カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2017年01月02日 (月)

「君の名は。」

 大晦日の紅白ではRADWIMPSが『前前前世』をテレビ初披露。劇画シーンもたっぷり放送。「これは見なくちゃ}と思った人も多いのでは・・・。

 ヒットするはずですな、これは。レベル高いわ。
 
 飛騨古川と新宿が舞台なんだろね。主演は神木隆之介さんと上白石萌音さん。

 神木さんは映画『桐島、部活やめるってよ』の主役でもありましたし、『風のガーデン』にも出演してました。『風』は好きでしてたまにDVD引っ張り出して見てます。サヴァン症候群の少年役だったよねえ。『優しい時間』も真夜中見てますしぃ、『さびおま』も。。。全部見るまで寝られない。これが困るのよね。

 「思い出せないなあ」つうことってありますよね。私、前世で約束してたらしいんですけど、いまだに思い出せないのよねえ。生きてる間に思い出せるんやろか。時間切れやろか。


長澤まさみさん、市原悦子さんも出演されてます。

 東京の男子高校生と飛騨の女子高生に起きた「入れ替わり」。1200年ぶりに地球に接近する架空のティアマト彗星が衝突して故郷は木っ端みじん。この女子高生も3年前に亡くなった・・・。

「まだ会ったことのない君を、探している」

 運命の赤い糸ってありますよ。会える人には会いたくなくたって必ず会っちゃうし、会わない人にはどんなことがあろうと会いませんもの。

 原原なんてその典型。いつかいつかと思ってるうちに終わります。いつまでもやってる、と考える方がおかしいんでね。私、いつも、今回がラストと考えてますから。

♪命に 終わりがある 恋にも 終わりがくる
 秋には 枯葉が 小枝と別れ
 夕べには 太陽が 空と別れる
 誰も 涙なんか 流しはしない
 泣かないで 泣かないで
 粋な 別れを しようぜ♪

 限りがあるから面白いんでね。前世の約束、思い出せんなあーー。

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2016年12月28日 (水)

「海賊とよばれた男」

 「國岡のもんよぉ。油持ってきたでぇ」

 原作を読んでると物足りないかもしれないけど、いい映画ですよ。悪役はメジャーだけ。ま、しょうがない。事実ですから。

 クライマックスは「日章丸事件」ですわな。

 う〜ん、綾瀬はるかさん、出演させる必要あったんかいな。嬉しいっすよ。大ファンですから(笛吹雅子さんが不動の1位。浅丘ルリ子さん2位、芦川いずみさん3位なの)。ほんの少ししか出とらんのよ。

 男の映画なんやろね。

 モデルはご存じの通り、出光佐三。いま昭シェルと合併だなんだかんだと話題の会社ですけどね。
 文化があまりにも違いますよね。かたや外資。かたや完璧民族主義。大家族主義。資産がきちんと残るよう節税対策等々も完璧にしてる会社ですからね。水と油。それが合併? ムリ筋なんじゃないの。

 映画の内容と重なって見えますわな。



 日本は先の大戦で、アメリカから原油輸入を止められました。死ぬか戦争か。あのマッカーサーですら、「太平洋戦争は日本にとって自衛のための戦争だった」と議会の上下合同委員会で証言してます。
 ルーズベルトはどうしても日本と戦争したかった。チャーチルから頼まれてナチス・ドイツと戦うために真珠湾を襲わせて、当時、戦争介入に大反対の世論(不戦法もありました)を「リベンジ一色」に誘導しようとしたわけではありません。

 ドイツとの戦争などどうでもいい。とにかく日本と戦争したかった。そのためにも、日本に真珠湾を攻撃させたかった。参謀総長ジョージ・マーシャルは暗号を解読していたにもかかわらず、太平洋司令長官にはひと言も伝えず、2000人もの若者をみすみす死なせることになった。
 それほどまでして、日本と戦争したかった。しなければならなかった。

 なぜか? 詳細は原原でね。

 安倍さんもそんなことは先刻承知。日本のメディアも先刻承知。知っているけど意識的に誤報を垂れ流し続けた朝日とはちがって、単純馬鹿のアメリカ相手に「説得」しようなんてしない。近々、気づきます。そういうグラスルーツの研究をさりげなく支えていくこと。これが日本には大切です。

 教科書問題なんて国内ではどうでもいいの。遅れてきた青年は消えますから教育の現場も変わるし、そもそも現代史は授業で間に合わないからみな知らないし。社会人になってから勉強するから大丈夫。

 世界中でいまでも戦争してるの、アメリカと中国、ロシアだけじゃない? これって、日本が戦争してた国でしょ? 戦争好きの国にいいかがりつけられたんじゃない、と大衆は感覚でつかんでるよね。イデオロギー馬鹿より庶民感覚のほうがはるかに大切。

 国内より海外での普及宣伝のほうが重要かつ喫緊のテーマでしょ。

 油の一滴は血の一滴。戦争を対戦した日本人はみな痛いほど知ってます。
 戦後、日本はGHQにより原油等の輸入は封鎖されてました。狙いは、日本を復活させないため。ところがスターリンが北朝鮮そして中国を押さえ、アメリカにガチンコ対立しはじめたのが誤算。共産ソ連はユダヤ人がつくった体制ですからね。まさかグルジア人によって粛清の嵐となるとは想定外だったでしょ。

 日本が晴れて独立した後、アメリカはメジャーを使って日本の石油会社をM&Aで傘下におきます。民族派石油資本は出光だけ。で、メジャー傘下の元売りは出光に禁輸措置。

 追い込まれた出光が目をつけたのがイランなのよね。けど、イランは英国の植民地。唯一の資産原油は長年に渡って英国に搾取され続けてきました。

 英国ってのは、人のふんどしで相撲をとるしか能のない国でしてね。悪知恵だけは長けてます。凋落の一途をたどってきましたけど、タックスヘイブン利権をアメリカにとられたらもう終わりでしょ。

 バカにしてたイランに、1951年、石油国有化を宣言されちゃうわけ。モサデク政権ですよ。で、出光はこの政権と話を進めて契約にこぎ着けるわけ。
 もち、英国は軍艦を派遣します。イラン原油を載せたタンカーは撃沈すんだかんね、と国際社会に宣言。こそ泥が強盗に変身したわけ。

 「アバダン危機」ですね。

 海賊は偉かったねえ。泥棒は英国のほうやんけ。で、悪知恵には悪知恵で対抗します。英国とトラブりたくない日本政府を慮って国際法の抜け道をとことん考えます。で、極秘で日章丸を派遣しようと決めた。

 海賊が偉いのは、国際情勢を読み切ったこと。原油は相場商品ですから「読み」がいちばん重要なの。大博打だけど、でたらめではなく、「読み」ですよ。インテリジェンスですよ。通勤快読、ぴよこちゃん倶楽部。そして原原ですよ。



 基本の方程式はこんなもんでしょ。英国から解放されたイラン原油を実はアメリカ(メジャー)が狙っている。戦闘行為に出たりすれば、アメリカは証拠を突きつけ国連と国際世論を動かして英国を攻撃するに違いない。アメリカが見張ってる範囲では手が出せない。ならば日章丸がアバダンで原油を積んでも攻撃できない・・・はずだ。



 マラッカ海峡を大きく迂回します。けど、英国のフリゲート艦に発見されて停船命令を受けるわけ・・・。
 「日本もイランも独立国家である。英国が二国間の自由貿易に介入するならば、その証拠を国際世論に提出する用意がある」
 結局、フリゲート艦は停船を諦めます。そして原油を満タンに積んだ日章丸が川崎港に到着するわけ。

 当時、アバダンに到着した段階から、連日、一面で報道されましたからね。注目度バツグン。喝采でしょう。
 英国の権威を地に落としたいアメリカが裏で支援してたはず。ま、英国がどんなに邪魔しようと船長も乗組員も海軍OBですから、武器はなくても、国際海洋法などの知識でも英国海軍に負けるはずがありません。

 残念ながら、直後にモサデク政権はCIAが立てた傀儡パーレビによって反革命で倒れます。最後の最後はカネへの執着の強いヤツが勝つわけ。

 そもそもモサデク政権に英国を追い出させたのも演出はCIAだったのでは?

 イランを巡ってはいろいろありましてね。日本の政治家はアメリカに秘密を握られているからか、公然と反対することはないっすねえ。

 2012年1月、イラン原油の輸入削減をアメリカから強いられます。
 フセインにイラン攻撃を唆したのはアメリカですよ。1980年。当時、日本はイランと進めてきた油田開発を中止せざるをえなかったんです。
 99年に発見されたイラン南西部のアザデガン油田の開発も日本が手がけてきました。推定埋蔵量260億バレル(世界最大規模)という良質油田です。これまでの投資は総額20億ドル。ところが、日本はイランと緊密になるな。アザデガン油田開発に協力するな、と強烈にねじ込まれるわけ。

 アザデガン油田放棄は絶対にありえない。しかしアメリカの圧力は執拗で、結局、この貴重な権益を放棄します。

 日本に圧力をかければ、漁夫の利を得るのは中国。同盟国日本を弱めてどうするつもり? いえいえ、アメリカは日本を仮想敵国といまなお考えています。いつか復讐されると確信してるのよ。

 ネオコンのチェイニー副大統領(当時)自身が先頭に立って、開発権獲得に動いた日本人、首相や大臣だけでなく現場の人間まで直接、手を下して排斥します。この男、人相悪いですよーー。

 「イランがホルムズ海峡を封鎖する」つうニュースが流れましたけど、んなこたできるわけがありません。バーレーンの第5艦隊にはリンカーンとカール・ビンソンが配置されてますからね。制海権もないしぃ、封鎖には機雷を設置したり船を何隻も沈めなければならないしぃ。イランにできるわけないっしょ。

 アメリカがペルシャ湾を封鎖したらイランに原油が入らなくなります。原油がなければ戦争はできません。
 「イランは世界有数の産油国でしょ?」
 あのね、産油国だからってガソリンが豊富にあるわけじゃないのよ。原油は精製しなければ使えないの。
 イランに製油所があるでしょ? ありますよ、稼働してないのばっか。正常に稼働してるのは1つだけ。1979年のホメイニ革命以来、アメリカには経済制裁されて(トランプが復活させそう)機械を動かす部品がないの。

 100年に1度のビッグプロジェクト。日本政府はのらりくらりとかわしてイランと契約調印にこぎ着けます。するとアメリカは別働隊IAEA(国際原子力機関)を使って警告を発っします。これでプロジェクトは露と消えます。

 国際連合、世界銀行、ユネスコなど、国際○○つう名称の組織がたくさんありますけど、日本人くらいですよ、実態を知らずに素晴らしい、と勘違いしてるのは。これ、別働隊なのよ。魑魅魍魎のエゴイストが跋扈してる伏魔殿ですから。

 かつて、メジャー経由で輸入するインドネシア原油を、メジャーを中抜きして直接買い付けたのが田中角栄でした。それまで日本にはカルテックス(アメリカ)経由の日本石油ルートと、ファー・イースト・オイル・トレーディング(岸信介がつくった)というルートしかなかったんです。新ルートを開発したのが角栄さん。
 もちろん、アメリカは猛烈に反発。ユダヤ人キッシンジャー(当初は国家安全保障問題担当大統領補佐官、のちに国務長官)が白い顔を鬼のように真っ赤にして、「ジャップめ!」と罵倒しましたよね。

 角栄さんは資源外交を始める前にキッシンジャーと直接交渉してるんです。
 「いざとなったら、アメリカは日本に原油を用意してくれるか?」
 「できない」
 アメリカってこういう国なの。

 「石油を支配できればその国を支配できる。だが、食糧を支配できればその国民を支配できる」と述べたのもユダヤ人キッシンジャー。

 日本には資源がありません。だから戦争に訴えるしかなかった。

 エネルギー自給率はドイツ27%、イギリス78%、アメリカ61%(シェール革命で90%まで改善してるはず)。自給率には数字のマジックがあります。輸入が0なら自給率は100%でしょ。自前でカバーできるんですから。カナダは人口が少なくて資源がたくさんあるから自給率140%。

 日本は4%。どう考えても少ない。しかし嘆く必要はありません。だって、日本のエネルギー変換効率はアメリカの3倍、中国の8倍。ダントツの世界一。日本はダントツの省エネ国家ですから。

 日本が省エネ社会になれたのは資源がないからです。
 70年代、ガソリンばか喰いの車ばかり作っていたアメリカは日本車排斥のためにマスキー法を可決します。世界一厳しい基準で達成不可能といわれたレベルでした。ビッグスリーは猛反発して、結局、実施前に廃案(1974年)されたんです。

 ところがホンダのCVCCを皮切りにトヨタ、日産がクリア。マスキー法など関係なく、業界が自主的に厳しい排ガスハードルを課したわけ。
 アメリカ企業は政府や政治家に泣きつきますが、日本企業は違うの。わざわざ開発コストをかけてまでハードルを超えようと努力しちゃう。だって、そうしないと日本は原油に振り回されてしまうもの。

 日本が中東産油国のようにリッター10円社会だったら、「タダなんだからガソリンがぶ飲み車でいいよ」となるに決まってます。シェール革命後、アメリカではピックアップトラックがバカ売れですよ。

 しかし、日本はハイブリッド車や電気自動車あるいは軽自動車
開発する。燃費ほさらに改善しようとする。それが日本人。

 いずれ原発も全面停止します。蓄電技術がないから太陽エネルギー等々は安定せずコスト高だけど、このエネルギーで水を水素に変換する技術がすでに実用化されてます。

 こんなこと研究するのも資源がないから。資源がないから知恵でカバーする。資源があるとアメリカに狙われてしまう。

 結論。日本は資源がないから成長できるんです。

 それにしても、安倍さん訪米(ハワイ)のいま、『海賊』に『世界の片隅』を見て欲しいね。『聖の青春』もよろしく。。。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「役者人生、泣き笑い 後編」(西田敏行著・1,728円・河出書房新社)です。 

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2016年12月20日 (火)

「この世界の片隅に」

 幼児性左翼によく見られる反戦大好き映画でもないしぃ、日本悪、連合国善という公式に洗脳されているわけでもないしぃ、戦争の持つ悲惨さ、という当たり前で手垢のついたメッセージでもないしぃ、あくまでもさりげなく、淡々と、絶望から再生=立ち直りの姿を描いた佳品でして、単館上映から全国あちこちで大ヒットして、いまや『君の名は』とロングラン記録を争う作品になるんちゃうか、つう評判でして、んなこと考えてますと、日本人とくに最近の若者(年だねえ)の感性はなかなか凄いやんけ、としか言いようがありません。


10年の間に呉も広島も日本もこんなに変わった。

 特別出演されてる渋谷天外さんに「見ておくなはれ」「ひと声だけ出てまんねん」と言われて、「ウォーリーを探せ」状態で目をこらして、いえいえ、耳をこらして聴いてたんですけどね、冒頭のあの子供をさらう獣かしらん・・・。

 それにしても、これ、5年前にドラマ化されてますよね。けど、アニメが大ヒット。なんでかなあ。う〜ん。

 違い? 美術と音声でしょうか。戦争、爆撃、原爆。。。けど、スクリーンはなんともほんわかしてましてね。ほんわかしたスクリーンに、人を殺し、人が死ぬ爆撃音が強烈にしてるわけで。視覚と聴覚では違うモノをとらえてるような感じがするんよねえ。

 ああ、こういう表現がいいなあ。闇が深ければ深いほど光が映えるわけでね。

 それにしても、主人公の北條(浦野)すずを演じたのんさん。昔の能年玲奈さんですか(事務所とのトラブルで本名が使えない、つうのも奇妙な話ですな)。ピッタシ。ほんわかしてます。巧いですなあ。

 聖の青春、海賊、昨日のきみと、沈黙、本能寺ホテル・・・日本の映画界、凄いっすねえ。これにアニメでしょ。ワンパのハリウッドなんか蹴散らすんちゃう。。。

 1月度の東京原原は二次会はありません。その分積み立てて、2月に河豚やりましょ。博多原原は新メンバーも続々。楽しみですな。新潟原原のメンバーも新メンバーをいまのうちにお誘いください。3月はオープン講義としますのでよろしくです。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「山口組分裂と国際金融」(猫組長・渡邉哲也著・1,296円・徳間書店)です。

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2016年12月05日 (月)

「聖の青春」再び。。。

 ま、2回観たからもう1度ご紹介てわけ。『砂の器』は連日連夜27回観たしねえ。これも何回観るか。。。

 「人生棒に振ってもかまわない」・・・将棋との出会い。100年に1人といわれる将棋の神・羽生善治さんとの出会い。

 「病気にならなきゃ将棋にも羽生さんにも会えなかった」


傑作映画です。


 そこまでして将棋にのめり込んでいくわけで。将棋を指している瞬間だけが絶望の中で見つけた希望を感じられたのかもしれんなあ。痛みと苦しみから逃れられる瞬間だったかもなあ。末期ガンにはモルヒネも効かないからねえ。

 村山聖はまさに「棋聖」の名に値する棋士だったと思います。


右下の窓に大きなポスター。館内のあちこちにも貼られてます。。。

ちょうど解説会をやってました。館内をぶらぶらしてると内藤九段の詰め将棋問題を発見。

 関西将棋会館から西北の方角に歩いていくと、かつて、彼が過ごしていたアパートにたどり着きます。

 ああ、あそこで暮らしてたのかあ。本と荷物で一杯で窓から外を見ることなんてなかっただろうなあ。。。ぼんやり2Fを眺めてたら、「部屋見ます?」と声をかけられましてね。


狭い狭い狭い。でもここが宇宙。億ションに暮らしても弱いヤツは弱い。


 本籍大阪原原・現住所東京原原のIさんはかつて奨励会を目指された方です。現在アマ六段。この部屋を訪れたとき涙が止まらなかったそうです。対羽生戦をリアルタイムで観て、またユーチューブで観て、「これが病に倒れる人の打ち方とは!」と感動を禁じ得なかったとのこと。

 東京原原には同じように奨励会を嘱望されたKさん(病院長さん)もいますから、今度、対戦してみてはいかがでしょうか。


村山聖へのメッセージノート。お母様が読むのを楽しみにされてるそうです。私も少し書かせて頂きました。。。Iさんも書かれたそうです。

 時間の無さ、命の少なさに自暴自棄になり、財布から万札を出しては次々に破いていく。
 「こんなもん、ボクには必要ないんじゃ。こんなもん・・・」


「大局観」という言葉。枝葉末節にとらわれずその大元を観る。左脳だけではなく、五感+第六感=身体中で観る、という意味ですね。「観」という語源がそうだもんね。これ、訓で読むと面白い発見がありますよ。

 この扇子、先日も話しましたが東京将棋会館では売り切れです。ヤフー、楽天でも在庫がありません。私は持ってますけど。映画の影響で再販されるでしょうね。


JR福島駅ガード下の「更科食堂」は師匠森信雄さんとほぼ連日通った店だそうです。村山ファンの聖地の1つでしょう。

 同じように焼き魚定食を注文。ホントはコロ豚定食にしたかったけど。ついでに玉子焼きとビール。特別に薄味にしてもらってたらしいけど、それでも濃かったとのこと。森七段は仮が行く店すべてに薄味にしてくれ、あまり飲ませないようにしてくれ、と頼んでいたらしいね。

 この師匠も苦労の塊のような人だからね。「優しさ」が半端ないわな。

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2016年11月25日 (金)

「聖の青春」

♪吹けば飛ぶよな 将棋の駒に
 賭けた命を 笑わば笑え♪

 作詞の西条八十も作曲の船村徹さんも将棋を知らないらしいっすね。

 たかが将棋、されど将棋。盤上に宇宙が広がる。そこが魅力、いえいえ魔力なんでしょう。

 17歳で奨励会に入会。2年11カ月で四段(プロ)昇段。谷川浩司さんで3年8カ月。羽生善治さんで3年。いかに天才か怪童かがわかろうというものです。
 「兄2人はバカなので東大に進学しました。ボクは天才だから棋士になりました」とは米長邦雄九段。
 

神と鬼との勝負だわな、これは。

 「ボクの夢は2つあります。早く名人になって将棋を辞めてゆっくり暮らすこと。愛する女性と幸せな結婚をすること。でも、こんな病気を抱えたボクには無理かもしれませんけど」

 ネフローゼ症候群を幼児期に発症。20歳まで生きられるかわからない。だから奨励会で四段になりプロとして歩み始めた時、「将来の夢は?」と質問した米長九段を怒らせてしまいます。

 早く引退すること・・・将棋という仕事をバカにしてる、と立腹したわけですね。けど、「長生きできない」と覚悟していた若者にとって「将来の夢」なんて話、悠長にしてられないですよ。

 「どこか海外に旅行したいな」と話していた人が余命を告げられると、「自分の足でトイレに行けるように」と願います。「美味しいものが食べたい」という人が「自分の口で咀嚼して食べたい」と願います。これが掛け値なしの「夢」なんでしょうね。

 昔、東京原原で「人生の原理原則について語ろう」というテーマの時に、たしか、こんな質問をしたことがあります。
 「人生最高の愛を交わす相手に巡りあうチャンスがあります。悲しいことに、半年後に亡くなる運命です。その後、長く続く苦しみを覚悟の上で、なお、あなたはこの人と巡り会いたいですか?」

 あまりにもあまりにも哀しくて切なくて泣き出してしまいそうなので、この講義は永遠に封印してしまいましたけど、この「愛」という言葉を「将棋」と置き換えたら、村山聖はどうするだろう・・・映像を見ながらずっと考えていました。いまも考えています。

 最期の言葉・・・「8六歩 同歩 8五歩・・・2七銀」

 本当に将棋に惚れ込んでいたんでしょうねえ。

 どんなに有名な棋士でも天才、怪童でも、親にとっては可愛い子供。「聖、丈夫な身体に産んであげられんでごめんね」と謝る母親はいまでもご自分を責めてるんじゃないかなあ。母親ってそういうもんですから。

 母親ってのは哀しくて、愛しい存在ですな。すべての苦労を抱えちゃうもんな。

 人生は時間の長さじゃないです。100歳には100年の持ち時間があり、29歳には29年の持ち時間があり、24歳には24年の持ち時間がある、ということだけ。持ち時間は客観的数字。どう生きたか、その生き様はあくまでも主観が決めるんです。

 この生き様が人の心を打つのだ、と思います。一瞬の死が遺すメッセージなどたかが知れています。「密葬にしてくれ」とさりげなく父親に頼んでいました。その一瞬だけを記憶に留めてもらいたくない。記憶からも消えてしまいたかった。

 若者の矜持と少しばかりの羞恥があったのかもしれませんな。

 治療より将棋を優先した聖。文字通り、命懸けの生き様でした。
どう死んだかより、どう生きたか、どう戦ったか。勝負師として、このほうがはるかに崇高です。記憶から消したかったかもしれないけど、永遠に記憶に残る生き様を見せてくれました。もちろん、村山聖だけではなくて、市井にもそんな生き様を見せてくれる人はたくさんいます。

 「29年の持ち時間しかなかろうと、生まれ変わっても、羽生さんと死闘を演じる時間をたのしみたい」と思えるなら、最高の人生じゃないでしょうか。

 「人生棒に振ってもかまわない」・・・原原でいつもお話ししていることです。そんな生き方ができる人、意識して飛び込める人、なかなかいないですよ。ほとんどは成り行きです。「成り行き」ってのは無意識の世界。夢遊病者のようなものです。

 これを「自覚」に換えないと本気にはなりません。本気にならないと守護霊は応援してくれないんです。

 「人生棒に振ってもかまわない!」という将棋と出会い、100年に1人といわれる将棋の神・羽生善治さんと巡り会えた村山聖は最高に幸福な人だったと思いますよ。

 「病気にならなきゃ将棋にも羽生さんにも会えなかった」

 将棋に生きた人生。いや、将棋と心中したというべきか。いえいえ、絶望の中で唯一見つけた希望。将棋にどっぷり浸かっている時だけが苦しみから逃れられる瞬間だったはず(末期ガンにはモルヒネも効きませんからね)。

 将棋を心から楽しんだ1人の無邪気な若者、というべきでしょうね。村山聖はまさに「棋聖」の名に値する棋士だったと思います。

 それにしても、この映画、さらりと終わっていいね。拍子抜けするほど・・・さらり。こういうの「無為自然」の三昧というんだよなあ。いろんな演出があるけど、全体的にさらりとした演出を選んでくれたのはとてもいいねえ。

 明日も観に行こっと。。。

 散るをいとふ 世にも人にも さきがけて 散るこそ花と 吹く小夜嵐・・・今日は憂国忌ですね。


牛丼はやっぱ吉野家! 聖が愛した「吉牛」。映画を観たら食べに行こう。。。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「超金融緩和からの脱却」(白井さゆり著・2,916円・日本経済新聞出版社)です。 

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2016年10月23日 (日)

「太陽の蓋」は国民必見の映画です。。。

 「5年前、テレビにかじりついていた人たちは、いまどんな気持ちなんだろう・・」

 あれから5年ですか。早いもんです。この間、政界は素人民主党から玄人自民党へと政権再交代。で、原発再稼働、いや停止。裁判。選挙・・・。

 この映画、めちゃ民主党寄りに描かれてます。まさに民主党、民進党のプロパそのもの。けど、観るべきでしょう。いまだからこそ観るべきだと思います。

 当時の首相カンチョクトさんほか、実名で登場してます。そんななか、東京電力をどうして仮名にするのかね。わからんなあ。実名にしたら裁判沙汰になるからか。いまおな巨大な権力を持つ電事連から横やりが入るから?


官房副長官の福山哲郎さんが必要以上にかっこよく描かれてます。

 
 「海水注入を止めたのは私ではない!」とカンチョクトさんは言いたいんでしょうな。映画のなかでも手下がはっきりセリフを言ってましたから。で、みなに観てくれ観てくれ、と上映会まで展開しとるんでしょうな。

 それにしても、東電はよっほど信用してなかったんですな。カンチョクトさんのことを。すべての情報を独占して、最後の最後に官邸に届く有様。テレビで情報をはじめて知る有様。情けないねえ。

 官僚。官僚以上に官僚だった東電本店の人たち。専門家と称する素人たち。いくらなんでもこんなに酷くはないだろう、つう描き方。映画とはいえ、すべて他人事つう無責任体質より無能ぶりが際だってますな。

 対極的なのは福島1Fの現場。「命をかける覚悟で臨んで欲しい」と言われる前から、決死隊を組織して対処していたほど。いつの時代も現場の士気が高いのが日本企業の特徴で、これがなくなったら終わりです。

 「特攻隊」はいまもしかといるわけで。

 同時に、冷静に考える現実派も必要なわけでね。「官邸が民間に指示を出すのであれば、法的根拠はどこにあるのか?」と官房長官に詰め寄る補佐官も見識がありますわな。異常事態といえども、超法規的行動は最大限慎むべきでね。でなければ、のちのち禍根を残しますわな。

 「撤退!」は原発事故解決放棄を意味するわけですが、こんなメッセージを出したのは東電本店だけのようです。首相も危機監理官も「決死の覚悟」で臨む、と一致していたようで、映画ではそこの処が誤解されるかもしれません。

 ホントに民主党、民進党寄りの映画です。けど、素人政権が人類初の大事故に情報ゼロで当たらなければならなかったわけでね。たとえプロでもたいして変わらなかったかもしれません。当時のことを思えばね。 

 5年経ち、少しは情報武装もできていると思います。そういう意味で、いまこそ、必見の映画ではないか、と思います。

 収束宣言? まだなんにも終わっちゃいないわけで。首都圏はいまなお木っ端みじんになる可能性を秘めたままなわけで。ぜんぜん解決していないわけです。
 末期状態にあるにもかかわらず、小康状態を保っているんで、「健康じゃん!」と自他ともに思い込んでるにすぎないわけでね。

 知ってる人、知らない人、気づいているのに気づかてないふりをしてる人・・・いろいろです。ただ1つ明らかになったことは原発が無くたってエネルギー需要を100パー満たせる、つうことです。

 代替エネルギーの輸入、開発等でコストはかかるでしょうが、こうなると、よりすごい節電技術が開発されて輸入量は激減。円高で原油価格も下落。

 いますべきことは「段階的廃炉プログラム」の作成。以前、なにかの本に書きましたけど、原発は原発でも安全で操作しやすい「トリウム原発」へと転換すべきではないでしょうか。

 代替エネルギーについて、コスト感覚ゼロで導入したカンチョクトさんは大嫌い。けど、この映画は嫌いにならないでください!

 で、こういう映画を観た後は喫茶店でしばし思索。。。どこの茶店か? 映画観ると割引になるとこがあんの。明日ご紹介しましょ。コーヒー苦手だけどね。ここのが呑めないとなると日本中どこも呑めませんわな。

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2016年10月18日 (火)

「人間の値打ち」

 値打ちなんてのは、「棺を蓋いて事定まる」つうからね。死んでからあれこれ出てきて、株価が決まるんでしょう。

 国政に都政に売文業にと精力旺盛な政治家がいました。一貫して傲慢な性格は変わらず、けど、内実は実弟とその弟がつくった俳優集団のおかげで、ご本人のみならず親子累々にいたるまで一切合切お世話になっているような皆様方ですが、引退後、カウントダウンが始まるとさしもの傲慢さも影を潜め、「忘れた」「覚えてない」・・・認知症をきどったままあの世にもっていくつもりなのでしょうか。

 まさに「人間の値打ち」は死を間近にする頃に評価定まる、ということなのかもしれません。



 監督は名匠パオロ・ビルツィ。出演はファブリッツィオ・ベンティボリオにヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。ヴァレリアはサルコジの元妻のお姉さんですよ。う〜ん、大人のいい女。エマ・トンプソンとクリスティン・スコット・トーマスつう女優が大好きなんすけど、まさにどんぴしゃでんねん。

 100分しかないけど、濃ゆい濃ゆいストーリー展開。削りに削ったんちゃうかなあ。

 ファンドの儲け話に一枚噛みたくて娘の交際相手が超金持ちのファンドマネジャーと知って、全財産を投資した不動産屋。

 イタリアつうのはイギリス以上の階級社会っすから、超大金持ちの妻はマンションに建て替えられる劇場を残そうといろいろ動き出すわけ。

 けど、株価暴落。まさにイタリア。

 夢に裏切られ、男に裏切られ、金に裏切られ、家族に裏切られ、超金持ちには超金持ちの悩みがあり、庶民には庶民の悩みがあり、貧困層には貧困層の悩みがあり・・・「ひき逃げ」をきっかけにそれぞれの不満とエゴが素っ裸になります。

 愛は金で買える。人の命も金で買える。人生も金で買える。分別のある大人は何でも金で解決しようとします。けど、そんな大人たちの狡猾さに計画をつぶされる若者たち。。。う〜ん、したたか。

 それにしても、熟女の妖艶さを満喫できる映画ですな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「名画で読み解く ハプスブルグ家12の物語」(中野京子著・光文社・1,058円)です。

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2016年10月10日 (月)

「後妻業の女」

 忘れんうちに、週末14日(金)の博多原原。ゲスト講師は奥村眞吾先生。で、二次会はいつもの「花唄」貸し切り。東京、名古屋、大阪メンバーで一杯! 奥村先生からとびっきりのワインを献上してもろとります。お楽しみに。。。


 「好きなことは読書と夜空を見上げること…わたし、尽くすタイプやと思います」

 この女。公正証書遺言をつくらせたとたん豹変します。
 「だって釣った魚に餌やったらハヨ死なへんやろ」

 で、死んだら正体さらけだしますんや。
 「あんたら父親捨てたくせに、死んでから娘面するんじゃないよ」

 う〜ん、豊田商事事件を思い出させますな、これは。

 封切りもう終わりっしょ、つう間際で滑り込みました。痛快でんなあ。笑えるわー。いや、笑えんわー。
 黒川博行さん、直木賞受賞後第一作の『後妻業』。家族にも見向きされないけど、金だけは持っとるジジイの「後妻」に収まって、その財産すべてを吸い取ってしまう。

 そう、「吸血女」が主役でんねん。

 孤独死、孤老死が頻発しとりますからね。あちこちで起きてますやろ。黒川さんもそうとう取材されたと思いますな。

 監督は『愛ルケ』の鶴橋康夫さん。まあ、飽きまへんわ。あっという間に2時間20分。で、主役の後妻が大竹しのぶさん。さすがでんな。巧いわな。いわんでもわかる、思うけど。

 私、この女優、デビューの時から嫌いなの。でも、演技力あるわあ。日本を代表する女優でんな。で、後妻業を裏で仕切る結婚相談所のボスが豊川悦司さん。私、この人、デビューからずっと好き。『青い鳥』『愛していると言ってくれ』『兄貴』・・・どれも良かったっす。


全編関西弁。「大阪=金」つうより「大阪=笑い」やからやと思う。化粧をすべてはぎ取った裸の人間ばかり登場するから「喜劇」なんやでー。

 「あんたらが捨てたジジイ、私が看取ってやったんや。金はどうせあの世にもっていかれへん。ええ夢見せてやったんや。そのお代や」

 笑ったのが鶴瓶さん。不動産業という触れ込みなんだけど、ホントは棹師なのよ。股間をさらしたとたん、「通天閣や。いや、スカイツリーや」やて。。。棹一本で女をメロメロにしちゃう。後妻業の女も魔力に吸い寄せられる処が人間らしくてええわー。

 欲の突っ張り合い。欲と欲とのガチンコ。人のことは笑えません。多かれ少なかれ煩悩の子ですからね。金、オンナ、セックス・・・こんなんはむき出しの欲でっしゃろ? 「あの世に金はもっていけない」なんぞと思うのはビンボー人。金持ちは「地獄の沙汰も金次第」と思っとるわけ。歴史的絵画だって、「わしが死んだら一緒に焼いて欲しい」と欲ボケするのが人間なわけ。

 幸せになりたい、成功したい、年金ちゃんと欲しい、家族に看取ってほしい、葬式にはたくさん来て欲しい・・・些細な欲だけど、多かれ少なかれ「欲の虜」なのよ。身の程知らずの欲か、丈にあった欲か。欲の主人になるか、奴隷になるかなんやろなあ。

 なーーーんもいらん。金もいらん。家族もいらん。命もいらん。
 仏陀の心境ですな。しっかし、たまらんやろな、そんな人生。欲の奴隷のほうが似合ってますな、私には。。。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2016年10月09日 (日)

「怒り」

 「怒り」ねえ。怒りつうのは、奇妙なようですけど、これはこれでコミュニケーションの1つでしょ。怒ることで他人=社会と繋がってるわけですからね。

 でも、他人=社会と断絶した「怒り」つうのもあるわけでね。もしかすっと、この映画に登場する人たちってほとんどがそうかもしれませんな。「ほとんど」つう意味は「全部」じゃないわけ。ま、それは映画とくにラストシーンを見ればわかるわけで。。。

 こんなに絶望的にくっっっらぁぁぁぁい映画も久方ぶりですよ。『血と骨』とか『セブン』『レクター博士もの』以来かな。基本、ビビリなんでね。

 先週、東京原原がありましてね。実は1つ質問を忘れちゃったのよ。なんたって東京は2時間しかないので早回し。30分も「まくら」話してかんね。

 質問したかったのは単純なことなの。「生」の反対語はなにか?

 開始30分前に「小千谷市片貝の花火大会」と「長崎の精霊花火大会」をご覧頂いたので、やめりゃいいのに、「拝火教(ゾロアスター教)」についてついつい話してしまいました。ご案内の通り、拝火教は仏教そして仏教の源流であるバラモン教、ヒンヅー教、シーク教、ジャイナ教からキリスト教、ユダヤ教まで影響してます。

 真言密教の護摩焚き、神道の火焚き祭なんてのはまさに拝火教の祭祀そのもの。花火があがるたびに「鍵屋ーー」「玉屋ーー」つうのも、これ、江戸の花火屋さんの屋号つうより、元々はお稲荷さんのことですからね(伏見稲荷大社に詣らなくても、どこかの稲荷神社でお狐さんを見れば氷解しますよ)。

 今週は水曜から名古屋原原。大阪入り前に伏見稲荷に寄って3時間ほど登ってこよっかな。もうそんなに暑くないっしょ。京都駅からJRなら2つめ。晴れてりゃ京都市内が一望できます。東福寺まで歩いてすぐ。紅葉には早過ぎますけど。ブームの若冲の墓は隣の石峰寺。残念ながら「若冲五百羅漢」は撮影できませんけどね。

 去年3回。今年2回目。

 で、拝火教は善神アフラ・マズダと悪神アンラ・マイニュが交互に世の中を支配し、最終的には善神が悪神を倒す、つう段取りなわけ。

 悪神と善神つう二元論。砂漠宗教には珍しく多神教なわけよ。面白いのは、善と悪をどう考えるかなんですけど、善だけを貫徹できればいいけどね。そんな人間なんていないでしょ。ジャイナ教徒なんて生きるための動植物を糧にしなけりゃならない。だから、臨終には即身成仏、餓死をプログラムしてるわけでね。

 罪と罰だわな。

 悪が目立つのはどういう世界かというと、悪が蔓延した末法の世ではありませんよ。善に満たされた世界だからこそ小さな悪でも目立つわけでしょ。

 光は闇が深ければ深いほど輝くわけでね。

 不思議なことに、光を求める人ばかり。拝火教にしても善神は多数ですけど、悪神は1つだもん。

 「大日如来」にしても「毘盧遮那仏(「光明遍照」を意味するサンスクリット語)にしても、「光」なわけ。でも、この「光」を「光」とするのは「闇」あればこそなのよ。昼日中でも月と星はありますよ。太陽がまぶしくて月も星も見えないだけ。

 小さな光でも見えるのは闇が深いからです。


「おまえは大切なモノが多すぎる。ホントに大切なモノはだんだん減っていくんだ」

 この映画の内容は。。。ま、野暮なことはやめましょう。

 渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、ピエール瀧、高畑充希、宮崎あおい、妻夫木聡(敬称略)等々、日本演劇界のオールスターが揃い踏みですよ。どれだけ脚本がいいかわかろうっつうもの。

 しっかし、絶望的に暗い作品です。怒りには、夢と希望のある怒りもあれば、夢も希望もない怒りもあります。あのね、後者はだれも受け取ってくれない怒りではないのよ。怒りたくても怒れない。怒っても爆発できず押し殺すしかない怒り。

 だから、絶望的なの。爆発すればガス抜きもできるけど、いつまで経っても消えずにメラメラ燃え続けているような怒り。臨界点に達すると精神を破壊してしまう。

 この映画。暗くて暗くて窒息しそうになったけど、松ケンと宮崎あおいさん演じる最底辺の若い恋人に救われたなあ。

 1人でもとことん信じてくれる人がいる。人って強いようで弱いからね。だから、私ゃ、「自分を励ませる人がいちばん偉い」って何回も本で繰り返してるわけでね。自分で自分を信じなくちゃならんのだけど、その自分がいちばん最初に自分を信じてあげなかったりするわけさ。

 自分すら信じていない自分を、あの人だけは無条件で信じてくれる。心の余裕が「居場所」を産むのよ。「怒り」の反対語は「信頼」とか「愛」なのかもしれないね。そうそう、「生」の反対語はなんやろ?

 劇薬ですな、この映画。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2016年08月28日 (日)

48年間待ち続けた映画「小さい逃亡者」

 昨日のビジ研良かったでしょ。講義、最高でしたね。目からウロコ。大ヒット間違いなし、つうビジネスでしたわな。ま、詳細は近々。

 この映画。小学6年の時、学校の映画鑑賞会つうのがありましてね。体育館で映写するわけ。で、みなで見るわけよ。

 「あいつ泣いてやんの」
 「KもMも泣いてたぞ」

 感動したら涙が出るのは当たり前なんすけどね。悪ガキだから、そんな同級生を見るとなんとなく囃し立てたくなるわけよ。じゃ、自分はどうかっつうと、恥ずかしいから涙をこらえてるけど、心の中じゃ大泣きしてるわけ。
 
 で、この映画、ずーーーーっと探してたんです。忘れたことはありませんでしたね。ネット検索できる時代ですからね、しょっちゅうチェックしてましてね。

 そしたら8月末に発売されることがわかりまして、予約注文。昨日、届いたつうわけ。もち、早速見ましたよ。



 日ソ合作第1回作品。シナリオはソ連はエミール・ブラギンスキー、日本は小国英雄が参加。監督はエドワールド・ボチャロフと衣笠貞之助。撮影はピーター・カターエフと宮川一夫という豪華版ですよ。

 ヴァイオリンと絵の才能溢れる少年(10歳)ケンは孤児。夜の巷で流しをするおじさんと暮らしてます。
 このおじさん、元もとは名演奏家だったんだけど、いまじゃ落ちぶれて流し稼業で糊口をしのぐ日々。商売に子供を使ってるんで、児童福祉法違反でしょっぴかれて、警察官に説教される始末。

 あるとき、酒に酔っぱらったおじさんが、「おまえはおれみたいになっちゃいかんぞ」「立派な人間になるんだ」「父親のようにならなくちゃいかんぞ」とこぼすわけ。

 「でも、ボクのお父さんは死んじゃってるんでしょ?」
 「生きてる。モスクワで生きてる。立派な男だ」
 「・・・」

 その日から世界地図を眺める毎日が続きます。

 ボリショイサーカス東京公演。ケンは道化師と知り合いモスクワに連れてってくれ、と頼みこみますが、行き違いで、ケンは密航を企てるわけ。

 ソ連船に忍び込んでナホトカまで行くんだけど見つかっちゃう。けど、この密航事件処理でモスクワに向かうことになります。けど、途中で迷子になって1人ぽっち。リュック1つで線路をとぼとぼ、密林にわけ入ったり、それでも会う人たちに次々に助けられながら旅を続けまい。

 そしてレニングラード(サンクトペテルブルグ)に着くと、あの道化師と遭遇。ようやくモスクワに連れて行ってもらうんだけど・・・。


 48年前の感動と同じでしたね。ナホトカ、ハバロフスク、サマルカンド、レニングラード、モスクワ。聖イサアク大聖堂、カザン大聖堂。。。懐かしい京都の町並みも撮られてますが、これも感慨深いなあ。

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プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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 講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
 著訳書は330冊。ほかに電子書籍100冊。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
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