2015年06月26日TPPは日本農業にとって大チャンス!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いよいよTPP締結が秒読みだとか。とってもええことです。
 日本産業は丸ごとアメリカに呑み込まれる! 大変なこっちゃ!
 そんな民主党や共産党みたいなネガティブなことはいわんといてください。

 いままで、アメリカが強要したことで、アメリカの得になったことってありますか? ぜ〜んぶ、日本の得になったことばかりっしょ。

 歴史のない国は底が浅いんです。ヤンキー(というよりユダヤか)は長期的視野に欠けます。明日の1万円より今日の10円。だって、明日はどうなるかわからんもん。ユダヤ教は来世はノーコメント。クリスチャンは最後の審判が怖くて死に際にあたふたあたふた。

 一方、日本人の価値観・歴史観は循環型かなあ。やっぱカルマなんてもんを信じてる人が多いんとちゃうか。。。
 死んだらお山に行く。最初は荒魂。子孫が祀りごとをしてくれると浄化されて和魂に成り上がります。すると子孫を守る神になります。お山は鎮守の杜となります。

 さて、TPPね。


今朝の日経ね。




 GHQ(連合国軍総司令部)は日本占領時代に日本民主化政策をあれこれやりましたが、最高の成功例は農地改革でした。彼らが大地主から土地を奪い、小作人に分け与えた結果、大量の小地主が生まれました。
 
 いま首都圏の地主成金で大きな顔しとるんも、元は小作。水呑み。戦後のどさくさでマッカーサーから土地を恵んでもらった連中です。

 じいさんは農家、息子は農協、孫は宅地に換えてマンション経営の不動産屋。

 戦前1750ヘクタールで「日本最大の大地主」といわれた酒田市の本間家なんて、たった4ヘクタールしか残りませんでした。けど、当主は立派なもんです。優秀な遺伝子はきっちり残りますな。名主は名主。えらいもんです。土地成金とはちゃいますなあ。

 農地改革は零細農業を固定化しました。「まともな経営ができるはずがない」と石橋湛山(元首相)が洞察した通り、競争力のない「生活保護産業」となり、生産量は落ちる一方。
 米の生産が増えれば価格は下がります。だから減反させてきたわけです。

 見返りは補助金ね。
 
 政府はこんなバカな政策を40年間続けてきました。ひとえに選挙対策のため。この愚かな仕組みが2018年に終わります。補助金が大きくなるからもうや〜めた。
 ならば、民主党にすがりつこう。ならば、自民党政権はもっとやめよう。言うことを聞くなら、補助金あげる。去年は10アール一律8万円。今年は最大10万5千円。ただし、飼料米。

 稲作農家は1965年448万戸から2010年115万戸まで減っています。

 「TPPでアメリカから米がどんどん入ってくるから、米なんか作ってられるか!」

 さて、どうでしょうか?「アメリカはいつも日本に無理強いをしてきたが、いつも返り討ちに遭う。TPPもきっとそうなる」と私は書きました。現在、ますますこの思いが強くなっています。

 なぜか・・・。

 いま、アメリカでは干ばつでナッツ類やかんきつ類など、菓子やデザートに使う原料価格がどんどん上がっています。世界シェア8割のアーモンドは国際価格が過去最高。オレンジもレモンも2割高です。


日本経済新聞(2015年6月14日)

 カリフォルニアの干ばつは今年4年目。取水制限は当たり前。洗車禁止。芝生への水やりは週2回。従姉妹がロスとアナハイムに住んでいますが、日本土産は全国のミネラルウォーターでした。

 でね、肝心の米ですが、今年の作付面積は40%減少。2015年は12万ヘクタール。予想収量60万トン。うち全生産量の80%をWTO輸入義務(ミニマムアクセス)で、日本は毎年、カリフォルニアから輸入しています。TPPが締結されると主食用として10万トン輸入することになりそうです。

 トータル50万トン。

 カリフォルニアの干ばつはこれからも続きます。原因は地球温暖化現象だけではありません。シェール革命で大量の水を必要としてるからね。ただでさえ、カリフォルニアの水は8割が農業用です。シェールオイル採掘にどれだけ回せるの?

 カリフォルニアの米生産はこれから激減します。日本に輸出する余裕はなくなります。
 「あの輸出米、返してくんない?」
 アメリカは必ず懇願してきます。残念ながら、TPPはWTO同様、多国間の取り決めですから守らないわけにはいかんのよ。アメリカはまたまた無理強いするはず。

 「じゃ売ってあげるよ。ただし高いよ〜。だって日本産だもん」

 円安ドル高の今こそ、美味しくて健康的な日本の米をアメリカに、世界に輸出するチャンスなのよ。


国連調査どす。。。

 昔の社会党みたいになんでも反対してゴネ得を狙ってると、結局、独立自尊の生産者は増えません。いま、商品に自信のある生産者、自分に自信のある生産者は、リスクをとって自ら売ってますね。ネットがあるもん。商品力があんだから口コミで広げる自信もあるんだろうね。

 なんたってマーケットは世界なんすから。

 日本にいると気づかないけど、世界は基本、食糧難です。2050年、日本の人口が1億人を切るとき、世界は96億人を突破します。けど日本は大丈夫ぃぃぃ。幸い少子化だから。

 首都圏では不在の戸建て住宅が山ほどあります。相続する人もいないし、自宅持ってるから、わざわざ税金払って相続したくもないし。これ、農地に換えればいいのよ。

 小さい? 関係ありません。マンションとか学校なんか、農業できますよ。運動場で? ちがいます。教室でできるんです。LEDもあるしね。いまや、大手町のビルの中で農業やる時代ですからね。
 
 これから日本では農業の工業化がますます進みます。本気になればオランダなんかすぐ抜いちゃいます。けど日本に食糧難はないからなあ。ま、趣味でやればええんちゃう。

 農業ほど「買い!」の産業はありまへんで。。。


 さて、今日のメルマガでご紹介する本は「無知の壁」(養老孟司・アルボムッレ・スマナサーラ著・サンガ・756円)です。