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カテゴリー:不良映画日記
2006年07月12日 (水)
「プロジェクトX」10回分。今週末封切りの「日本沈没」より、おそらく迫力があるのではないか、と思う。
画面が? いやいや、「実話」という迫力が!
昭和38年、税理士飯塚毅は故郷鹿沼市と東京に会計士事務所を開いていた。
彼の理念は「1円の取りすぎた税金もなく、1円の取り足らざる税金も無からしむべし」というもの。そこで、大企業優遇政策税制の当局に対して、中小企業を守る信念のもとに「別段賞与」を編み出す。
ところが、関東信越国税局はこれを違法行為と認定。飯塚に対する直税課長の個人的怨念もあり、権力を背景に徹底的な嫌がらせを受けてしまいます。なにしろ、飯塚の会計事務所のみならず、600人の顧客まで税務調査をするという弾圧なんだもの。
国税局というと、「マルサの女」やパチンコ屋の脱税摘発などで正義の味方面しているけれども、しょせんは役人。彼らの絶対目的は自分らの利害に抵触する人間を潰すことであって、別に正義のためではありません。
自主独立した税理士の存在など邪魔になるだけ。「税理士を喰わせているのは我々だ」という傲慢な姿勢を隠しもしない。
出る杭は打たれる。出る杭だった飯塚がまとにかかるわけだ。
4人の事務所員も不当逮捕され、「ことを穏便に済ませよ」という周囲の声を参考に国税に1度、2度と嘆願書を出す。しかし、「違法行為を認めろ!」という執拗な圧力は断固として拒絶。
とうとう、1税理士と国税当局の戦争がはじまっちゃう・・・。

2時間10分があっという間!
とはいってもね、相手は国でしょ。しかも、時代は東京オリンピックの前後ですよ。人権なんかありはしない。税務署は組織あげての嫌がらせ。それが顧客にまで向かうんだから、顧客の半分が逃げていく。
隠し預金や脱税してる経営者も少なくない。
「それは脱税ですよ」
「そんなものはあなた方がすべてよろしくやってくれるものでしょ?」
中小企業の経営者とはそんなものだ。飯塚の理念である「1円・・・」とはほど遠いのである。当然、国税から目をつけられ、顧客は1人1人抜けていく。
けど、至誠の人にはどこかでだれかが見ているものだ。野党の政治家、国税内部の人間などなど、とくに事務所の人間、顧客、それになんといっても妻子の存在。
「あの頃を考えればなんでもできる!」
戦争から戻ってきた日のことを思い、巨大権力とのはてしないケンカに立ち向かう勇気を鼓舞するんだよ。
人間、最後の最後に勝つのは自分を励まし続けられる人なんだよね。この時、なにかをよすがにするんだけど、根拠レスの思い込みもあるし、神仏に依存する人もいるし、家族愛に鼓舞される人も少なくない、と思う。
「やっぱり、人は1人では生きられないんだなぁ(立松和平風にどうぞ)」
なんと、この映画、ほとんどが今週14日までで終了。これはDVDじゃダメだよ。大きなスクリーンの映画館で観てね。
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プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
東京生まれ。早大政経学部、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等々ビンボー暇無し。キーマンネットワーク定例会(27年の老舗勉強会)、原理原則研究会 松下幸之助経営研究会を主宰。講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で超人気。著訳書は220冊超。プロデュース500冊超。読書は年間3000冊ペース。落語と大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。毎日更新のインテリジェンス音声情報サイト「聴く!通勤快読」が大人気!
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