2018年04月24日トランプだから勝てる投資!

カテゴリー中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記」

 1日遅れで有料サイトに連載してる原稿をアップします。あちらは莫大な原稿料を頂いているんであしからず。

 さーーて、金正恩の発言(「今後、核実験とICBM発射は中止しまっせー」)を受けて株価は上昇、まさかの金価格は下げ基調必至ではないかしらん。先週ダウは200ドル超の下げでしたけど。

 開けてみれば微減。つまり、なんの影響もないわけね。これってきわめて正しい評価だと思いますよ。いやあ「市場」という「神の手」は間違いませんな。ま、たとえ間違ったとしても、間違ったこと自体が正しいんですけどね(これ、そこそこ深い言葉なんだけど)。

 「核実験場も廃棄しまっせー」つう発言受けて、政府首脳は「疑念は消えない」「いままでがいままでだった」つう発言。メディアは「金正恩の真意は?」「日本だけがおいてけぼり?」「日朝会談開催すべし」つう毎度毎度の能天気な発言。なーーんにもわかっちゃいないわけ。御用学者も同じ。

 あのね、金さんが廃棄するつった実験場。あそこ曰く付きでとっくに使い物にならんのよ。使えんものを廃棄する、だから、実験しないつうか、正確に言うと、しばらくできんわけ。できんから、「そやそや、トランプはんに実験中止、発射中止ゆうてみよ」「どない反応しはるやろか?」つう意味なのよ。

 これ、サイレント・メッセージね。外交のイロハですよ。おっちょこちょいは「核廃棄やでー!」「ICBM放棄やんけ」と過剰報道。

 あの男が核を手放すわけないじゃん。も少しで完成するから命懸けで騙してるのよ。トランプと交渉して「一括妥結」。つまり自己申告分だけアメリカに解体してもらう。トランプ退陣あるいは辞任でほとぼりが冷めたら、「実はね・・・」と君子豹変。

 けど、その頃には在韓米軍と在日米軍は撤退してますわな。だって、「米朝の約束」はそういうことだもん。カダフィやフセインと違って金体制は温存するわけでしょ。リビアとイラクは原油がとれますからね。北は鉱物資源だから。

 安倍・トランプ会談についても、日本のメディアは相変わらず「成果なし」と報じていますが、6時間という「長時間の密議」です。成果がないわけがありません。いずれ出てきます。

 たとえば、拉致被害者解放とか? これは人質。金づる。いままで山ほどふんだくられてきましたけど、「経済支援」という名前の「手切れ金」つうか「着手金」として盗人に追銭でまたまただまし取られます。
 半島が統一しようが木っ端微塵になろうが、韓国に財政的余裕はありませんし、アメリカは他人の褌。「ポスト北朝鮮」は米露が主導するけど、「復興」の資金援助と技術指導は日本がバックアップするしかない。

 会談では「ポスト北朝鮮」のグランドデザインにどれだけ日本が協力できるか、つう宿題を安倍さんは次々と突きつけられたと思うな。

 「北朝鮮利権に手を突っ込まない」「あくまでもアメリカの指示に従う」つう踏み絵を無事通過できれば、「モリカケ問題」「官庁のポカの連続」「次官の下ネタスキャンダル」などなどで死に体の安倍政権がウソのように持ち直すと思います。くれぐれも安倍さんは田中角栄の轍を踏んじゃいかんわけ。(デビッド)ロックフェラー財団の代理人キッシンジャーはまだ生きてるからね。



 アメリカの株価を見ていますと、明らかに「トランプ政策」に順応していることがわかります。



 FRBが目の敵にする金価格はやはり1250ドルから1400ドルの間で推移するように思えます。下落しても中国が隠れて買いますから1250ドル以下にはならない。かといって、FRBは米国債に影響のある金価格上昇は許さない。

 トランプが仕掛けるバブル経済が転ぶのは東京オリンピック後。

 さて、トランプの政策をひと言で言えば、「金融政策から財政政策への転換」です。いままで、アメリカは借金してでも海外の商品を買ってきました。結果、貿易赤字。代わりに、ショバ代として米国債を押し売りされてきました。国内に運用市場がない新興国は喜んで買ってきました。産油国とかね。

 アメリカにとって、株式市場なんていつ破綻してもいいわけ。大切なのは債券市場。金利が相対的に高くて安全だからどんどん環流してきました。

 この流れが止まらない限り、アメリカは生きていけます。このインチキがばれたら大変だから、長期金利が上昇してる。カラクリについてはすでに述べた通り。FRBが葬り去った「LIBOR」の急騰です。



 株式市場では、このところ、金融セクター、とくにゴールドマンサックスがダウを下げてます。ダウは日経平均株価と同じ仕組みですから構成比が高い銘柄の影響を受けます。以前、お話した通り、日経平均株価でも上位5社の株価で市場全体の20%が揺れ動くのと同じ。



 米中貿易摩擦では、中国の売上が多いボーイングとキャタピラが株価を下げました。この2銘柄で15%が下振れします。摩擦が遠のけばダウは元通り。しかし先週は自己売買が期待通りには奮わないゴールドマンが重しになってダウを下げました。





 翌日も同じ。ゴールドマンが重しになる代わりに、とっくに滅んでるはずの製造業代表のGEがダウを引っ張っる奇々怪々。
 GEって2月に13%下落。12カ月連続値下がり。これだけ長期間にわたる下落(1年間)は過去最長。損失1380億ドル(14兆7000億円)。この50年間ではじめての出来事。原油高騰がおおいに寄与したようで、下がりに下がった株価は「割安」と判断されて上昇基調にあります。ま、サウジアラムコ上場が転換点となるでしょうけどね。

 米中貿易摩擦だけでなく、シリアへのフェイク攻撃。そしてロシアへのフェイク対立。もちろん、獅子身中の敵=軍産複合体に騙された振りをしているだけのこと。
 IS兵士をシリア北部からトルコ領内へバスで大量移動させているシリアがいまさら「生物化学兵器」など使うはずがありません。「シリア撤退」を明言しているトランプを止めるには紛争を起こすしかない、という軍産複合体の遠謀深慮にほかなりません。
 英仏は英仏でNATO脱退、解体を叫ぶトランプを止めるためにもこの深謀遠慮に協力した、という理解が正しいのでは、と考えています。

 おかげで、ロシアがシェアを握る非鉄金属とくにチタンが一躍注目されました。


制裁が緩和されたアルミは大幅下落したもんなあ。

 トランプは、中国封じ込めのためにロシア、インド、日本と「軍事同盟」を結びたい。そんなことされたら困るから、中国はチャイナロビーを総動員して、ホワイトハウス、上下院、地方議員まで金と色と票で影響力を行使してトランプを葬り去ろう、としています。
 選挙で勝利した安倍政権がいまだに「モリカケ問題」で攻撃されているのも、反トランプ勢力の「代理戦争」を仕掛けられているからにほかありません。

 安倍政権が総辞職したら、アベノミクスも終焉かと思いきや、そもそもアベノミクスの狙いは「トリクルダウン」ではなく「失業対策」と「賃金対策」にあります。つまり、旧民主党と連合がやるべき仕事をしてきたわけです。
 物価が2%を超えることなど原油高でもなければありません。つまり、コアコア(アメリカではコア)ではデフレが今後も続きます。マクドナルドの低価格戦略転換を見れば、市場はすでにそう判断していることかわかります。

 失業対策と賃金対策にしても「少子高齢社会」の恩恵のほうが寄与度は高いはずです。

 アベノミクスの恩恵は量的緩和による円安=輸出株の好転ですが、いまどき、円高で苦しんでいるような企業はそもそも失格です。円高になって何十年経っているのでしょうか。政府に言われなくても、日本企業は体質転換、構造転換を図ってきています。1日に20円も円高になった時代も生き抜いてきているのです。


いずれも木金に続いて月も上昇。



これは「中島孝志の銘柄研究会」では紹介せんかった。ちょいと要注意なんでね。

 「そろそろ終わりになるのでは?」とクビをかしげるほど利回りの高い銘柄も少なくありません。インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙えるだけでなく、4月は輸出株で稼いで5月は内需株で儲ける戦略もあり。

 定期的に上下動するクセのある銘柄も少なくありません。

 今年になってから大きく変動している株式市場ですが、よく見れば、明らかにリターンが取れる銘柄はたくさんありますね。要は勉強。いい仲間と本音で議論できる場に参加する。動かなければ価値ある情報は入りません。
 情報は発信するところに戻ってきます。受信ばかりを考えている人のところには来ないんだよなあ。   


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「『ちんたら』の語源は鹿児島にあった! ことばの発祥地をめぐる全国23の旅 後編」(わぐりたかし著・907円・光文社)です。