2010年11月02日民・自大連立が始まる?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 すべての人間行動には「メッセージ」があります。少なくとも、私はそう考えています。

 たとえば、昨日のニュース。ロシア大統領が北方領土に初訪問。「オラの縄張りだ!」と戦後ずっと言い張ってきた熊五郎(メドなんとかという名前、熊って意味なのヨン)にしては、ずいぶん押っ取り刀でやってきたものです。
 これも日本へのメッセージなんですね。サンクトペテルブルク−ナホトカ間に高速鉄道引いてくれ。代金は北方4島で相殺できんかな・・・これ、たぶん、今月のAPEC(日ロ首脳会談)で極秘に話し合われると思う。
 にもかかわらず、「2012年の大統領選を前に権力誇示か」なんてメディアは報道してるの。お門違いです。 
 
 たとえば、耳かき店員殺人事件被告への無期懲役判決。「従来の相場」では死刑です。だから、メディアもやいのやいの騒いだわけでね。
 ところが蓋を開けたら無期懲役。で、メディアはてんやわんや。「裁判員の皆さんも苦渋の判断だったでしょう。控訴するにしても、裁判員制度の意味を踏まえた判断を高裁はせざるをえないでしょう」と、どれもこれもコメントは判子でしたね。

 これもお門違い。この裁判、裁判員制度の下で判決が下される、と聞いた瞬間、「あっ、死刑が消えた!」と思いました。これがメッセージでした。
 なぜなら、彼ら裁判員に死刑判決など出せるわけがないからです。

 ご存じの通り、彼らは記者会見で一様に「悩みに悩んでの決断です」「改悛の情が見られたので」「更正に期待したいです」・・・と話していました。はなから死刑なんて選択はなかったんです。
 なぜなら目の前で死刑のボタンを押す執行人になるほどの精神的タフさなど微塵も持っちゃいないからです。

 にもかからず裁判員を引き受けた。判決は偏ってはいけない。被告だけでなく、原告にも、ひいては殺された被害者にも公正に対処しなければいけない。この覚悟もなく裁判員など引き受けてしまった。

 卑怯ですね。無責任ですね。裁判員に選ばれたとき、「私には無理です」と辞退した人がいましたね。「人を裁く」という「意味」を誠実に承知していたんでしょう。

 アメリカから押しつけられた「裁判員制度」。そりゃ、アメリカは私刑の国ですもん。陪審員制度など、なんのことはない、私刑のバリエーションに過ぎません。

 彼ら裁判員が守ったことはなんだったのか? 実は被告も原告も関係ありません。彼らが必死に守ったこと、それは将来、自分に降りかかってくる「ストレス」への回避です。
 私は彼らを非難しません。哀しいかな、これが庶民ですよ。平々凡々な人生に一点の曇りもあってはいけない。小市民ですね。けど、これが普通の人々なんです。

 そもそもこんな小市民に扱わせるケースではなかったんですよ。
 かつて、執行義務を負う法務大臣のくせに死刑執行の命令書に絶対サインしない政治家がいました。ならば、法務大臣など拝命しなければよかったんです。好きこのんで死刑を命令する人がどこにいますか? 確定した死刑囚に対してすら躊躇するのが人情です。当たり前の姿です。

 裁判員制度とはいったいなにか? プロ裁判官の職務怠慢。責任転嫁、責任放棄に過ぎません。

 繰り返します。すべての人間行動は「メッセージ」です。

 さて、尖閣諸島トラブルを撮影したビデオをめぐって、公開しろ、いや、ここまでだ、と与野党がごちゃごちゃやっておりますね。韓国でも同じことをしてますから、世界はすでにご存じのこと。反中キャンペーンにはもってこいの材料となっています。

 ところで、いよいよ今日から補正予算の審議入りとなりますが、野党は小沢一郎さんの国会招致を前提にしてますね。

 つまり予算案を人質にしてるわけです。

 このことが何を意味するのか? 参考人あるいは証人喚問のいずれも拒否するならば、審議をストップ。小沢さんは極悪人と、メディアは大騒ぎするでしょう。

 審議拒否は、自民党も大義名分が立ちます。菅内閣としては「困る振り」さえしていればいい。小沢さん1人を悪者にすれば菅内閣は急場を凌げます。
 もし受けたら、なんとか「偽証罪」で引っかける。そもそも、最高の弁護団によって、うさん臭い検察審査会の中身を追及されたらヤバイですからね。
 アメリカ、そしてアメリカの傀儡政権である菅内閣としては、小沢さんの政治生命を絶ち切ることができさえすれば、「容疑」はなんだっていいんでしょう。

 念願の小沢問題が片付いたら、そのときこそ、増税のための民主党・自民党大連立という動きになるんでしょうな。出来レーズです。

 民主党・自民党が連立するかどうか・・・ここがポイントです。

 菅さんはアメリカのためなら、思いやり予算だってすんなり通します。もちろん国益のためではありません。アメリカのためでもありません。自らの権力保持のためですね。温家宝さんとの約束だって平気で反故にするでしょうな。

 ご覧なさい。ビデオも結局、公開すると思いますよ。いつか? 11月20日頃かなあ。沖縄県知事選の直前ですよ。この反中キャンペーンはもちろん、県内移設反対候補を引きづり下ろすために使われることでしょう。

 絵を描いてるのは? 仙石さんでしょうか。彼をして「赤い野中広務さん」とは、メディアもネーミングが巧い。こういう知恵だけはまわります。
 この官房長官経験者に共通することは抱負経綸も百年の大計もなく、目先どうすれば政権を維持できるか、という謀略に長けていること、強烈な権力欲の権化であることでしょうか。

 日本に国運があれば、この予測は変わるかもしれません。なければ、この通り進むことでしょう。そして日本経済はしばらく視界不良になることでしょう。

 さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『2011年長谷川慶太郎の大局を読む』(長谷川慶太郎著・李白社)です。詳細はこちらからどうぞ。