2018年04月12日高いテンションをキープする。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 鋭さよりも鈍さ、速さよりも鈍さ、賢さよりも鈍さ・・・このところ、「鈍さ」という言葉に目が奪われています。心も魅せられている、といってもいいでしょうね。

 「鈍色」と書いて「にびいろ」と読むそうですね。平安時代はねずみ色が盛んだったようで、「濃いねずみ色」のことなんですね。ま、「四十八茶百鼠」という言葉もあります。以前、「♪利休ねずみの雨が降ーーるぅ」という唄を紹介したことがあると思いますが、ねずみ色はバラエティな富んでるわけです。

 タクシーに乗る機会があります。出張がめちゃ多いもんですからね。で、運転手さんと話を必ずします。地元のことはとくに聞きやすいし、いろんなこと知ってますからね。聞かなきゃソンソンと思ってます。

 で、この前、東映か新東宝(古いね。宇津井健とか吉田輝雄に代表される当時のイケメン)の役者か、と思うほど。ひとしきり誉めてると、「なにも出ませんよ」とニコニコ。

 「映画スターなんて言われたことないなあ。この道30年ですから。そりゃ、その前には小さな会社を経営してましたよ」
 「あまりにも居心地がいいんで。こんなに長く勤務してしまいました」
 「若ければ転職しようとか独立しようと考えるでしょうけど」
 「この年になると無理しなくなりますね。失敗したら終わりですから。またゼロから始めればいいや、という気持ちにはなれませんから」

 捨てる勇気ですな。無くしてもかまわない勇気。人生棒に振ってもかまわない勇気・・・とも言えますが、「高いテンション」をキープするってのは、やはり、「少しばかり狂気」が必要なのかもしれません。損得勘定、論理思考ではとてもとてもできゃしません。机上の空論止まりですわな。

 論理や理屈を超えてしまう。すべてを捨てても後悔しない、と思いこめる、ってのは、「使命感」とか「責任感」「義務感」だけではムリです。やっぱ、「やりたくてたまんない!」という「夢」なんでしょう。

 止めてくれるな、おっかさん。背中のイチョウが泣いている。男東大どこへ行く。

 全共闘じゃありませんけど、こんな狂気を駆り立てる「夢」がなけりゃムリです。

 加藤一二三さんの棋士引退に関して、羽生善治さんがインタビューに回答してました。
 「長期間、将棋を続けることはできるかもしれませんが、(63年間も高いテンションをキープした加藤先生ほどの)高いテンションを持ち続けることは難しいと思います」

 昔、世界の王貞治さんが現役を引退した時、打率こそ低くなりましたけど、ホームランは30本! まだまだ現役続行でしょう。ところが、王さん曰く、「体力には自信あり。しかしモチベーションがついてこない」。

 「魂魄」という言葉があります。「魂」と「魄」とはぜんぜん違いまして、音読みではなく訓読み(やまとことば)では「魂=みたま」「魄=みかげ」と読みます。平たく言うと、「魂」とは精神エネルギーをコントロールする氣のこと。「魄」とは身体エネルギーを司る氣のこと。つまり、体力はあってもモチベーションが低いと「あいつ、やる気あんのか! この腑抜けめ!」と怒鳴られるわけですよ。

 腑抜けとは「魂」の抜け殻のことなんすよ。

 どんなことにも「やる氣」「元氣」「氣迫」がないとあかんですよね。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「人類99%を支配する寡頭権力者たちの次なる工作 日本の未来はこう決まった! 後編」(ベンジャミン・フルフォード・板垣英憲著・1,960円・ヒカルランド)です。