いつうか好き者つうか。寂しがり屋で冷え性で、「おらの身体、ぬくめてけろ」と男にしがみついて離れない。ジジイ相手でもですよ。



 志麻さん。盲目の役ですからずっと目をつぶっている。長いロケで全国あちこち旅しています。しまいには、目を閉じていてもだれが通ったかわかるようになった、と言ってますね。

 盲学校にも通ったらしいです。「廊下を歩いてください」と先生から言われると、どうしても左に偏ってしまう。これって右より左側の耳がいいからだそうです。人間てのはそう動いてしまうらしいっすね。

 たぶん、目が見える人でも人の話を聴く時、自然と利き耳のほうを向けているはずですよ。

 肉体関係を持たない唯一の男とおりんは旅を続けます。この男役が原田芳雄さん。撮影の時は、志麻さんと顔を合わせないようにしてたらしい。目の見えないおりん相手に、自分の姿は見えないようにしてたわけ。志麻さん、ずっと嫌われてると思い込んでたらしいっす。

 なんといっても、志麻さんの美しさ。そして日本海の美しさ、風景の美しさ。風景のみならず心象風景にも四季折々の美が映ります。当たり前ですよ、カメラは宮川一夫さんだもんね。『瀬戸内・・・』もそうでしたな。

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[2018年08月16日]
[中島孝志の不良オヤジ日記]

プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
「原理原則研究会in東京」
「原理原則研究会in大阪」
「原理原則研究会in博多」
「原理原則研究会in名古屋」
「原理原則研究会in神の国出雲」
「原理原則研究会in新潟」
「原理原則研究会in札幌」
「松下幸之助経営研究会」
「中島孝志のスピリチュアル研究会」
「日曜読書倶楽部」
「濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会」
「黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部」

 講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
 著訳書は480冊(電子書籍100冊含む)。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュース延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
 日本青年会議所の「TOYP(人間力)大賞」を87年から3年連続受賞の快挙(横浜JC推挙)。
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