カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年06月20日 (水)

「ラッキー」

 「孤独」と「1人暮らし」とは違うんだ、とさ。まあ、死ぬ時に周囲にだれかいるのといないのとの違いかしらん。

 人間、1人で生まれて1人で死んでいく、とはいうものの、孤独死か増えてるとはいうものの、たいていは病院で死ぬわけで、そうすると、家族には看取られないけど、看護士さんとかが気づいてくれるかもしれんし、孤独死に付き合ってくれるわけじゃないしね。

 そういえば、妻と複数の愛人が病室で鉢合わせして、「あのまま死んでしまいたかったね」と以前、NYCで大成功した有名レストランのオーナーが言ってたなあ。

 さて、この映画。見たかったんです。あまりやってないのよ。ギリのギリで、阿佐ヶ谷の小さな小さな小さな映画館。これなら家で見た方がでかいんじゃね、という映画館まで見に行きましたよ。


阿佐ヶ谷駅北口。午後6時過ぎから1回だけの上演。1日6種類くらい上演してます。阿佐ヶ谷って住宅街と飲み屋が混然としててサイコーっすね。



 90歳のジジイを演じるのはこれまたジジイのハリー・ディーン・スタントン。残念ながら公開前に亡くなっちゃいました。最後の主演作品つうことですな。

 友人の監督デヴィッド・リンチまで共演してんの。いい役なんだよね、これが。「ルーズベルト」って命名したリクガメに遺産相続させるつもりが逃げられちゃった、つう役。

 90分程度の映画ですけど、とても良くできてますね。

 このジイさん、めちゃくちゃクセが強いんよ。朝はミルク。それからヨガ。で、馴染みのコーヒーハウスで悪態ついて、自分を出入り禁止にした店に大声でこれまた悪態ついて家路につく。

 この繰り返し。

 フラッと倒れて病院に。

「あなたの場合、禁煙は体に悪いから許します」
「どうして倒れたんだ?」
「加齢ですよ」
「いまさら?」

 笑いましたよ。90過ぎて加齢もないわな。とっくに加齢じゃん。

「病気なら、あなたの年ならとっくに死んでます」

 たしかに医師の言う通り。ヘビースモーカーでもどこも悪くない。ピンピンしてるわけ。あとは加齢で動けなくなり、そして死ぬ。それまでに呆けてしまうかもしれんし、呆けなければ悲劇だし。



「秘密があるんだ。聴いてくれるか」
 心配になって見に来た看護士に告白します。
「怖いんだ」
 
 だれだって死ぬのは怖い。はじめてのこと。リハーサルもきかないしぃ。覚悟してたって怖い。一休さんみたいに、死にとうない、死にとうない、と叫びたい。

 生きるのが辛いほど苦しい。早く死にたい。楽になりたい。それほど辛い、苦しい。ここに来てどうして難行苦行せんとならんの?
 愛しているから楽にしてやりたい、と殺してしまう。それほど辛い。
 死に顔が優しい。とっても穏やかな顔になった。そういうことってあります。

 呆けたら顔は穏やかになります。これ、ホント。呆けは神様からのプレゼントなんです。

 頑固で意固地で攻撃的で傲慢で・・・このジジイ。怖さを告白したらとっても穏やかな顔になります。

♪素直に生きれば良かった。君とやりなおしたい。
 招待されたメキシコ人のパーティで思わず愛の歌「Volver Volver」をアカペラしちゃうジジイ。歌に合わせて演奏がはじまっちゃう。やんやの喝采。

 結婚せず、家族もいない。恋はしたかもしれないけどもう忘れた。男としては役に立たないし。素直に生きたかった。もっと自然に。ああだこうだと決めつけないで、あるがまま、すべてを受け容れればよかった。

 いまとなっては遅いけど、いまからでもそうして生きていこう。後悔はしない。自分の人生だから。ジジイ、カッコイイぜい。

 ホントに脚本よくできてるわな。原作読んでみよっと。

 でも、どうして、これ、見たかったんだろ? 呆けてきたな。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「Jimmy 後編」(明石家さんま著・702円・文芸春秋)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年06月11日 (月)

「万引き家族」

 忘れないうちに・・・明日は東京原原です。早いモノでラス前ですよ。いよいよ来月でオーラスです。今回のテーマは「売上を10倍増させるマーケティングの原理原則」です。「ま・く・ら」もそうですが、ネタにちょっと気になる銘柄をいくつか入れました。ご参考になると思います。

 いよいよ来月スタートします「ぴよこちゃん倶楽部」。第5期メンバーを熱烈募集してます。とくに「銘柄研」は要注目です。「銘柄研だけ参加したい!」というご要望がたくさんありますが、ダーメ。これは「通学コース参加メンバー」へのサービスでやってるんです。1回1万円であれだけの情報提供ですよ。いかに利益度外視かおわかりでしょ。


 さーーて、「血は水よりも濃い」といいますけど、あまりに濃すぎるとドロドロで、かえって、水のようなさらさらした関係のほうがいいように思えます。

 ここに集まる「万引き家族」。だれ一人として血のつながりはありません。


理想的な家族ですよ。1つを除いてはね。

 住んでる家にしても年金暮らしのババアのもの。で、このババアにしたって、まったく血の通わない、すなわち、死んだ夫の後妻(故人)の息子のとこに、たまたま月命日なんで寄った、と言っては3万円のカネをせしめる始末。

 で、ここの長女が精神的にやばくて、自分の処で暮らさせているわけ。長女は海外留学してることになってんだけど、ホントはJKフーゾクでバイト。家に居づらいようでね。



 フーゾク嬢の亜紀役を松岡茉優さんが演じてたんでビックリ。一度、J-WAVEにゲストで呼ばれましてね。彼女がMCしてました。頭の回転の早い娘でしたね。

 「万引き家族」てのは、ババアの年金で足りない分を「万引き」で補ってるから。日雇いとかパートとかもやってるけど、極めて不安定で計算に入れられない。つうことは、万引きは計算尽くでやってるわけですよ。

 高層マンションの谷間のボロ家。治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹亜紀との4人暮らし。家の持ち主は初枝。

 ある日、団地の廊下で震えていた幼女を見かねた治が家に連れ帰ります。誘拐になる、と帰らせようとする信代ですが、体中が傷だらけで、翌朝、家に送り届けようとしたものの、マンションに近づくと大声で叫ぶ妻の声。夫のDVが激しい様子をみてとると、信代は幼女を自分が育てる決心。
 
 2ヵ月後、テレビでは「子殺し容疑」でDV夫婦が取り調べ。

 この間、息子の祥太は「万引き」しか教えるネタがない父親から教わったノウハウを幼女に教えます。
 「妹にはやらせるなよ」と言ってくれた駄菓子屋のジジイは亡くなり、幼女を外で待たせたまま、昭太はスーパーで万引き。

 ところが、店の中に幼女が入ってきて、昭太と同じ仕草で万引きをしようとします・・・起承転結の転から結へと一気に話は展開します。 

 疑似家族のどこが悪い? 偽者でもホンモノを超えられるかも?
 しょせん、超えられませんでしたけど。

 けどさ、「家族らしきもの」を持てなかったからこそ、「家族らしきもの」をこいねがったわけでね。「ある人」は「ない人」の気持ちなんてとうていわかりません。で、「ある人」にかぎっって「ないものねだり」をするもんです。

 「産まなきゃよかった」
 「生まれてこなきゃよかった」

 血は水よりも濃い。しかし当たり前であるがゆえに、血を水ではなく血なのだ、と認識する気持ちがない。だから、水いえいえ人によっては泥水とか汚水と思うヤツも出てくるでしょうな。
 知人で養子縁組した親子たちが何組かいますけど、彼らはスタートは血ではなくて水ですけど、時間をかけて水を血にしようと努力してますよ。

 子ができれば親になる。けど立派な親かどうかはわかりません。どんなバカでも親にはなれますから。資格も免許もいりませんから、だれもが覚悟も自覚もなく親になります。

 「親であること」と「親になること」との間には天地の差があるようです。昨今、残忍な子殺しが話題になってますけど、「精神的に」子どもを殺している親なんてはるかに多いのではないでしょうか。

 父に似て 母に似て この子は神の子 仏の子

 水でも似てくるから、親子ってのは不思議ですな。

 
 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「『年金問題』は嘘ばかり ダマされて損をしないための必須知識 中編」(高橋洋一著・864円・PHP)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年06月06日 (水)

「29歳問題」

 まったく期待してなかった。というより、観るつもりもなかった映画。
 FBでは何回も書いたけど、そもそも落語イベントには2時間ありまして、「ちょうどええがな」つうんで入っただけのこと。

 大当たりぃぃぃ。



 この映画いいですよ。香港電影金像奨最優秀新人監督賞を受賞したらしいけど、元もとは監督のキーレン・パンが2005年から舞台で演じてたものでしょ。



 すっかりこの人が監督だと思ってたのがダブル主演の1人。クリスティ役のクリッシー・チャウ。あまりにも似てるんで錯覚してました。だって、この監督、めちゃ美形なんだもの。


だれかに似てるなあ。だれだろ、思い出せん。

 で、クリスティがパリ旅行中の間だけ住まわせていた大家がティンロ。この2人、誕生日が同じ。いま29歳。30歳目前つうこと。

 舞台では2役を演じてるんですよ。そのほうが観たいわな。つまり、映画の大ヒットで舞台に客が集まる、つう現象ね。

 05年香港。化粧品会社に勤務するクリスティ。容姿端麗の敏腕女社長をリスペクト。仕事にもやりがいがあるし、恋人や友人もいて順風満帆。
 
 で、部長にも昇進。

 それからストレスの嵐。恋人ともすれ違い。そこに来て、実父が呆けてきた。マンションも立替とかで追い出され、1カ月だけ、大家に紹介されたティンロの部屋に間借り。

 ティンロはコロコロ小太りで明るくて、恋に夢見る乙女。レスリー・チャンの『日没のパリ』が大好き。
 
 なんの悩みのないようにティンロだけど、クリスティは彼女の日記を見つけちゃう。まだビデオメッセージでしか会ったことのないティンロに、クリスティは感動するわけ。
 
 仕事、恋愛、結婚。29歳が抱える問題はたくさんあります。

 どうして彼女たちはパリに行ったのか?

 そういえば、昔、ヘミングウェイだったかな。『移動祝祭日』というエッセイがありましてね。

 「もし、きみが幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、パリはきみについてまわる。
 なぜならパリは移動祝祭日だからだ」

 このひと言にガツーンと来ましたよ。ベル・エポックとレ・ザネ・フォル(Les Années Folles 狂乱の時代)の端境期を過ごしたヘミングウエイの絶筆ですからね。

 彼女たちにとっても移動祝祭日だったんじゃないかな。よー知らんけど。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「お祓い日和 その作法と実践」(加門七海著・352円・ダ・ヴィンチ)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年05月21日 (月)

「濹東綺譚」

 忘れないうちに・・・先週土曜開催の「ぴよこちゃん倶楽部」ですが、データ・速記録を午前3時半に一斉送信しています。メンバーはご確認ください。添付ではなくダウンロード方式ですから、極めてボリュームが軽量です。届いてないよ、つう方はまずはスパムメールに分類されてないかご確認ください。


 ええっと、DVDなんすけどね。「荷風になりたい」をご紹介したと思うけど、映画は山本富士子バージョンと、津川雅彦さん・墨田ユキさんバージョンがあるわけ。



 山本富士子バージョンという意味は、荷風役はどうでもいいんでしょう。あくまでもおゆきが主役なんすよね。けど、津川・墨田バージョンはあくまでも「荷風」が主役。どこまでも荷風が主役。そういう意味では「荷風になりたい」チックでいい。


墨田ユキさんは沢尻えりかさんによく似てます。もっと女優続ければよかったのにね。相も変わらずつまらんメディアが潰してしまいましたな。

 墨田ユキという女優名は「墨東のユキ」という意味なんでしょうな。

 墨東。かつての玉ノ井。いまの東向島あたりかな。

 『濹東綺譚』は朝日新聞の連載なんだよね。舞台となった玉ノ井にしても荷風が住んでいた偏奇館にしても、3月10日の東京大空襲ですべて消え失せました。荷風曰く、「万巻の書も焼き尽くされた」。

 「ぬけられます」で知られる玉ノ井は私娼街。荷風が歩いた麻布、銀座、三田、浅草、玉の井・・・。新藤兼人監督は原作に忠実ですけど、偏奇館のロケ地は鎌倉じゃないかなあ。御成町のあの屋敷じゃないか、と思うんだよね。



 好きなように生きた男。荷風のような男が生きられたんですから、日本は戦前も戦中も自由なお国柄だったんですよ。

 ああ、荷風になりたい。 


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ 後編」(高橋洋一著・1,512円・KADOKAWA)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年05月07日 (月)

「トレインミッション」

 久方ぶりに某社の編集長氏と面談。渋谷とのこと。嫌なんすよ、渋谷。ムダなエネルギー使うから。

 再開発工事で地下鉄の通路は狭いし、地上に出れば人口密度が濃くて歩けば当たるし、他人の足の裏蹴飛ばしちゃうし、待ち合わせのハチ公なんて、外国人がずっと記念撮影してるし。


ハチ公の背後から撮影。人気ありまんなあ。どう紹介されてんだろね。

 「なかなか美味い店見つけましたんで」と西武デパの右から昔のジャンジャンの横を通ってNHKの方に。。。「あれあれあれ、ここらに交番ありませんでしたっけ?」。
 「交番なら次、左折して坂を下がってまた左折だよ」
 ハンズを左折てこと。

 3回も行ったつうわりには道まちがえてやんの。

 「ここです」
 「隣の店はよく行ってますな」

 土佐料理。なかなか。隣は佐賀料理。原原の二次会でも何回か行ったなあ。

 本の企画は投資本、読書本、そしてSNS本と3冊。まあ、英語本も経済本もやらなくちゃいけないわけで。。。

 なにより映画談義。というのも、彼、映画狂で直前に岩波ホールで『マルクスとエンゲルス』なんて見てるんだかんね。勧めてたのは『トレイン・ミッション』。たしかにこれは面白いわな。

 実は、昨日見てるのよね。




 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「米軍の北朝鮮爆撃は6月! 米、中が金正恩体制破壊を決行する日」(副島隆彦著・1,512円・光文社)です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年05月05日 (土)

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」

 あなたは教会のように孤独。外には人が行列をつくっているというのに。

 これは映画というより「詩」ですな。

 生きるモチベーションてのは人それぞれ違うんでしょうけど、やっぱ、「存在が求められている」とか「価値を認められている」という「実感」にあるのかもしれませんね。

 「実感」てのは「主観」ですから思い込みでもいいんだけど。

 一昨日ご紹介しましたけど、見てきましたよ。またまた。今月末で閉館するテアトル横浜。


支配人がどことなく淋しそうだね。

 伊勢佐木町は日本最長モールなんすけど、サイドに場所取りしてる人たちがたくさんいまして、警官とボーイスカウトが交通整理してるわけ。
 なんだろ? えっ、開港記念イベント? そうか、もうそんな時機ですか。

 つうことはテレビ局も・・・来てる来てる。





 パレードがあんのね。それにしても少なくなりました。昔は観客で立錐の余地なしだったのよ。人口が減った、ディズニーに行ってる、だけが理由じゃないな。イベントが毎度毎度のパレードだけなのよ。おもしろくないの。関係者だけじゃないの、見てるの。野毛の大道芸は先々週に終わっちゃったし。

 来年はもっと減りますよ。雨降ったら終わり。



 ふさがってる道をなんとかスペース見つけて映画館へ。

 いつもがら空きの映画館にしてはそこそこ混んでるほうじゃないかな。けど、やっぱ、この雰囲気は場末だわな。ばあさん、じいさん。オヤジにおばさん。若いカップルは来んわなー。
 
 モードはリュウマチを患って身体は変形。歩くのも少し苦手。家族は見栄っ張りで甲斐性のない兄。この前、ジャズクラブを倒産させたばかり。

 おもりは規則にうるさい叔母。どちらからも「邪魔者」扱いされてきました。

 「おまえはなにもできない」
 「保護なしでは生きられない」

 けど、モードは自立したい。いつもそのチャンスを狙ってるわけ。



 そんなとき、短気で偏屈な男がメモを掲示板に貼り付けた。
 「家政婦求む。掃除道具持参のこと。エベレット」

 メモをひったくってモードは出かけていきます。

 孤児院育ちの男はぶっきらぼう。人間関係をなかなかつくれないタイプらしい。でも、モードが描いた鶏を「天使か?」と。つまり、悪い人じゃない。

 魚の行商をしたり、薪を売ったり。男は魚の注文を失念。NY出身の洒落た女サンドラがクレームを言いに来た。

 「犬が食べたとか」
 「飼ってない」
 「猫は魚好きよ」
 「飼ってない」
 「・・・」
 「これ(鶏)、あなたが描いたの?」
 「いちばん幸福だった頃を描いたの」
 
 幸福とは、チキンスープをつくるためにモードが殺すまでのことらしい。

 これがきっかけとなってモードの絵を買い上げるようになります。ポストカードよりも大きなサイズの絵を求めるようになります。

 魚の行商よりカネになるばかりか、ニクソン副大統領までが注文するわ、新聞やテレビ局が押しかけるわで、この男女は有名人になってしまいます。

 ニクソンが副大統領ってことは、アイゼンハワーの時代でしょ。朝鮮戦争直後だわな。

 モードは一族でいちばん不幸だと思われていました。たしかに、モードが産んだ娘は障害をもって生まれすぐに亡くなり、モードが一度も抱くことなく埋葬されてしまったとか。本人はリュウマチがこうじて背中が曲がり、その奇形のために子供たちから石を投げてからかわれたり。

 でも、絵が売れた。はじめて絵が売れた。自分が描いた絵を買う、という人が現れた。「バカがいて良かった」とエベレットは言う。

 絵の理解者が増え、モードの存在や価値を認める人が少しずつ増えていきます。そうして自己実現をかなえていくのでしょうか? どうもそうではないようで。売れようが売れまいが絵を描くことでしか寂しさを紛らわす術がなかったわけでね。

 哀しい時、絵を描く。泣きたい時、絵を描く。絶望にうちひしがれる時、絵を描く。でないと、ホントに死んでしまいそうだから。

 自尊心を満足すると、次は、だれの賞賛もいらない。自分が納得すればそれでいい、という(自己実現欲の)レベルに達する、とエイブラハム・マズローが言ったとか。
 自己実現欲にはマネーは関係ありませんが、自尊心にはマネーが「付録」としてついてきます。マネーってとっても便利な道具ですよね。

 でも、モードは贅沢からはほど遠い生き方をしてましてね。美味しいモノが食べたいとか、サンドラの綺麗な靴を賞賛しますけど、欲しいとは思わないし、まして自分が似合うとはさらさら思わないし。
 せいぜいハエが家に入ってこないよう、網カーテンが欲しいな、というのがモードの夢といえば夢。

 ちっぽけな夢。すぐにでもかなえられる夢。けど、エベレットがOKしなければかなえられない夢。そして、エベレットがかなえてくれた夢。

 それだけで喜んじゃう。

 絵が売れてると知った兄がモードの処にやってきました。マネーを管理するマネジャーになってやる、というわけ。でも、借金のために勝手に実家を売却した兄をモードは追い払います。

 叔母は叔母で後悔したまま死んでいきたくない、とモードを呼び出して「秘密」を打ち明けます。。。

 ま、これ以上は野暮なんで。一昨日に続いて、これも実話。




なんとも素敵な絵です。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年05月04日 (金)

「はなれ瞽女おりん」

 忘れないうちに・・・突然、私、FBはじめましたので、よろしくです。


 ここ数日、岩下志麻さんがテレビによく出てましたね。番宣でもなさそうですし、舞台の宣伝でもなさそうですし、「たまたま」なんでしょうか。

 ご本人がやりたいのは『サンセット通り』でグロリア・スワンソンが演じた狂気の女優役だそうです。これ、ご本人から聴きました。といっても、トークショーで語ってたんすけどね。


ビリー・ワイルダーの名作中の名作。

 舞台はロス郊外の豪邸。ハリウッド。サイレント映画。栄光と没落。時代に忘れられた往年の大女優。自分は喝采が忘れられない。いまの自分を受け容れられない。光と陰。悲劇と喜劇。

 てことは、売れない脚本家役をご主人の篠田正浩監督がやったりして。
 んなこたないか。参考までにこの人、学生時代は箱根駅伝の選手で2区を走ってたはず。『瀬戸内少年野球団』がサイコーでしたね。そういえば、志麻さんも旅役者に捨てられる床屋の女主人役やってましたな。天性のコメディエンヌだと私ゃ思ってるんですけどね。



 で、『はなれ瞽女おりん』ですけど、瞽女というのは盲目の少女が将来、メシを食うのに困らないよう、三味線だとか唄だとかを身につけて、酒席等で客を楽しませるエンタテナー・・・といえば言えますが、昔のことですから(なんたって、時代はロシア革命によるシベリア出兵というんですから1917年から始まるわけ)、売春めいたこともあったはず。

 そういうことがあるから寝る時には両足を縛る。自慰行為を防ぐというより酔客を拒否するためだ、と思うね。

 で、母を失った6歳のおりんは瞽女の親方を頼るわけです。

 舞台は、おりんの生まれ故郷=福井の小浜。そして旅は上越の高田へと続きます。白鳥師匠の生まれ故郷ですな。ラスト、おりんは故郷に帰ってきますがね。ま、ラストシーンは声も出ませんな。水上勉らしいといえばらしいですけど。

 「はなれ」つう意味は破門された、つうこと。どうして破門されたか? 客をとってしまったからですよ。女なんですよ、女。業が深いつうか好き者つうか。寂しがり屋で冷え性で、「おらの身体、ぬくめてけろ」と男にしがみついて離れない。ジジイ相手でもですよ。



 志麻さん。盲目の役ですからずっと目をつぶっている。長いロケで全国あちこち旅しています。しまいには、目を閉じていてもだれが通ったかわかるようになった、と言ってますね。

 盲学校にも通ったらしいです。「廊下を歩いてください」と先生から言われると、どうしても左に偏ってしまう。これって右より左側の耳がいいからだそうです。人間てのはそう動いてしまうらしいっすね。

 たぶん、目が見える人でも人の話を聴く時、自然と利き耳のほうを向けているはずですよ。

 肉体関係を持たない唯一の男とおりんは旅を続けます。この男役が原田芳雄さん。撮影の時は、志麻さんと顔を合わせないようにしてたらしい。目の見えないおりん相手に、自分の姿は見えないようにしてたわけ。志麻さん、ずっと嫌われてると思い込んでたらしいっす。

 なんといっても、志麻さんの美しさ。そして日本海の美しさ、風景の美しさ。風景のみならず心象風景にも四季折々の美が映ります。当たり前ですよ、カメラは宮川一夫さんだもんね。『瀬戸内・・・』もそうでしたな。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年05月03日 (木)

「LION ライオン 25年目のただいま」

 連休だからこそお仕事やんなくちゃ。朝から晩までPCに向かってます。そうそう、本プレゼントは締め切りました。100冊×30人。先着30人にお届けします。実は箱が足りなくなりまして。ちょっと待ってね。

 これで少しは本が減ります。あんがとね。

 さーーて、連休っすねえ。暑いかと思えば初夏の嵐。これでまた体調崩す人がたくさん出てくるでしょうな。低気圧ってホントに疲れるのよ。

 あちこち映画を見に行くのもいいし、たとえば『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』とかね。


なんと横浜でやってました。今月末に閉館する映画館。伊勢佐木モールの「テアトル横浜」。名画座で渋い映画ばっかやってんだよなあ。ま、場末感はんぱないかんね。見に行こっと。

 けど、もうやってないでしょ。先週までは日本橋と渋谷でやってたけどね。この前アップした『シェイプ・オブ・ウォーター』(アカデミー賞)で掃除婦役してた人ね。女優の高田聖子さん(薬師寺の故・高田好胤住職の娘)にくりそなんだけど。

 ところで、どうでもいいんだけど、「サリー・ホーキンス」って女優。ぜんぜん美人じゃないし、はっきし言って、おばさん。けど、見れば見るほどいい女に思えてくるね。「中身のある女」なんだろね。モテると思うよ。

 ならば、DVDでこれどうでしょ? たぶん1年前に封切りされてたんちゃうかな。



 遠くインドのコルカタで迷子になっちゃった男の子が25年後、オーストラリアから「母を探して三千里」しちゃう、つう実話。

 5歳でしょ。インドでしょ。ムリですわな。そんなに昔の話ではありませんよ。迷子になったのは日本がバブル経済に浮かれてた頃っすから。プラザ合意直前てなとこでしょ。

 5歳のチビがベンガル語の通じないコルカタで発見されたとして何ができますか? 新聞に迷子案内載せたところで、実母は文盲なんですから。しかも超貧困層。この地域で新聞なんてだれも読まない。インドの公用語は英語でしょ。40種類以上の言葉があるらしいからね。

 私もチビの頃、地方に行った時、鉄道で迷子になるとこでしたからね。ちょっと目を離したすきに真逆の汽車に乗ろうとしてたらしい。

 「ここで待っていなさい」と言われたらしいけど、んなもん、だれが聞くか。うんうん、と言っても、聞いちゃいません。好奇心全開ですからね。空返事なわけ。チョロスケを1人にしちゃダメ。

 この子は貨物列車に乗っちゃった。しかも熟睡。気づいた時には車両にただ1人。
 
 で、あれこれありまして、孤児院に収容。運がいいのは、里親が見つかったこと。自分たちでも産めるけど天啓で恵まれない子どもを育てよ、というメッセージを受け容れた夫婦。

 で、なんだかんだがありまして、大学でインド系学生の集まりで、ビールを追加しようとした時、キッチンで「あるモノ」を発見します。心が吸い込まれていきます。

 「あの時、兄におねだりしたモノだ」

 オレのルーツはコルカタじゃない。オレは・・・迷子だ。そっから先は『ルーツ』のクンタキンテ。

 違うのは、いまの時代はGoogleもあるし、FBもあるってこと。ま、見たらわかります。
 
 調べたら119分の映画らしい。むかし見た時は3時間たっぷり、つう感じがしたけどね。長く感じたんじゃないの。ふかーーーく感じたのよ。

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年04月27日 (金)

「かもめ食堂」

 気づいたら見ている映画。なんでだろ? なんでだろ? なんでなんでだろ?ってね。

 映像がとっても綺麗。ゆったりした時間。そしてそしてそして、日本人は3人だけ。

 だからでしょうな。



 舞台はフィンランド。白夜とサウナの国。

 ロケはフィンランドのべストスポット。食堂のモデルは「カハヴィラ・スオミ」。日本人が殺到してましたけど、閉店。

 で、15年に日本人オーナーが店を引継いだわけです。で、翌年、「Ravintola KAMOME=かもめ食堂」となったわけです。

 ま、内容は見てからのお楽しみ。漫画を読んでるような進み方。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「深夜のラジオっ子 リスナー・ハガキ職人・構成作家 前編」(村上謙三久著・1,728円・筑摩書房)です。 

カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2018年04月19日 (木)

「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」」

 かつて、BBC「偉大な英国人」投票で1位になった人物ですね。英国首相にして、作家としてはノーベル文学賞受賞。しかも戦時内閣を率いて、ズタボロ英国を勝利に導いた人物ですから、そりゃ1位になりますわな。

 ま、チャーチルがいなければ連合国の勝利はなかったでしょうし、だからこそ、彼さえいなければ日本の敗戦もなかったと思います。

 この男こそが、不戦中立法が成立したばかりのアメリカを戦争に誘い込んだ張本人。直前まで日本との戦争などありえない、と考えていたアメリカ人が、対日参戦へと世論をいっきに換えさせたわけですからね。

 日本にとっては天敵そのもの。

 オランダ、ベルギー、フランスを打破し、いよいよ英国侵略に乗り出そうとするヒトラーの勢いを止められない。最後の砦が英国でした。

 フランス国内にいる英国軍はドイツに包囲され、風前の灯火。陸軍を失う英国は、わが国は海軍国だ、と言い張っても負け惜しみにしか聞こえませんわな。
 フランスを呑み込んだドイツは、フランスの艦隊を従えてドーバー海峡を渡ってくるに決まってます。


第90回アカデミー主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞(辻一弘他2名)受賞の快挙。

 現状を打破するにはアメリカをなんとしても巻き込まなければ・・・。

 内閣全員がドイツとの交渉に臨もうと、とうていドイツが呑むはずもない条件を覚書に書き込んでいた時、チャーチルは一世一代の演説をします。

 「ヤツは言葉を武器に戦場に乗り込んだのさ」という外相ハリファクスの言葉は深いね。

 あきらめの悪いヤツでなければ危機は突破できんわな。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「世界を動かす【国際秘密力】の研究 トランプ大統領のパフォーマンスは《隠された支配構造》をえぐり出す 前編」(ベンジャミン・フルフォード・クリス・ノース著・1,960円・ヒカルランド)です。

中島孝志の読む!通勤快読 宅配便


ご案内

東京原理原則研究会

大阪原理原則研究会

名古屋原理原則研究会

博多原理原則研究会

新潟原理原則研究会

出雲原理原則研究会

札幌原理原則研究会

松下幸之助 経営研究会

スピリチュアル研究会
濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会

講演依頼・取材依頼

⇒依頼フォーム

あなたも本が出せる!

最小コストで最大効果!宣伝効果抜群!!らくらく業績アップ!企画の相談から出版が実現するまで中島孝志が責任をもってプロデュースします。

⇒ 少し詳しいサービス内容はこちら。


『完全決定版!最短距離で作家になる方法』

最近の投稿

だれも知らない、米中貿易摩擦の真実。。。
[2018年06月26日]
[中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記]

打ち上げで変更が2つあります。1「蛍狩り」をやります。2送迎バスは午後5時30分となりました。
[2018年06月25日]
[中島孝志の原理原則研究会]

宝塚宙組・星組立て続けで超満喫。
[2018年06月24日]
[中島孝志の落語・演劇・タカラヅカ万歳!]

プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
「原理原則研究会in東京」
「原理原則研究会in大阪」
「原理原則研究会in博多」
「原理原則研究会in名古屋」
「原理原則研究会in神の国出雲」
「原理原則研究会in新潟」
「原理原則研究会in札幌」
「松下幸之助経営研究会」
「中島孝志のスピリチュアル研究会」
「日曜読書倶楽部」
「濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会」
「黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部」

 講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
 著訳書は330冊。ほかに電子書籍100冊。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
 日本青年会議所の「TOYP(人間力)大賞」を87年から3年連続受賞の快挙(横浜JC推挙)。
 音声&テキストで平日毎日配信!ビジネスで使えるインテリジェンス情報サイト「中島孝志の 聴く!通勤快読」&年3000冊読破の読書王メルマガ「中島孝志の読む!通勤快読 宅配便」が超人気!

<<  2018年6月  

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
             

中島孝志の最新刊!(買うてや。頼んまっせ!)


2018年、「戦争」の時代が始まる! 暴落と背中合わせで進む株高。いまベストの投資はこれだ! トランプTPP復帰も予測!

イタリア国債急騰。イタリアの政変なんていつものこと。真因はドイツにあります。2年遅れでいよいよ表面化!? もう逃げられんわな。

残業ゼロで圧倒的成果を上げる人、的確な予測で精度の高い意思決定をする人はみな「数字力」を武器にしています。“アバウト仕事”を徹底改善する数字の「読み方」「使い方」を多数紹介!

トランプ弾劾危機が世界恐慌のきっかけ? いいえ、ユダヤ左派最後のあがき。北朝鮮を挑発してるのはトランプ。その時、日本経済は? メディアが絶対伝えられないコンテンツばかり。

15年前のベストセラーを全面改訂。事例はすべて新ネタ。トランプとイヴァンカのことまで書いてます。読んでねーーー。

「断る」「見切る」「諦める」……実はこれで成果が確実に上がる48のルール。

ギリシャ危機とチャイナショック、アメリカの利上げで世界は大混乱。一方、日本政府は「マイナンバー制度」をいよいよ導入。いよいよ国民資産の収奪計画が始動した?

あっという間に6刷です!今度、文庫になりま〜す。

17刷20万部突破。NHK「テストの花道」で紹介されました。

10刷10万部突破。

3刷出来!

10刷出来!

作家になりたい人必見DVDです!