2011年11月29日クリントン国務長官のミャンマー訪問前にひと言。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 半世紀ぶりの訪問だとか。ま、無理もないわな。ミャンマー(ビルマ)はこの50年間、軍事政権。しかもスポンサーは中国でしたからね。人の米びつに手を突っ込んだらまたまた戦争になりますわな。

 その米びつにアメリカがつばつけてるわけですな。

 中国が海軍増強、南シナ海に覇権を打ち立てようと実力行使に出ている、とアメリカは大宣伝。かねてからその兆候ありと迷惑していたフィリピンとオーストラリアには米軍が駐屯する予定らしい。

 ミャンマーに対して、アメリカは20年間も経済制裁してきたわけだけど、去年、民政移管してから態度を変えた。というより、華僑が牛耳るミャンマー経済にミャンマー政府が方針転換。
 山峡ダムをしのぐ巨大ダムにしても、中国企業のプロジェクトであり、果実は中国に送電されるだけ。リスクはミャンマーなどの周辺国家が負うばかり。

 中国による植民地支配よりはアメリカのそれを選択したということか。。。

 元々、ミャンマーは民主国家でした。それがネウイン将軍が革命を起こして軍事政権が成立。西側は非難囂々。
 力も見識もないくせに、オヤジがたまたま「建国の父」だったために民主化のシンボルにまつりあげられたのがアウン・サン・スー・チー女史。この「田中真紀子さんの美人版」を西側は過度に祭り上げたわけですが、去年、民政に移管してから態度豹変。アメリカもこの独善娘はお役ご免と判断したんでしょう。


有森裕子さんではありません。

 日本のマスコミはぜんぜん気づかず、ミャンマー政権を批判してますけど、この国の歴史を考えてみれば、たとえ20パーセントは軍人が政権に入ることになっても、それで批判することはお門違い。確実に進歩していると思う。

 民主主義を理想視したがる小児病は卒業したほうがいい。

 周辺国の中国やラオスでは普通選挙すらできてないわけでね。シンガポールは与党が必ず勝つ仕組みになってるけど、そんなことは批判しない。
 インドネシアも当初、25パーセントの議席が軍人に与えられていた通り。

 この手の国々はエリートが軍に集まるからねえ。

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