カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年08月28日 (火)

ほなさいなら。。。

 8月23日から3日間開催された経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(カンザスシティ連銀主催)は世界中が注目しました。
 みなさんもニュースで内容はきっちり押さえているか、と思います。

 結論は「今後も段階的な利上げを続けていく」「物価上昇率が(目標の)2%を超えて過熱する兆候は見えない」とするものでした。



 「FRBの利上げは大型減税などで改善している景気が台無しになる」と直前、トランプ大統領が釘を刺したことに対して、「インフレが加速することもなさそうだから、段階的=緩やかな利上げを続けていく」と回答しています。

 十人十色。事実は1つですが、解釈は無尽蔵にできます。
 市場はどうかというと、「9月の利上げは確定してるけど、12月は利上げ幅が少なくなるかもしれないし、もしかすると上げないかもよ。19年後半で利上げは止まるかんね。いずれにしても利上げの加速はないかんね。だってインフレが加速しないからね」

 つまり、利上げはトランプの指示通り、クドローが注文した通り、「抑制」されていくことになりそうっすね。結果、円は4日ぶりに反発。翌日も円はわずかに高く、ドル指数は下落。





 で、金価格反発。1200ドルを切って1180ドル台まで下落してましたけど、ようやく1200ドル台(前日比1.5%高)に戻しました。

 ボリンジャーバンドと大循環MACD、RSIでドル指数をチェックしますとなお下落傾向にあります(ドル指数は下落してもドルは買われるかもしれませんよ。ヘッジファンドはドル買いですから)。

 トランプは米中貿易摩擦でおわかりの通り、関税戦争だけでなく為替戦争も仕掛けています。すなわち、ドル安にして国内の輸出産業にゲタを履かそう、というわけです。いまさらですけどね。少なくとも中間選挙まではそういうポーズを演じなければならんわけ。

 現状を見ますと、FRBは段階的=継続的に利上げを続ける、とのこと。せっかく大減税さらに法人税を下げ、海外に逃げたアメリカ企業を「レパトリ減税」で国内に回帰させよう、とトランプ様が努力しとるのに、企業経営もしたことのない連中が「利上げゲーム」で台無しにするとは何ごとか!

 先週かな、「安倍3選までは円安ドル高。中間選挙以降はドル安円高」と書いたと思います。キャンペーンは10月には終わりますから、9月末〜10月早々にはドル円為替はガラッとシフトしてるかもしれません。

FRBとしては、ITバブルショック、リーマンショック、チャイナショック(原因はアメリカですけど)等に続く「リセッション」に見舞われたとき、利下げできる余裕を残しておきたい、つう気持ちもあって、「利上げ利上げ」と舵取りしてるわけでね。

 一方、トランプはトランプで票田の製造業を元気づかせたい。V字回復させたい。で、「利下げ利下げ」「関税関税」「ドル安ドル安」と言うわけ。敵対する「国際金融資本=グローバルユダヤ」を儲けさせてなるものか、という意識もあります。

 元来、不動産屋ですから金利が低いほうがいいんだかんね、つう判断もあるでしょうし、なんたって普通預金の金利は0.5%程度でしょ。いまのままでも儲かるじゃないけ、つう気持ちもあると思います。





 FRBは2.9%(2.875%)で政策金利は頭打ちにします。このままのスピードですと3.375%までいきますよ。完全にイールドカーブが逆転してしまいます(いまでも金利差はほとんどないんすから)。

 図でおわかりの通り、政策金利水準は中立金利+インフレ率です。かつては5-5.5%もありましたが、現在の中立金利は下げに下げてきています。この低金利でリセッションに見舞われたら、金利で対処は無理。かつての世界恐慌再演となることは必至です。

 一方、ダウもナスもSP500は絶好調。とくにナスとSP500は最高値更新です。米朝、米中、イランにトルコにロシアゲート・・・大暴落してもおかしくないのに、市場では「上値が重い」。どこがやねん。30キロくらい重りつけて競泳しとるようなもんやんけ。

 日本株も米国株も中国関連銘柄は冴えない株価だと、いいます。これからも乱高下を繰り返すと思いますよ。だからこそ銘柄投資じゃないの。

 トヨタはトランプ当選以来、メキシコから北米市場にシフトを決めただけでなく、EV戦略も鑑みて中国市場にも積極的に進出。日産もホンダも右に倣え。





 ただ一つ、北米市場からさっさと撤退。中国市場にも見切りを付けた銘柄がしばらく株価を上げてました。「逆バリ経営」でトヨタ、日産をインド市場で凌駕するあの会社です。以前、本にも書きましたが、「トヨタ、日産が進出してこない市場で勝負する」「進出してきたらほかの市場をまた開拓する」と鈴木修さんはよくおっしゃってました。

 こういう視点が大企業になっても必要だと思いますし、投資家のセンスはこうでなくっちゃ、とつくづく思います。

 「中国製造2025は絶対に阻止する!」とするトランプ。「アメリカの横暴に屈しない!」とする習近平。米中貿易摩擦は米中為替戦争へと発展してますが、竜虎が戦うレッドオーシャンは捨てて、ブルーオーシャンでしたたかに勝ち抜いていこう、とするスズキの戦略は要注目です。







 同様に、中国関連銘柄は年初から比較すると下落幅が大きい、とメディアは書いてますが、うつむき加減の銘柄だけではありません。いま、アメリカではシェールオイル、シェールガスを採掘するにしても、リグ建造が間に合わない状況です。いちばん重要な部品はシームレスパイプです。新日鐵住金の製品でないとコスパが悪くて話にならんのです。キャタピラー同様、中国関連銘柄にグルーピングされているようですが、これは北米関連銘柄でもあります

 ま、いろいろ多角的に考えましょうや。「中島孝志の銘柄研究会」はええよん。「こんなに深くて内容が濃いとは思いませんでした」とみなゆうとりまんねん。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年08月21日 (火)

インバウンド銘柄の株価について。。。

 いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。


 総裁選を前に、「安倍首相訪中、10月23日軸に調整=友好条約発効40年に合わせ」という報道が流れています。仮想敵国・中国からのオファーですが、いかに天敵といえども無碍にすることはありません。

 安倍首相はトランプの性格を呑み込んでいるので、アメリカ大統領が嫉妬しない程度に習近平と仲良くするはずです。習近平のほうは、トランプが嫉妬するほど、安倍首相を手厚くもてなすことでしょう。
 アメリカと中国との距離関係を間違えなければ(間違えないと思います)、日本の国益にも大いにプラスになるはずです。

 どうして、中国が安倍首相を招待するのか? いろんな事情がありますが、ポイントは3つ。

1安倍首相3選が現実的になってきたこと。
2中国経済の低空飛行。
3米中貿易摩擦=トランプとの仲を取り持って欲しい。
 
 トランプが仕掛けた「米中貿易摩擦」は、中国にとって1989年6月4日の「天安門事件」に等しい大事件です。犠牲者について、中国は恐ろしく低めに発表(319人)していますが、あのとき、人民解放軍が殺した学生・市民の数は少なく見積もっても1万人というのが相場です。

 世界中が中国を非難しました。中国は世界で孤立しました。いまでも、アメリカでは議会も市民も「天安門事件」について糾弾し、弾圧政策はいま現在も続けられている、と批判していますが、当時、各国は経済援助はもちろん、貿易や投資、技術供与も停止削減する制裁を中国に行ったのです。

 このとき、手をさしのべたのが日本です。停止していた対中経済援助(ODA)を再開させ、中国からは感謝されたでしょうが、欧米からは非難されました。

 中国という国は政治で動きます。経済も政治で動きます。経済で政治が動くわけではありません。それだけ権力闘争が激しいことを意味しています。
 その後、中国の経済力が大きくなると軍事力も飛躍的に伸び、結果として、世界における政治力も大きくなりました。いまや、アメリカの上下院、州知事のみならず、地方首長においても、イスラエルを超える「ロビイ活動」を展開しています。

 AIIBを発表したとき、アメリカの制止を振り切って、韓国はもちろん、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、あのスイスまでが参加したのです。これから脱退が相次ぐかもしれませんが、逆に、日本はAIIBに参加すべきです。

 いつ参加を発表すればいいか? 米中貿易摩擦が緩和された時です。
 では、いつ緩和されるのか? まだまだ緩和されないどころか、中間選挙で共和党が勝てば(勝つと思います)、さらに「えげつなく」なります。つまり、米中貿易摩擦はいまどころではない、ということです。

 さて、金価格は1200ドルを切りました。ボリンジャーでチェックすると今後もドル指数が好調のようなので金価格はさらに下がると思います。金価格についてはいまやペグっている人民元を見れば一目瞭然です。人民元はまだまだ下がるでしょう。ドル建て金地金を底値で拾う、押し目買いのチャンスだと私は考えています。



 ところで、NK225は相変わらずの乱高下(ダウ平均株価より酷いです)。マザーズは6月末終値1090Pから下落。8月15日には年初来最安値932P。昨年末終値が1231Pでしたから24%の下落です。
 ファンダメンタルズが好業績。せっかく空前の売上と利益を発表しても、株価は冴えない展開です。もちろん、「底値で拾う」「10%上がれば売る」がモットーの私は、割安株が山ほどあるので、少ない資金の投資先に嬉しい悲鳴をあげています。





 さてさて、メディアも経済誌も「米中貿易摩擦の激化でインバウンド銘柄は暴落」と報道したかと思えば、「8月末から米中協議が始まるのでインバウンド銘柄はV字回復」と一転。いったいどちらを信じればいいのか?

 自分の読みを信じるしかありません!



 そもそも、米中貿易摩擦とはなにか?
 トランプにとっては、中間選挙に勝つための「道具」にすぎません。「牧師を返せ返さない」とトルコと対立するのも「道具」ですし、トルコリラを暴落させて新興国マネーをアメリカに環流させているのも「道具」です。もちろん、北朝鮮とイランの締め付けも「道具」です。

 習近平にとっては、赤字を垂れ流す国営企業、国有企業を淘汰するための「道具」。
 米中貿易摩擦に振り回されるのがバカらしく思えてきませんか? 戦っているようで、実は、あうんの呼吸でどちらもメリットを狙っています。ある意味、これ、米中の芝居ではないか、と勘ぐっておいたほうが賢明でしょう。

 そもそも、トランプの怒りは矛先が違うのです。というのも、17年の経常収支で黒字幅最大国はドイツ(△2964億ドル=GDP比△8%)です。2位は日本(△1961億ドル=GDP比△4%)。そして3位が中国(△1649億ドル=GDP比△1.4%)なんです。
 赤字幅最大国はもちろんアメリカ(▼4662億ドル=GDP比▼2.4%)、2位イギリス(▼1067億ドル=GDP比▼4.1%)、3位カナダ(▼488億ドル=GDP比▼2.6%)。

 貿易摩擦でトランプが怒るべきはドイツと日本で、「どうしてオレが?」と習近平は感じているでしょう。トランプは中国を叩きたい。貿易摩擦は「道具」にすぎません。

 転換点が判明するのは11月6日。中間選挙のキャンペーンはすでに終わっていますから、10月には米中貿易摩擦の行方はどうなるか、兆候が見えてくるのではないか、と考えています。

 大きなトレンドとしては、ドル機軸体制は終焉を迎えます。これだけ各国の通貨を毀損させ、ドル一人勝ちとなれば、各国ともドルから避難しようと考える、に決まっています。いちばん最初に避難するのはもちろんユーロでしょう。

 EUだけでなく、新興国はそれぞれ自国通貨を使って貿易を始めようとするでしょう。ジンバブエですらそうするかもしれません。ジンバブエ・ドルほど信用がなくとも、ドルではない通貨、たとえば、ユーロや円、人民元を使おうとなるでしょう。
 つまり、たんなるドル安転換ではなく、本格的な「ドル離れ」が始まります。トランプはドル基軸通貨体制の「最後のアメリカ大統領」となるかもしれません。

 個別銘柄に目を転じると、10月23日、総裁選に勝った安倍首相(ネオコン協力者小泉純一郎元首相のジュニアが大波乱を起こすかもしれませんけど)の訪中で、「インバウンド銘柄」でも、これは火がつくのでないかい、と考えてるものがあります。



 これから先は今週末の「中島孝志の銘柄研究会」でお話します。ほら、ここですべて披露しちゃなうとメンバーに悪いじゃないすっか。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「わけあって絶滅しました。世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑」(丸山貴史著・1,080円・ダイヤモンド社)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年08月14日 (火)

金価格の本格的反転はいつか?

 「トルコリラ・ショック」で世界的に同時株安となってますけど、アメリカ人牧師スパイを解放すれば、トルコリラは落ち着くんでしょうか。

 トルコリラ暴落、ドル高円高で世界的株安。8月に大調整があれば年末に株価高騰と以前書きましたが、どんな形でも8月に1〜2割は下げて欲しい。

 というわけで、ここんところの株式下落は想定内です。

 さて、いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。

 今回は「真夏の怪談」をご披露したいと思います。本気にしないでお読みください。

 相変わらずの低空飛行。金価格は1トロイオンス1200ドル切りも視野に入ってきました。「トルコリラ・ショック」でドル円為替も株式市場も乱高下。こんなときに「まさかの金」が下落ですよ。

 真夏に日米ともに株価は下落。金は大幅下落で1220ドルを切る始末。昨日は「1200ドル」すれすれまで下落。もはや「まさかの金」より「まさかのドル」です。VIX指数とドル指数だけがじりじり上昇しています。

 米中貿易戦争でも「まさかの金」は反転しませんでした。人民元安=ドル高にしたい中国がせっかく集めてた金を北米市場で売却(ロシアは米国債から金へとシフト)してたからですね。







 さて、前回、為替についてこんなことを書きました。

1安倍3選までは円安(9月25日?)。
2アメリカの中間選挙(11月6日)以降はドル安。
3FRBは利上げから利下げに転換するか、利上げ停止、あるいは利上げ幅縮小(0.1%とか)となる。

 株価にしても為替にしても原則的には「市場」が決めます。いかなる政権といえども、中央銀行の独立性を冒したことはありません。
 しかし、意向をアナウンスしたり、注文、牽制、要請した大統領は何人もいます。メディアを使ってみえみえの圧力をかけたニクソンもいれば、先進国の首脳をニューヨークに集めて堂々と「ドル高是正」へ圧力をかけたレーガンもいます。

 いま、市場を振り回している「トランプリスク」の張本人はといえば、ツイッターで「利上げ牽制(利下げ、利上げ停止、利上げスピード抑制)」をしています。巡航速度に少しブレーキをかけるだけでも市場には「中止」と同じ効果があります。



 もちろん、FRBはトランプの忖度などしないでしょうが、次回FOMC(9月25日・26日。11月度は中間選挙の直後に開催)で「利上げ」という巡航速度を変えることはホントにないのでしょうか?

もし、この利上げ巡航速度に狂いが生じるようなことがあれば、長期金利と基本的には逆相関にある金価格は反発します。

 数々のリスクを振りまいてきたトランプですから、「利上げ巡航速度」に変化がないとは言えません。



 たとえば、アメリカの中間選挙投票日(11月6日)前後には「北朝鮮有事」が急速にクローズアップするかもしれませんし、本命ともいうべき、イスラエルの天敵イランとの有事が開始されるかもしれません。

 中間選挙は下院全員、州知事そして上院議員の3分の1が改選となります。いうよりトランプの信任投票でしょ。
 トランプはこの中間選挙に政治生命を賭けています。票田掘り起こしのためにせっせと「闘う大統領」を演じる毎日です。

 この政治劇で、いちばんのリスク=チャンスは「第2のオサマ・ビン・ラディン」の乱入でしょうか。

 「9.11」によってブッシュは堂々とイラク参戦。支持率を上げました。とうのイラクはフセイン時代よりも混乱し、いまでも相変わらず混沌としていますが、原油利権は殺されたフセインが利権を譲ったフランスや中国ではなく、アメリカの手に渡り、さらに決済通貨はユーロからドルへとリセットされてしまいました。

 これが目的だったことはいまや、だれもが知っています。アメリカのネオコンたちがフセインにかけた容疑は何一つなかったのですから(おそらく、米軍特殊部隊に殺された「オサマ・ビン・ラディン」も無実だったのでしょう)。

 わが国ではブッシュというよりネオコンの協力者である首相(当時)が世界でいちばん最初にイラク参戦を認めたのですが、同じミスを冒した英国首相トニー・ブレア(当時)が糾弾されたのとはちがって、日本国民は相変わらず「ヒーロー扱い」です。元首相の子息など、来月の総裁選ではどの候補者より人気があるのですから呆れるばかりです。



 再選を確実なモノにしたいトランプ。中間選挙までにかつての「オサマ・ビン・ラディン」が現れないともかぎりません。軍産複合体のネオコンはイランと戦争したい。いつまでも対立したい、中東に利権を残しておきたい。

 いずれネオコンをぶっ潰したいトランプにしても、いま仕掛けるのは時期尚早。もっと基盤を固めてから、と考えているはず。

 けど、トランプのスポンサーが許すかどうか。だから、「攻撃するぞ!」つう態度だけは演じなくちゃならんわけで。

 トランプは5月14日、在イスラエル大使館をエルサレムに移転しましたが、その5日前にイランとの核合意を破棄しました。どちらもスポンサーを「忖度」してのこと。
 イランがこの世にある限り枕を高くして寝られない。だからイランを殲滅したい、つうきわめて強力な勢力があります。

 エレドアンもプーチンも完璧に正しい。トランプも百も承知。中間選挙に向け、支持率を上げるためにもトランプは戦争屋たちとディールかな。。。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「深ぼり京都さんぽ」(グレゴリ青山著・1,080円・集英社)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年08月07日 (火)

「相場」がチラッと見えてきた。。。かもね。

「日銀の金融政策決定会合があります。この内容次第では1ドル105円になるか、あるいは115円になるか、為替の方向性が決まります。」と書きました。

 7月末の2日間の金融政策イベント後にどうなったか?

「FRBはとっくの緩和政策から転換、ECBも年内で転換する。さすがの日銀もアベクロミクスから転換するのでは?」とする内外金融筋の予想を裏切り、黒田日銀はまさかの「フォワードガイダンス」を持ち出し、今後は長期にわたって緩和政策を継続する、とか。





 そうです、日銀はFRBの従僕だ、ということを。

 15年末にFRBがQE政策を転換できたのも「今後、QEは日銀に引き継がせる」と決めていたからですし、利上げも日銀の支援あればこそ可能だったのです。そういう意味では、日銀はトランプではなくFRBの意向を「忖度している」と判断してもいいかもしれません。



 しかし、機を見るに敏な安倍首相がトランプと対立するようなことをするはずがありません。FRBにもトランプにも「いい顔をする」政策を実施している、と判断すべきでしょう。

 結果、どうなるか? 結論を述べておきましょう。

1安倍3選までは円安。
2アメリカの中間選挙(11月8日)前後からドル安。
3FRBは利上げから利下げに転換するか、利上げ中止あるいは利上げ幅縮小(0.1%とか)となる。

 結果、金価格が本格的に反発するとともに株価高騰となるのでは? もちろん、金価格と逆相関の長期金利は低下するでしょう。
 中間選挙投票日前後には「爆撃行動」という北朝鮮への催促が行われるかもしれません。

 さて、ここ先週の市場状況を振り返りながら、「これからどうなるか?」という年内の市場動向を予測していきましょう。


「中国もヨーロッパも通貨安誘導している。ドルが高すぎる」
「FRBは利上げしたがるが生きた経済にはよくない」

 トランプの中央銀行大批判が本格的に始まりました。不思議なことに日本に対する批判はなし。

 どうしてでしょう?



 「安倍政権はオレの気持ちを忖度してくれるんだ」とトランプは知っていたのでしょう。つまり、7月末の日銀金融政策決定会合がどうなるか、ご存じだった、ということです。もっと正確に言えば、この会合はトランプの意向を忖度する方向で進められた、ということです。

 FRBは? この時点ではトランプも建前上、中央銀行の独立性を認めつつ、「大衆の気持ちになって発言したんだ。オレは気にしてない」と述べています。
 もちろん、水面下ではFRBとの綱引きが始まっていますし、元もと、イエレンを辞めさせてパウエルを指名したのはトランプ自身ですから、「利上げは大幅後退!」という事態になる可能性は少なくない、と私は考えています。

「利上げを中止する」必要はありません。巡航速度に少しブレーキをかけるだけでも、市場には「中止」と同じ効果があるからです。





 安倍首相も黒田総裁も本音は「ドル高円安」です。事実、日銀は「指値オペ」を実施(指定した価格=固定利回り=で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を実施)。ご存じのように、長期金利は8月2日には一時0.145%まで跳ね上がりました。



 3月23日(ドル円では今年の円高最高値104円55銭でした。ダウの今年最安値でもあります)から7月20日まで「為替はドル高円安基調」で来ました。
 ところが、7月20日深夜に反転してしまいます。すなわち、「円高ドル安」です。いったいなにがあったのか? それは前回書きましたので省略します(ロイターとトランプ)。
 このとき、日銀は「指値オペ」で対応しています。つまり、長期金利の上限を0.100%にする、というメッセージを送ったわけです。
市場は混乱した、と思います。円高? 円安? どっち? 事実、金利は乱高下します。市場も「日銀の真意」を読み切れなかったからでしょう。

 安倍政権とあうんの呼吸で動く黒田日銀が優先すべきは国内の金融問題よりFRBの意向よりもトランプです。
 いまトランプにとって最重要事項はなにか? 中間選挙に勝つこと。
いま安倍政権にとって最重要事項はなにか? 3選を決めること。
 その他の問題は二の次三の次、あとでゆっくり対処すればいいのです。

 株価にしても為替にしても原則的には「市場が決める」と思いますが、ちゃちゃを入れて誘導する要因はたくさんありますし、いま、リスクの中のリスクといえば、「トランプリスク」なのです。
 トランプは中国とEUに「おまえらが為替と金利でしてることはmanipulation(相場操縦)だ!」とクレームをつけてますが、トランプ自身がそのご本尊であることに気づいていないのか、それとも確信犯なのか、独善的に切って捨てています。いま、世界は政治経済そして投資もこの男の「Twitterつぶやき」に右往左往しているのです。

さて、7月19日からドル円は3日間で113円18銭から110円75銭へ2円50銭も円高方向に動きました。
 前々日の7月17日、アメリカの上院銀行住宅都市委員会では半期に1度というFRB議長証言が行われています。
「穏やかな利上げはアメリカ経済の拡大長期化に必要な方策だ」とジェローム・パウエルは発言しました。
 この発言はトランプ政権に向けてのものです。というのも、6月29日、NEC(国家経済会議)のラリー・クドロー委員長(サプライサイド経済学の信奉者!)は「利上げはきわめてゆっくり進めて欲しい」とFRBを牽制しているからです。もちろん、「きわめてゆっくり」という希望というか要求というか指示命令はトランプの意向を忖度したものです。

 7月20日まで日本の10年物新発国債の利回りは0.04%水準で推移してきましたが、翌営業日にはいきなり0.1%水準へと跳ね上がりました。
 国債をたっぷり抱える日銀(3月末の保有国債残高437兆円)にとっては、また企業も個人も金利高騰(長期金利上昇=債券価格下落)は避けたいところ。
 青息吐息の金融機関は短期的にはメリットがあるかもしれませんが、中長期的には企業と個人の投融資はシビアになりますから、地方金融機関にはデメリットも少なくありません。もちろん、財務省・金融庁にしてみれば、業界再編のチャンス到来です。ダメな金融機関は信組、信金、農協系も含めて淘汰するつもりでしょうから。


 
 いずれにしても、7月末には日銀は「政策修正」へと追い込まれました。

 金利幅を2倍にする、ということはいずれにしても為替市場に影響を与えます。日本円が上昇圧力を受けます。というのも、ドルの上値が抑えられてきたのは日銀の金融緩和終焉を市場が予測しているからです。

 そこで日銀は国内の地方ゾンビ金融機関を救うために、安倍3選までは円安へと誘導を決定しました。しかし、それ以降、とくに中間選挙前後には「ドル安=円高」に転換させるはずです。

 ドル安円高にするのは簡単です。FRBの利上げをストップさせるか、巡航速度にブレーキをかけるだけでドルは反落します。ドル指数が下落すれば長期金利も下落します。長期金利と負の相関関係にある金価格はいよいよ上昇へと反転するかもしれません。

 整理すると、安倍3選までは円安ドル高。VIX指数もどんどん下落していますから、金価格はさらに下落する可能性は否定できません。1200ドルを割るかもしれません。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「お釈迦さま以外はみんなバカ」(高橋源一郎著・799円・集英社)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年07月31日 (火)

円高か円安か・・・どちらに振れてもおかしくない!

 いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。

 まず最初に、昨日と今日は日銀の金融政策決定会合です。この内容次第で1ドル105円あるいは115円・・・為替の方向性が決まります。



先週述べたとおり、為替もトランプによって乱高下してますね。1日に2円近くの円高はご存じの通り。

「ECBも日銀も通貨安誘導している。ドルが高すぎる」
 「FRBは利上げしたがるが、生きた経済にはよくない」

 もちろん、トランプ発言に市場は瞬時に反応し、円高ドル安となりましたが、長期金利はといえば、2.85%から2.89%へと上昇しましたが、短期金利と金利先物は動いていません。つまり、FRBは独自判断で利上げを進めていく。トランプは金利政策に介入できない、と市場は認識しているわけです。

 それにしても、歴代の大統領はFRBへの文句は言いたくても直接にはいわず、他国の大統領や首相、財務大臣、中央銀行総裁に対して、「プラザ合意」「ルーブル合意」というエゴ丸出しの政治でドル安へと強制誘導してきました。

 トランプは違います。



 彼の執務室には民主党を創設した、第7代大統領アンドリュー・ジャクソン(強烈な人種差別主義者で奴隷解放に反対して民主党を創設!)の肖像画が掲げられています。奴隷解放のために共和党を創設したリンカーンではありません。

 なぜでしょうか? アンドリュー・ジャクソンという人物は、実は中央銀行(合衆国第一銀行)の契約更改を頑として認めず、通貨発行権を政府にとどめた大統領です。おかげで3回も暗殺されかかったほどです。

 考えてみれば、リンカーンにしろ、ケネディにしろ、そして未遂でしたが命を狙われたレーガンにしても、共通点は「FRBを潰そう!」と画策した大統領たちでした。トランプの頭の中には「FRB潰し」「FRBから通貨発行権をもぎとる」「ユダヤ金融資本からアメリカを取り戻す!」という強い意思があるように思えてなりません。

 ただし、いまのところ、ユダヤ金融資本(ネオコン等の軍産複合体も含む)との綱引き、駆け引きで、意思を通したり、意思を曲げたり、虚々実々の「権力争い」を展開しています。「米露会談」のあと、ロシアとプーチンに対する発言がコロコロ変わるのも「権力争い」の途中にある証拠です。

 さて、為替はドル安円高、ドル高円安のどちらに進むのでしょうか? どちらに転んでもおかしくありません。

 タイミングを読むと、自民党総裁選において「安倍3選がほぼ決定的」になった直後に日銀会合が開かれることに気づかなければなりません。偶然ではありません。今月の日銀会合までに3選を決めたい、と安倍首相も黒田総裁も考えていたと思います。

 なぜか? 「ドル安円高」にするためでしょう。

 安倍首相も黒田総裁も本音は「ドル高円安」です。事実、日銀は「指値オペ」を実施(指定した価格=固定利回り=で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を実施)。
 長期金利が一時0.105%(前日終値から0.020%高い! 17年7月以来の高水準!)と1年ぶりに上昇(価格は下落)。即、抑制するぞ、というメッセージを送りました。利回りは一時0.090%まで上げ幅を縮小しました。「指値オペ」は23日に続いて27日(16年9月導入後6回目)、さらに30日にも実施したので今月だけでも計3回。トータル7回となります。
 「月2回」もそうですが「月3回」は制度導入後初めて。それだけ今月はタイトだったのだ、と思います。







 市場は「金融政策決定会合で日銀が緩政策策を修正する」と考えています。金利に上昇圧力がかかっているわけですが、引き金を引いたのは「ロイター」です。あまりのタイミングの良さにトランプ(ホワイトハウス)と口裏を合わせていたのではないか、と私は勘ぐっています。
 「日銀は金融政策決定会合で鈍い物価動向を踏まえ、物価2%目標の実現に向けて金融緩和策の持続可能性を高める方策の検討に入った」
 つまり、FRBはすでに利上げとテーパリングに転じ、ECBも年末には量的緩和を終了させる。さすがに日銀もいままでの金融政策を変えざるを得なくなるだろう、という意味でしょう。
 「あの日銀がアベクロミクスを転換するのか!」という噂でドル高が円高に転換。トランプ発言が拍車をかけた、というわけです。



 本音は円安継続。しかしトランプの要求を「忖度」すると、「ドル安円高」へと舵を切らざるをえないのではないか、と思うのです。以前から、私は8月に大調整がなければ年末の株高はない、と考えていますので、割安株を仕込むチャンスかもしれません。

 「米露会談」でトランプはイラン問題というよりも中東問題をロシアに任せることを秘密会談で決めた、と思います。そして11月の中間選挙の頃には北朝鮮に対してなんらかの具体的行動を展開するのではないか、と思うのです。

 前回述べたとおり、株価も金価格もファンダメンタルズやチャートで分析できる領域はそれほど大きくありません。なによりも大きなトレンド。政治、宗教、戦争等を含んだ「地政学」がここ数年、大きくクローズアップされてきています。









 なぜか? いま、世界で大変動が進行しているからだと思うのです。「トランプVS習近平」「トランプVSプーチン」「トランプVSヨーロッパ」「トランプVS北朝鮮」という構図だけで考えていると大局観を見失います。

 トランプの真の敵はいままでのアメリカを食い物にしてきた「ユダヤ金融資本」なんですね。

 トランプがパワーを固めたら、国連(国際連盟から国際連合。いずれも提唱したのはユダヤ武器商人の代理人=アメリカ大統領でしたね)と下部組織のIMF、その下部組織の世界銀行そしてWTOは潰しにかかるでしょうね。つうことはNATOは大幅改編必至です。
 なぜって、米露が協定を結ぶんですからアメリカにNATOは不要でしょ。つまり、EUは独自にNATOを結成せなあかんわけよ。だから、「アメリカにたかるな! いますぐ払え! このユーロ野郎!」とトランプはいつも言ってるわけ。

 ここらへんのことは下記の本にたっぷり書いてますんで読んでね。





 でね、どうでもいいんすけど、最近、徳永英明さんがさだまさしさんに見えてしょうがないのよね。ちがうか! 私だけ?


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「全米は、泣かない。後編」(五明拓弥著・1,620円・あさ出版)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年07月24日 (火)

金価格下落の犯人はこいつらだ!

 いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。


 ここ数日、金価格は「二番底」の様相を呈していましたが、ここに来て、ようやく反発。



 米朝首脳会談の破談から開催へ、続いて米中貿易摩擦、米中関税合戦へと続く中、「まさかの金」がまったく「ふつうの金」でしてね。「7月3日から反発する」とブログに書いた日に1241ドルまで下落しちゃうし。

 どないなってまんねん?

 さすがにこれは行き過ぎたのか、その後、反発したモノの、1230ドルを切る始末。先物では安値で1220ドル切りまで下落しています。

 原因はなにか? 以前から言っているように「中国による虎の子の金売り」です。それと・・・。



 少し脱線しますけど、ロシアは中国に先駆けて「虎の子の米国債」を売って、中国の代わりに「金買い」を加速してきました。
 大量の米国債を売ってるんですから米国債の価格は下がる一方、アメリカの長期金利は上がるし、金価格も大幅上昇・・・のはずなんだけど・・・。


ロシアの金買い。米中それぞれの思惑で金売り。皮肉なもんですな。


 現実はどうかつうと、長期金利は上昇したことはしたけど、視力検査並の数値で市場に与える影響はありません。米国債の価格も暴落はしてないし、金価格なんて逆に下落の一途。あんだけロシアがかいまくっているのにです。

 なんで? 経済の理屈で考えれば・・・。

 「米国債価格暴落=長期金利急騰=世界株価同時暴落=金価格急騰=ドル暴落」

 この悪の連鎖に火がついてしまいます。

 これは困る。で、トランプ政権は手下のGSはじめ米国金融機関(投資銀行)に号令して「金ETF」を売りまくらせたわけ。

 白鳥も水面下では必死に水かき動かしてるわけね。

 これからも「トランプVS習近平」という構図は続きますが、米中だけで考えてると大局観を見失います。やはり、「トランプVSユダヤ金融資本+軍産複合体」という大きなフレームワークを常に意識しておかないといけません。

 やっぱ、ロシアの米国債売りより市場とくに為替市場を揺さぶってるのは「米中関税合戦」なのよ。

 中国の米国産品輸入1300億ドル、アメリカの中国産品のそれは5050億ドル。輸入産品に関税をかけるとなりますと、衆寡敵せず。話になりません。もちろん、中国の惨敗と考えるのがふつうだし、いつものように常識屋のメディアはそう書いてます。

 しかし、中国もしたたかでね。これだけのハンデを跳ね返そうと知恵を絞りました。結果、出てきたのが「為替操作」です。





 ドルに対して人民元を下げる。この為替トリックで25%の関税をかけられてもそれほどダメージを受けないで済みます。

 この奇手にトランプはどう出るか?



 関税枠は5050億ドルまであるのですから、このボリュームで圧をかけることはできます。もちろん、中国はさらに人民元安へと出るかもしれません。
 トランプは予想通り、「中国は為替操作をしている!」と財務長官に非難させました。
 たしかに為替操作をしています。いままでもしてきました。しかし為替介入しなければ、関税合戦で太刀打ちするのは難しいわな。

 中国が人民元安で対抗するなら、トランプはドル安で対抗するんでないかい。

 ここがポイント。

 中国の人民元安は、北米市場で猛烈な金売り・ドル買いを通じて為替操作してきました。「金価格」を通じて安くしているわけね。「金売り→ドル指数上昇・ドル高」つう流れ。

 これに対して、トランプは真逆の戦略、すなわち、「金買い→金価格上昇→ドル指数下落・ドル安」とするはずです。



 「FRBはこれ以上利上げするな!」
 「FRBは金利をますます上げたくなるようだが、われわれは経済に生きている!」
 「ドル高はアメリカ輸出業の貿易力を毀損する」

 不動産屋のトランプは根っから「ドル安志向」です。で、トランプ発言に市場は瞬時に反応しました。1ドル113円まで円安(ドル高)が進んでた為替は一気に111円前半へと円高(ドルにすれば下落)となりました。

 もちろん、トランプ発言で円高ドル安となりましたが、長期金利はといえば、2.85%から2.89%へと上昇したけど、短期金利と金利先物は動いてない。

 つまり、FRBは独自判断で利上げを進めていく。トランプは金利政策に介入できない、と市場は認識してるわけ。

 中長期的にはアメリカは金融立国、知的財産権立国、投資立国として生きるべきで、結果、「第一次所得収支」を大幅に育成すべきですから、「ドル高」がベターなのよ。

 トランプはバカではありませんから、そんなことは百も承知でしょう。中間選挙と2年後の大統領再選キャンペーンの頃には、票田のラストベルトの有権者たちに気兼ねすることなく、「ドル高」へと大きく舵をきると思う。
 バブル景気で賑わっているでしょうから、必然的にドル高になってるかもしれません。

 一方、習近平にしても「米中関税合戦」を奇禍として、忌々しい債務超過の国有企業を粛正に向かうはずです。
 とっくに破綻しているゾンビ企業をこれ以上延命させていたら中国そのものが崩壊してしまいます。「いまがラストチャンス!」と踏んでいるはずです。

 中国のGDPは13兆ドル、法人の負債は20兆ドル(アメリカのGDPと同じ)、個人のそれは5兆ドル(日本のGDPと同じ)。法人負債で国有企業(51000社・従業員2000万人)のそれは6割もあるのです。すでに2100社の倒産が伝えられています。
 地方政府が採算度外視で私腹を肥やした結果、積み上がった負の遺産です。もちろん、返済できるはずがありません。債務の株式化と売却、そしてお得意の粉飾決算で生き延びてきましたが、習近平は荒療治に出るはずです。

 金価格のV字回復はトランプの次の一手。中国に向けて「ドル安転換」を宣言した瞬間に始まると思うな。

 さてさて、結論ですけど、金価格下落の犯人は・・・米中なのよ。「金価格を下げる」という目的だけは一致してる。とばっちりを受けてるのは金投資家です。ま、トランプの動きを見れば金のV字回復も近いと思うけどね。 


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「馬渕睦夫が読み解く 2019年世界の真実  いま世界の秩序が大変動する 後編」(馬渕睦夫著・994円・WAC)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年07月10日 (火)

米中追加関税問題の本丸。。。

 いつものように、連載してる有料サイトの原稿を1日遅れでアップします。ほら、あちらは莫大な原稿料じゃないっすか。1日遅れでも役立つと思うよ。


 先週金曜日、7月6日、チキンゲームの火蓋が切って落とされました。

 予想通り、トランプは回避などどこ吹く風とばかり、中国が報復するなら、2000億ドル、3000億ドルの中国製品にも追加関税するぜいとばかり、さらにヒートアップしてます。
 その言葉通り、トランプは5050億ドルまでは追加するつもりでしょう。





 有識者たちの意見はといえば、「チキンゲームには生産性がない。どちらも損だ。賢明な指導者なら回避したはずだ」と教科書通りのコメントに終始しています。少しまともな識者は、「中間選挙までは続く。トランプを止められるのはアメリカの有権者だ」「中間選挙で民主党が有利に運べば、トランプも考えを変えざるを得ない」と発言しているようです。



 どちらにしてもお門違い。木を見て森を見ていないことに変わりはありません。

 たしかに、6月後半から市場は米中制裁関税問題に振り回されています。ダウも8日間下げ続け、日経平均株価も下げ続けました。ダウの推移を観察すると、いままで、米中制裁関税問題についてトランプがコメントするたびに大きく下げ続けてきました。



 しかし、いざ関税応酬となるや、ダウもNK225も株価は跳ねています。
 「悪材料出尽くし」ということかもしれませんが、私は、キャッシュポジションではなく、下げては買い下げては買いを繰り返しています。なぜなら反発すると踏んでいるからです。事実、先週末は大きく反発しました。実は、昨日から反発すると考えていたので、少し早すぎました。

 繰り返しますが、トランプがマトにかけているのは中国企業ではありません。こんなものは債務超過で共産党政府が支えなければ破綻してしまう企業ばかりです。自殺なのか事故なのか不明ですが、世界のホテルを買収していた中国企業も破綻寸前ですし、ケータイ企業もしかり。

 習近平と制裁解除を約束したトランプですが、議会が解除反対とわかっていて約束していたのですから、役者です。

 トランプがマトにかけているのは、中国に工場を移転したアメリカ企業です。アメリカに戻ってくればレパトリ減税と法人税減税というアメが待っているけれども、そのまま中国にいる限り追加関税というムチでしばいてやる、というわけです。


  
 さて、追加関税の応酬ですが、日本のメディアを見ている限り、「悪いこと」という評価しかないので驚いてしまいます。大本営発表など待たなくても、日本のメディアは単細胞の短視眼思考で側面しか見ていない。どうも大局観とか全体像を描く、いわゆる、グランドデザインを読み解くことは苦手のようです。とてもじゃありませんが投資には不向きではないか、と考えざるをえません。

 米中相互に追加関税を掛け合うだけでなく、トランプはいちばん輸出の多いカナダやメキシコ、さらにはEU、そして日本にも関税をかける、と発言している通りにするはずです。
 そうするとどうなりますか? 輸入材に関税をかける。価格に転嫁できないので輸入業者は生産性を上げたり、ボーナスを減らしたりするから利益が減る。それでも少しは価格に転嫁せざるをえないから高い製品を買わせられる消費者は困る。インフレも避けられない、というのが日本のメディアの理屈です。
 夢にまで見たインフレ率2%を実現できるじゃありませんか。

 日本以外の海外ではどうか? 関税をかけられてコストがアップすれば価格に転嫁します。高いモノが店頭に並べば買い控えが始まるかもしれませんが、必要なモノなら買います。
 結果、輸入業者は販売量は減るかもしれませんが、価格が上昇して、売上は変わらない所か、上がるでしょう。利幅はもっと上がります。マクロに見ればGDPは確実に上昇します。

 企業は売上も利益も上昇します。さらに法人税が減税になります。結果、利益剰余金は激増するはずです。この資金は設備投資にもまわるでしょうし、自社株買いにもまわるでしょうし(株価がさらに上昇します)、M&Aの原資にもなりますし、不動産投資にもまわるでしょうし、賃金アップにもまわるでしょう。

 つまり、いいことばかりなのです。



 日本も同じです。いままで日本企業はデフレ経済下で価格転嫁ができなかった。結果、GDPは増えない、伸びない。それがここにきて、人件費を大義名分に価格転嫁し始める企業が増えています。原油価格が高止まりしています。航空会社は価格転嫁しています。キャッシュをたくさんもっている上に、日本企業は価格転嫁も平気でするようになりました。

 トランプのおかげで日銀があれこれいろんな政策で挑戦したインフレ率2%が実現できるかもしれません。

 トランプの計画がこのまま進むとどうなるか?
 設備投資の膨大な原資は金融機関が融資します。これを「信用創造」と言いますが、別名、「バブルづくり」です。トランプは世界を相手に関税合戦に打って出た狙いはバブル創造にあるのです。

 中国に進出しているアメリカ企業の売上は25兆円をはるかに超えています。アメリカに戻ってこい、中国でつくるより儲かるぞ、それが嫌なら儲けられなくしてやるぞ、どちらか選べ、とトランプは言っているのです。

 日本もトランプと同じコトをすればいいんです。中国相手に、ヨーロッパ相手に、もちろん、トランプ相手にです。
 トランプは貿易赤字をなくし、財政赤字を改善するために追加関税を振り回しているわけではありません。狙いは、いままで愚かな大統領たちのおかげで、軍事的、技術的、経済的に、アメリカの富を中国に一方的に奪われ続けてきた「仕組み」を破壊することにあります。

 かつて、愚かな大統領たちは中国をWTOに加盟させました。中国が豊かになれば民主化が達成され、共産党が自滅し、アメリカをはじめとした外資系が富をすべて奪う、という計画はあっさりと裏切られました。
 中国は世界貿易のルールなど何一つ守らず、アメリカから先端技術を盗み、いまや、アメリカと競合するまでなりました。このままのさばらせておけば世界は中国に牛耳られてしまう。いま叩かなければ間に合わない、とトランプは危機感を覚えています。

 トランプは中国の軍事的台頭を絶対に許しません。叩きつぶすつもりです。いわんや、中国の台頭を許したWTOに存在価値はない。これも合わせて潰してやるぜい、というのが本音でしょう。事実、そのうち、WTOも離脱するはずです。
 
 さて、金価格がここに来てようやく反発し始めました。6月に北米で大量に金が売却されています。前回も書きましたが、中国がそっとドルに換えたのでしょう。





 中国は人民元売りで安値誘導しています。アメリカの愛国者法では敵対国家として米国債をすべて没収できます。





 「いざとなったら米国債を売るぞ!」と中国は脅かすでしょう、としたり顔で述べた経済評論家がいましたが、中国が米国債を売るという姿勢を見せただけで暴落しますが、安値で売ったら損するのは中国です。日本もヨーロッパも即、米国債を買うからです。

 結果、ドル資産が消滅した中国が貿易を続けられるでしょうか。

 人民元売りで自国通貨が下落するような国に未来はありません。
通貨が高い、強い国が覇権を握ります。ドルも円もそうです。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「声優 声の職人」(森川智之著・842円・岩波書店)です。 

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年07月06日 (金)

関税チキンゲームの始まり!トランプリスクはトランプチャンス!

 忘れないうちに・・・今日は博多原原です。メンバーはご参集下さい。またまた東京メンバーの乱入があるそうです。

 いよいよ米中関税戦争の火ぶたが・・・切って落とされるのか、それともいったん停止となるのか、延期されるのか、トランプの心中はだれにもわかりません。

 いまや投資の世界は、ファンダメンタルズもチャート分析も空転。経済は政治・軍事・地政学・テロ等々のイベントリスクに密接に絡んでいるからです。

 とくにいちばんのリスクは「トランプリスク」です。

 しかしモノは考えようでしてね。トランプリスクはトランプチャンス! 彼の大方針を読み解けばどう動けばいいかが手に取るようにわかります。今週、東京原原のオーラスで講義した通りです。 



 順調に下落してますね。先々週に下落サインが出てましたから、「売り」で儲けた投資家は少なくないでしょう。けど、上がりますよ。だから、いまは絶好の買い場ということ。「1月がピークだ」という説には賛成しかねます。下げたら買い、下げたら買い。なぜなら、上がるから・・・。

 どうして上がるんですか? いつ上がるんですか?

 お勉強してください。

 NK225の下落要因は2つ。メキシコで反米大統領が当選したこと。そして人民元の売りが売りを呼び、株価も売りが売りを呼んだこと。

 ま、ひと言で言えば「トランプリスク」つうことかな。

 2015年8月、2016年1月のメモリーが投資家の脳裏を横切ったわけね。でも、あの時の暴落(1週間で2400円落ちましたね)にしても、人民元切り下げが本丸ではなく、FRBの利上げ懸念が原因でした。ほら、今年の2月初旬に長期金利上昇でVIX指数が急騰してアルゴリズムが稼働しちゃったのと同じ。



 原因はいつもアメリカなんです。「チャイナ・ショック」ではなく「FRBショック」なんですよ。


メキシコに進出してる日系企業の株価はとくに下げがきつくなりました。


 「チキンゲームはどちらにも損だから、賢明な指導者なら避けるだろう」と考える人が多いですが、関税政策はトランプ政策のキモなんで、トランプからは降ろさないと思うな。

 米中関税戦争。結果は中国の負け。勝ち目のない中国がウラで仕掛けてるロシアゲートにしたって、こんなもの、かえってクリントンと民主党のクビを絞めちゃってます。

 同じ貿易黒字国でも日本と中国では大違い。日本の製品は付加価値が高く、世界中が欲しがる部品をつくってます。これがないと話にならない、というレベルです。東日本大震災の時だって、世界中が被災地の工場が稼働するの待ってくれたでしょ。あの時、いまがチャンスとばかり、中国企業が火事場泥棒をしようとしてもダメでした。

 中国の輸出物なんて、少し高く払えば世界中どこからでも輸入できるものばっかしだもん。「いいな、これ」つうモノがたまにあると、実は日本製。つまり、あの国ではいまだに安かろう悪かろう、というレベルなんです。


 
 それでもアメリカの貧困層には中国産しか買えません。中国が儲けられるのはアメリカ人だけなんです。アメリカ様々。逆らうなんてできっこありません。だから、この関税戦争ははなから勝負がついてるの。



 トランプがいままでの大統領と根本的に違うのは、自前で大統領に当選したこと。軍産複合体、国際金融資本のひも付きではないこと。

 グローバル経済の弱点。つまり、アメリカこそが世界最大のマーケットで、世界中がアメリカに売り込みたい、と考えてるわけ。これをトランプはよっく認識してます。

 買い手がいつも強いのよ。ただし日本には弱い。なぜなら日本製はブランドだから。





 株価が下がれば買いチャンス。いまほど買い時ってそんなにないんじゃないかしらん。つまり、マネーキャッシュがポイント。投資家は熟知してますね。すべて売ってキャッシュにしてますもん。下落したら掬い上げる。割安株は市場の1割もありますからね。

 金もそうでしょ。つうか、金こそが割安でしょ。えっ、年末にかけて利上げが2回もあるから上がんない? そうかなあ。利上げはLiborに追いかけられてやってるわけでね。来年でロンガーランまで到達しちゃうからそんなに急がないと思うよ。

 それにドイツが大穴ですから。金価格は爆発するかもしんない。よーわからんけど。

 何度も言ってるけど、トランプは中国とか中国企業をマトにかけてるのではなく、中国に進出してる米企業をマトにしてるのよ。同様に、メキシコ、カナダ、ヨーロッパに進出してる米企業もマトにかけてます。

 アメリカに戻るんなら法人税減税にレパトリ減税があるよ。戻らなきゃ25%の関税かけるどーーアメととムチどっちを選ぶ、ゆうてね。

 気づいてる投資家だけが勝ちます。いつもね。。。視座を変えるといろんなモノが見えてきます。





 だから、「ぴよこちゃん倶楽部」「中島孝志の銘柄研」で勉強してほしいのよ。

 これからどうなるか? 詳しくは本日開催の博多原原「ま・く・ら」で解説します。お楽しみに・・・。 


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「正しい女たち」(千早 茜著・1,620円・文芸春秋)です。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年07月03日 (火)

いま手を打たないと間に合わない「中国封じ込め」。。。

 今日は東京原原のオーラスです。自由参加ですから、メンバーはゲストをお連れ下さい。

 株価がまさかの500円安。ダウが上昇。為替は円安。どして?2015年の再現でしょうか。いつか見た風景になったりして。。。



 米中関税戦争のタイムリミットは6日。それまでは様子見でまったく市場は動かないと思っていたのでは?
 株については現物ではなく先物売り。ドルを締め上げられては、中国の経済破綻は必至。人民元売りではなく中国売りが止まるかどうか。

 
15年8月の再現か?

 昨年からブログや本あるいは講義で「金価格は1350ドル-1250ドルで推移する」と述べてきました。そして直近では「金価格は1250ドルまで下がる!」と6/26に経済有料サイト(夢と希望とサムマネー)に書いた通りです。6/20に名古屋で講義し、翌日、大阪原原の講義中(6/21)に1260ドル台に突入。

 「さすがに1250ドルまで下がるとどこかの国がそっと拾うので下げ止まります」と述べたとおり、6/29に1247ドルの安値を付けてから上昇に転じています。6/16には1300ドル超だったのですから、これが底ではないか、と考えていましたが、今朝の相場では1241ドル。

 チャイナリスクで高騰しなければいけない金価格が下落する。どうして?



 「中国が金と人民元を売ってドルを買っているからにほかなりません。上海株価指数が3000を切り、対中投資が縮小均衡する中、人民元安で乗り切ろう、と中国は判断しています。金価格はいずれ上がります」と述べました。







 上海は2800を切りましたが、6/29に2800台へと持ち直しました。それがここに来て再び2800を切りました。金売り・元売り・ドル買いからドル売り元買いへと転じ、さらに、当局は国内の対外投資も引き締めて資金流出を必死に止めているのでしょう。

 今後、元売りが加速すれば15年8月の再現。世界株価同時暴落になります。

 今週6日は米中間の「関税問題」が回避されるのか、お互いにチキンゲームに突入するかの瀬戸際です。

 「ぎりぎりで回避されるだろう」という希望的観測が圧倒的ですが、破壊屋トランプはガチンコの関税戦争に突入してもかまわない、と考えているはずです。


中国大嫌いナバロ教授のシナリオ通り。

 何度も何度も書きましたか、トランプ政策は「金融から財政へ」「FRBから財務省へ」「貿易赤字から貿易黒字へ、そして財政黒字化へ」、つまり、レパトリ減税も含めて、いままで過剰な自由主義経済の下、過度にアメリカばかりが貪られ続けてきた「仕組み」を、いまここでチェンジしよう、とトランプは考えているのです。



 しかも、相手はこれまで世界一アメリカから貪り続け、今後も、アメリカの飯のタネとも言うべき、ハイテクから軍事技術まで貪り続けよう、としている中国です。報復として度肝が抜かれるほど高い関税をかけるぞ、と迫るのは中間選挙を前にして実利も高いのです。
  
 トランプはプーチンと会談して北朝鮮利権の分け前について話し合うはずです。もちろん、中国は外します。トランプはロシアをパートナーにして中国を封じ込めようと考えています。かつて、ニクソンが中国をパートナーにソ連を封じ込め、レーガン政権で潰したのと同じように・・・です。

 詳しくは今日の東京原原の「まくら」でお話します。お楽しみに。

カテゴリー:中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記

2018年06月26日 (火)

間違いだらけの米中貿易摩擦報道。。。

 ダウが500ドル近く下げ、金価格もツレ安。ならば、為替はと見ると、これが1ドル110円へとドル高円安になったり戻ったり・・・投資家の総混迷が見てとれる展開になってますね。

 では、目先の動きにとらわれず、大局観で見てみると・・・。


 不思議でなりません。なにが?
 どうして上がる銘柄を売ってしまうんでしょ? ふつう、上がる銘柄なら買いますよね? 買わずに売るつうんだから、これは上がらん、と判断してるわけね。

 だから、不思議なの。

 株価にしても金価格にしても、売り勢力と買い勢力との拮抗点。上がったり下がったりのシーソーゲーム。たまたまある瞬間に止まったポイントが「価格」なのです。だから、こういう価格を「時価」と言います。

 なにが言いたいか? 「米中貿易摩擦」についてのでたらめ報道。テレビ屋はしかたないけど、新聞社の経済部はちゃんと見抜かんといかんわな。

 世界一の貿易赤字国アメリカが世界一の貿易黒字国中国に対して、「中国はアメリカを過剰に貪っている。国が補助金を与えたり不当に安い値段で販売するなど、アメリカ市場で過剰に儲けている。もっとフェアにやったらどうだ?」「でなければ、報復として大きな関税をかけるぞ!」というわけね。



 トランプの主張には一理あります。中国はここ数年、研究開発費が伸びていますが、本来、企業が投資するものを国が肩代わりしてくました。

 こんなことは韓国も同じ。本来、企業が払うべき電力コストにしても国民の税金でまかなわれてますもんね。その分、企業コストは低くなりますから安く安く販売できる、結果、日本メーカーは不利になり、シェアをとられる、つうわけ。李なんとかつう大統領のときはウォン安誘導までありましたから、日本の家電メーカーは大変でしたよね。

 低価格で世界市場に乗り込んでるからアンフェアだ、つう理屈は十分成立します。日本のメーカーはきちんと電力代金を払って貿易していますもの。

 何度も述べてますけど、トランプは金融政策から財政政策に大きく転換しました。FRBから財務省への転換です。具体的に言えば、金利政策から減税政策、インフラ投資政策、レパトリ減税政策そして関税政策への転換です。

 そのうちの目玉が関税政策。「鉄鋼25%、アルミ10%」の強制課税に代表されますが、いま、中国、EU、カナダ、メキシコさらには日本も含めて、トランプは世界中を敵に回してます。日本の場合は追加関税の3分の2を解除してもらえたとはいえ、3分の1は解除されてないわけ。

 アメリカの関税発表のわずか5時間後に、中国が報復関税を発表すると、さらにトランプは追加関税を発表、つう具合で、「実りのないチキンゲーム」に陥ってます。このままでは米中貿易摩擦は終わりそうにありません。企業収益は激減するでしょう。







 ダウが8営業日連続で1000ドル近くも下落しますわな。17年3月以来1年3か月ぶりの出来事だそうで、もし9日連続下落なら1978年2月以来の記録になるところでした。
  
中国は報復として「航空機」の輸入削減も検討する、と発表しました。そのためにボーイング株が売られたわけ。ダウ平均株価てのは日経平均株価と同じで、銘柄のウエイトで大きく乱高下するように仕組まれてます。

 上昇するにしても下落するにしても、いちばん影響力があるのはダントツでボーイング株。







 だから不思議でならんのよ。

 中国は今後10年間で7800機の航空機が必要なんでしょ。世界中でボーイング以外にこの大きな注文をこなせるメーカーがどこにあんの? 業界2位のエアバスは引き受けられませんよ。つまり、どんなことがあってもボーイングに発注するしかないの。

 中国はメンツで張り合ってるだけ。つまり、どんなに売り込まれようと、いずれボーイング株は元値に戻ります。下がれば買い、典型的な押し目買い銘柄。類似の日本メーカーも同じでしょ。

 同時にダウも戻ります。なぜか?

 おそらく、これからお話することはどのメディアも書いてませんので「初耳」だと思います。先週、名古屋と大阪の原原で講義しました。

 米中貿易摩擦つうけど、トランプがマトにかけてるのは「中国企業」ではありません。中国で操業してる「アメリカ企業」なのよ。

 中国の国有企業、たとえば、国防総省・米軍で販売禁止としているファーウェイだとかZTE等ではありません。この携帯電話メーカーに嫌がらせしてるのは、ひとえにアップル支援のため。
 どうしてトランプはアップルを支援するのか? 「レパトリ減税」にイのいちばんに対応してくれたから。今年2月、アップルは10兆円の内部留保をアメリカ国内に環流する、と発表しました。さらに雇用も積極的に展開するとも約束しました。
 この減税は、海外企業が海外でため込んだ内部留保をアメリカ国内に環流してくれたら、本来25%の税金を15.5%にまける、つうもの。アイルランドよりも税率が低いからアマゾンも乗り気でしょ。
 
 トランプは「見返り」としてアジア市場で後塵を拝してるアップル支援を約束したんでしょ。バフェットも先刻承知。だから、アップル株を積み増してきたわけね。

 米中貿易摩擦でトランプがマトにかけてる中国企業ってなに?
 はい、ボーイング、キャタピラ、3M・・・つまり、中国に進出しとるアメリカ企業をマトにかけてるわけ。
 狙いは? 中国の工場など一刻も早く処分して、アメリカに戻ってこい、つうこと。支援はいくらでもしたるでー。けど、もし逆らってこのまま中国で操業を続けるなら、おまえらに大きな関税をかけたるどー、つうわけ。

 トランプは米中貿易摩擦を煽ることでダウを暴落させ、時価総額が減るボーイング、キャタピラ、3M等の経営者を脅迫しとるのよ。


♪戻ってこぉぉいぃぃよぉぉ♪

 で、米中貿易摩擦のホントの狙いは? トランプが中国からアメリカ企業を国内に戻す狙いは?
 はい、「中国製造2025」潰しです。





 「中国製造2025」とは、2049年の中国建国100周年までに「世界の製造大国」としての地位を築く、つうもの。いままで中国は潤沢な労働力と低い賃金で衣料品などの大量生産を展開してきました。
 しかし、これからは労働構造転換でIT、ロボット、AIを活用した「技術密集型/知能的集合型」にシフトする必要がある、というものですが、狙いは「ダントツの軍事力」を達成することにあります。

 習近平の目玉政策なんだけど、失敗したら中国に未来はありません。成功されたらアメリカに未来はありません。だから米中は鍔迫り合いをしとるのよ。

 アメリカのハイテク企業をいつまでも中国に置いておくわけにはいきません。というのも、これらのハイテク企業は中国市場に乗り込むとき、技術のディスクローズを条件にさせられてますからね。
 パクリ国家中国にこれ以上、ハイテクを盗まれたら、アメリカに未来はありません。このままでは「アメリカ、ファースト」は達成できなくなってしまいます。

 米中貿易摩擦において、アメリカと中国を比較すると、少し高く払えば世界中どこからも買えるのはアメリカです。中国の売りは安さだけ。いまや労賃が高騰する中国で製造するメリットは激減。さっさと工場を閉めろ、とトランプは勧めてるんです。

 これ、いつものように莫大な原稿料を頂戴してる「投資有料サイト」の連載(昨日の原稿)の前半部分だけ。長いんでここらへんで止めます。金価格と為替については近々お話します。


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「 1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる」(リチャード・ボブデイ著・1,512円・シャステインターナショナル)です。

中島孝志の読む!通勤快読 宅配便




ご案内

東京原理原則研究会

大阪原理原則研究会

名古屋原理原則研究会

博多原理原則研究会

新潟原理原則研究会

出雲原理原則研究会

札幌原理原則研究会

松下幸之助 経営研究会

スピリチュアル研究会
濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会


あなたも本が出せる!

最小コストで最大効果!宣伝効果抜群!!らくらく業績アップ!企画の相談から出版が実現するまで中島孝志が責任をもってプロデュースします。


『完全決定版!最短距離で作家になる方法』

最近の投稿

サウジのカショギ謀殺問題で相場はこう動く!・・・かも。
[2018年10月23日]
[中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記]

ラスト講義の特別ゲストはリクエストに応えて為替の第一人者です。
[2018年10月22日]
[黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部]

久しぶりの由比ヶ浜。。。
[2018年10月21日]
[中島孝志の不良オヤジ日記]

プロフィール

中島孝志(なかじまたかし)
 東京生まれ。早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家 (ペンネームは別) 、出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師等ビンボー暇無し。「キーマンネットワーク定例会」(33年の老舗)のほか、
「原理原則研究会in東京」
「原理原則研究会in大阪」
「原理原則研究会in博多」
「原理原則研究会in名古屋」
「原理原則研究会in神の国出雲」
「原理原則研究会in新潟」
「原理原則研究会in札幌」
「松下幸之助経営研究会」
「中島孝志のスピリチュアル研究会」
「日曜読書倶楽部」
「濡れ手で粟!中島孝志のビジネス研究会」
「黄金の卵を産む!ぴよこちゃん倶楽部」

 講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で大人気。全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料サイト、大手企業広報誌から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
 著訳書は480冊(電子書籍100冊含む)。大臣や経済団体トップなど政財界をはじめとした要人プロデュース延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と宝塚歌劇、大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
 日本青年会議所の「TOYP(人間力)大賞」を87年から3年連続受賞の快挙(横浜JC推挙)。
 音声&テキストで平日毎日配信!ビジネスで使えるインテリジェンス情報サイト「中島孝志の 聴く!通勤快読」&年3000冊読破の読書王メルマガ「中島孝志の読む!通勤快読 宅配便」が超人気!

<<  2018年10月  

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

中島孝志の最新刊!(買うてや。頼んまっせ!)


仕事と人生の「ロス」がなくなる! 「ミスよけ=失敗を予防するちょっとした仕組み」を全160個紹介!

2018年、「戦争」の時代が始まる! 暴落と背中合わせで進む株高。いまベストの投資はこれだ! トランプTPP復帰も予測!

イタリア国債急騰。イタリアの政変なんていつものこと。真因はドイツにあります。2年遅れでいよいよ表面化!? もう逃げられんわな。

残業ゼロで圧倒的成果を上げる人、的確な予測で精度の高い意思決定をする人はみな「数字力」を武器にしています。“アバウト仕事”を徹底改善する数字の「読み方」「使い方」を多数紹介!

トランプ弾劾危機が世界恐慌のきっかけ? いいえ、ユダヤ左派最後のあがき。北朝鮮を挑発してるのはトランプ。その時、日本経済は? メディアが絶対伝えられないコンテンツばかり。

15年前のベストセラーを全面改訂。事例はすべて新ネタ。トランプとイヴァンカのことまで書いてます。読んでねーーー。

「断る」「見切る」「諦める」……実はこれで成果が確実に上がる48のルール。

ギリシャ危機とチャイナショック、アメリカの利上げで世界は大混乱。一方、日本政府は「マイナンバー制度」をいよいよ導入。いよいよ国民資産の収奪計画が始動した?

あっという間に6刷です!今度、文庫になりま〜す。

17刷20万部突破。NHK「テストの花道」で紹介されました。

10刷10万部突破。

3刷出来!

10刷出来!

作家になりたい人必見DVDです!