カテゴリー:中島孝志の不良映画日記

2007年03月06日 (火)

「幸せのちから」

 ようやっと終わりましたよ。3冊ね。1冊は一昨年の9月から待たせっぱなしの原稿。だけど、これ、私の本じゃないの。プロデュース頼まれてたヤツ。
 で、あとの2冊は自分の本。やっぱ1冊はメールチェックしたら、去年の10月くらいからプッシュされてんだね(気づくのが遅いね。ごめん!)。

 まっ、一応、脱稿(脱肛じゃないよ!)したからには自分にご褒美あげなくちゃ。シャンソンもいいけど遠いしぃ、シネコンなら5分で行けるしぃ。どうせ、明日からまた山ほど仕事しなくちゃいけないんだしぃ。

 てなわけで、この映画。

 あのさ、映画を観て、「ああ、この主人公の気持ち、よくわかるなぁ」と感じるケースもあれば、「自分とはしょせんちがう世界の話だな」と冷めて観るケースがありますね。
 この映画? よくわかる。ものすごくよくわかる映画の1つだったと思いますよ。実はね。

 ネタバレご注意!
 
 ウィル・スミス演じる主人公のクリス・ガードナーは人生の敗残者。
 タイムマシンのような骨診断装置。レントゲンよりもはるかに鮮明に映るんだけど、値段が2倍もすんの。大量に買い付けちゃってさ。けど、なかなか売れないんだ。在庫の山。
 奥さんは1日16時間も働くパートに出る。子どもはチャイナタウンの半端な託児所に預ける。とくりゃ、夫婦仲は悪くなるよな。

 人生、お金だけじゃないけどね。そりゃわかってんだけど、お金があるとたいていの苦労はしのげるんだもん。欲しいよねぇ。できたら、たくさん欲しいよねぇ。
 お金がないのは辛いよぉ。家賃は溜まる。税金も溜まる。駐車違反の罰金も払えない。奥さんも泣く泣く出て行っちゃったんだから。

 で、残ったのは、5歳になる男の子と21ドル33セント。これ、全財産。


サクセスストーリーというより「父子愛」の映画。親父よ、観たほうがいいぞ!

 売れなくて売れなくて、金もなくて、とうとうアパートも追い出されちゃった。
 5歳の子ども連れてとうとうホームレスだよ。とりあえず、地下鉄のトイレに鍵を閉めて2人で寝たんだけどさ、さすがに泣けてくるよなぁ。
 自分の不甲斐なさと子どもの不憫さのダブルパンチだよ。どこでどう歯車が狂ったんだろう? 人生ドラマを早戻しでチェックしたい気持ちだよ。

 けど、朝になれば、いま、狙いをつけてる証券マンとしての仕事を得るため、半年間の研修に死に物狂いなの。明るく陽気にプラス発想で振る舞うしかないもん。研修中は無給だからね。相変わらず、タイムマシンみたいな装置を売りに歩かなくちゃならない。
 こんなに苦労しても、半年後に採用されるのは20人に1人しかいないんだからさ。

 トイレで寝るのはこりごりだから、福祉事務所を訪れると、親子で泊まれるとしたら教会だと聞いてね。列に並ぶわけ。いるわいるわ、たくさんいる。ホームレスの世界でも競争は激しいんだ。
 遅れたらベッドもパンにもありつけないんだよ。ここでも勝ち組と負け組があんだな。

 人間界って、すべてがクラス分けされてんだよ。嫌な渡世だねぇ。

 クリス・ガードナーが頑張ってこられたのは、やっぱ子どもの存在だよ。これっきゃないと言ってもいいほどだよね。
 たしかに子どもさえいなけりゃ気楽だし、1人ならどこでも生きられる・・・と思うけど、これだと人生が縮小均衡しちゃってさ。拡大発展はないんだよなぁ。

 逆境をバネにするってんじゃなくて、逆境をそのまんま受け容れて生き甲斐、やり甲斐にしてしまうってえの? そんな感じなんだね。

 この子がいるからフットワークよく動けない。この子がいるからたくさんお金がかかる。この子がいるから遅くまで仕事ができない・・・ライバルは遅くまで残って仕事してんだもの。それに比べたら、自分は子どもを迎えに行かなくちゃならないし、一宿一飯のために教会に並ばなくちゃいけないんだからさ。

 けど、だからこそ、効率的に仕事をすることを覚えたんでしょ? ライバルが顧客への電話を切るとき、いちいち受話器を戻すんだよ。けど、時間がもったいないから、クリスは受話器をずっと耳につけたまま。右手で切ってはそのままダイヤルし続ける。これで時間を効率的に使える。ライバルが水を呑んでも自分は呑まない。これで時間はますます節約できる。

 本当に困れば知恵なんてどこからか湧いてくるもんなんだよ。恵まれた人間ほど創意工夫しないもんね。もっと恵まれてる人は手抜きまでするもんね。

 この映画、はっきりいって、これじゃやっぱアカデミー賞はとれません。全篇、苦労苦労の連続で、まるで「黒人版おしん」。エンタテイメント性が低いんだ。そこが「フォレスト・ガンプ」と決定的にちがうとこ。

 けど、これ、アメリカでは日本人が考える以上に受けたと思う。黒人客にはさらにさらに受けたと思う。
 「証券マン募集!」に集まった候補者の中に黒人が1人もいなかったことに気づいた? 金融の世界で黒人がのしていくっつうのは、日本人の私たちが想像する以上に至難の業なんだよ。やっぱ、クラスがあんだよ、厳然とね。
 黒人が活躍できるのはスポーツか音楽、あるいは芸能界とかであって、とてもとても金融の世界ではね。ここはWASPかユダヤが仕切ってんだからさ。

 その中で裸一貫、のしあがってきたというのは、やっぱり凄いアメリカン・ドリームなんだよ。
 この映画、実話です。ホームレスから億万長者となったクリス・ガードナーの半生だもん。ウィル・スミスは実の息子と共演してます。監督はイタリア人のガブリエレ・ムッチーノ。

 私ゃ、息子にぜひ魅せたいね、この映画。理由? 今度、大学4年になんだけど、仕事を得るということの崇高さを知ってもらいたいわけよ。「夢を追求」するのももいいけど、生活のために職を得るということの崇高さを日本の学生さんには気づいてもらいたいんだな。

 この映画、原題は「幸福の追求」なんだよね。トマス・ジェファーソンが起草した「アメリカ独立宣言」の中にある言葉なんだけど、邦題は「幸福のちから」にしたんだね。
 幸福ってのはさ、「状態」をいうんであって「目的」にはならないんじゃない? 「幸福になりたい」ってぇのは「いい気分になりたい」って意味と同じでしょ? ずっと幸福でいることなんてあり得ないもんね。
 それより、「もっと幸福になりたい」って考えるのが人間の愚かなとこだよね。

 もっと幸福になりたけりゃ、1度、不幸の味を知ればいいんだよ。そうすりゃ、普通でいることがどんなに幸福なのかって気づけると思う。幸福を追求してる間が実はなによりも幸福な状態なんだってわかれば、人間はもっと感謝の心でいっぱいになるよね。

 不思議なことに世の中で成功してる人ってのは、実は2通りしかないの。
 1人は不幸であり続けてる人。もう1人は、不幸を経験した時に運良く助けられたりサポートされたことがあって、他人に感謝する気持ちが尋常でない人ね。
 このどちらかしかいません。前者は復讐心がモチベーションになってるし、後者は奉仕の気持ちがモチベーションになってるんだよね。現象としては成功という形で現れるけど、本質は真っ二つにわかれるんだよ。面白いよなぁ。

 私? 感謝の気持ちがぜんぜん足りないよね。もっともっと真剣に感謝しなくちゃ。10000倍くらい感謝しなくちゃ。

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プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
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 著訳書は330冊。ほかに電子書籍100冊。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
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