2011年11月30日ユーロ憎けりゃドイツ国債まで憎い?
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
いまや「格付け」などほとんど意味をなさない段階に入ったのではないでしょうかね。
というのも、AAAの国債まで投資家は嫌気し始めているからですよ。
これ、当たり前ですよ。考えてみれば、バローゾ欧州委員長による「ユーロ共同債」の提案ね。こりゃあかんがな。だって、これって、「各国発行の国債はもう償還できませんからね。皆さん、こちらに乗り換えておくなはれ」というメッセージじゃないですか?
バローゾさんというポルトガル人は、ええっと、ドイツ国債とギリシャ国債を混ぜまして、そこにイタリア国債を和えると、はい、お待ち、ユーロ債一丁!てなわけでしょ。こんだけ実力差のある国債を一緒くたにしてどうすんの?
投資家もドイツ国債を買えばいいのか、それともユーロ共同債の発行を待てばいいのか、どっちにすればええねん、と迷いますわな。
60億ユーロのドイツ国債も完売できんわけですよ。だから2年ぶりに英国債より下落したわけでしょ。
無理筋じゃね? 来年1月末にはギリシャはユーロを離脱すんじゃね? そうならんように、いまのうちに「財政統合」したいわけですな。
「ドイツ国債ですら60パーセントしか売れんのよ。もうユーロ各国の国債はだれも買ってくれへん。こうなったらひと束いくらで売るしかないかんね」
けどさ、こんなバーゲンセールすると足下見られますわな。エルメス専門店の隣でスーパーがエルメス入りの福袋を販売してるようなもん。
お客さんの身になってみまひょ。エルメスを買うか、福袋を買うか。両方買う人はおまへん。リスクヘッジにならんからね。やっぱ福袋を買いますわな。
するとエルメス専門店は困る。
「元々、うちの商品がお目当てでしょ。にもかかわらず、エルメス専門店の商品が売れなくなってしまったやないか。どないしてくれまんねん」
「そしたら利率を上げたらよろし」
ドイツ国債はユーロ共同債より利率を上げる=価格が下がる。どうして、こんなリスクをわざわざブランド筆頭のドイツが負わねばならんの?
「そりゃユーロのためでっせ」
「その前にドイツがいかれたら、あんさん、どないすんねん?」
議論がまとまらんわけです。
いろいろ知恵を絞ってるんでしょうけど、ユーロは来年1月末にギリシャ離脱からドミノ倒し。。。となるんじゃね?
PIIGSの国債なんて、価格暴落=利率暴騰、すんのはわかりますよ。ありゃ国内経済の抜本的・根本的な対策が必要ですけど、いまさらねえ。そんなに急にできるものならとっくの昔にやってるよ、というわけでしょ。
アイルランドのように元々、勤勉な国民性なのに、英米の金融機関に騙されて、一時の気の迷いから法人税率を下げ、バブルに突入した国は別にして、あとは古代から有名な放蕩国民ではありませんか。。。
骨の髄まで怠け者。まっとうな稼業に励むよりも、だれかに寄生するかだれかから奪い取るかしたほうが楽だよ、という根っからの「植民地収奪気質」「海賊気質」がDNAに深く刻まれてる国民ですからね。
で、勤勉ドイツだけが「緊急避難先」と見られてたんだけど、これも時間の問題となりそうですね。
ドイツ連邦債(10年物)の利回り低下。フランス、オランダ、フィンランドの10年国債とのスプレッドが急拡大。ドイツ連邦債とフランス国債のスプレッドは155ベーシスポイント。10月末段階では106ベーシスポイント。年初は39ベーシスポイントだったのよ。
ということは、フランス国債が危ない? ユーロ危機では、フランスはドイツに次ぐ第2の資金提供国。そこが危険?となれば、ドイツが「最後の貸し手」になる? つうか、ならざるを得ないとだれもが考えてるわけ。
「それはダメ、絶対にダメだかんね」というのがメルケルさん。「あんたしなよ」と振られてるのがマリオ・ドラギさん。ECBですな。
この間にも、ドイツとフランスの株式市場はどんどん下落しています。で、「ECBが4兆ユーロくらい刷れ!」とフランス、イギリス、アメリカはやいのやいの言ってるわけです。つまり、「ユーロ版QE1&2」ですな。
で、刷ったらどうなんの? FRBは毒を食らわば皿までで、すでに「最後の貸し手」として刷りまくってますからね。すると、国債の利回り格差が圧縮されて危機は脱する、というのが机上の理論。
でも市場は「ユーロ≒ドイツ」と見ているわけで、超・量的緩和をしたら完全に「ユーロ=ドイツ」と判断されるでしょうな。
PIIGSは危機を脱するでしょうが、ドイツが危機に陥ります。だって、市場がドイツに「白紙小切手」を出せ、というに等しい行為でしょ、これって。
怠け者で植民地収奪主義者で「パイレーツ・オブ・地中海」の連中は、飲めや歌え、支払いはドイツ野郎に払わせればいいかんね、となるだけ。
「そんなことするわけないっしょ? ドイツに恩義があるんですよ!」
そう考えるのは、私たちが日本人だから。日本人は借金を返すためなら、平気で強盗とか身代金目的の誘拐とか自殺したりする国民性ですからね。彼らはそんなことしません。
借金? んなもの、いくらでも踏み倒したらええねん。これが世界の常識。少なくともPIGS(アイルランドは除こうか)の常識。ドイツはそれがわかってるから(英米もわかってるはず)踏み切れないのよ。
だってメルケルはドイツの首相であってユーロの大統領ではありませんからね。
この問題。今後スッキリいくとは思えません。財政統合まで進み、各国がドイツの州になりまっせと宣言しても、ドイツはこんな連中の「抱きつき心中」につきあいますかね。
で、メルケルさんの心中を察すると。。。「ユーロにとどまるべきか、それとも離脱すべきか?」というハムレット状態か、「忠たらんと欲すれば孝ならず。孝たらんと欲すれば忠ならず」という平重盛状態?
いえいえ。
「なんとかならないのお? やっぱ中国と日本よねえ。ねえお金もってるんでしょ。出しなさいよ〜。出さないと蹴飛ばしてやるんだから。どんだけえ〜」
ま、こんなもんでしょ。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた』(購買ネットワーク会著・日刊工業新聞社)です。あまりの力作に18分もしゃべり倒してしまいました。詳細はこちらからどうぞ。
というのも、AAAの国債まで投資家は嫌気し始めているからですよ。
これ、当たり前ですよ。考えてみれば、バローゾ欧州委員長による「ユーロ共同債」の提案ね。こりゃあかんがな。だって、これって、「各国発行の国債はもう償還できませんからね。皆さん、こちらに乗り換えておくなはれ」というメッセージじゃないですか?
バローゾさんというポルトガル人は、ええっと、ドイツ国債とギリシャ国債を混ぜまして、そこにイタリア国債を和えると、はい、お待ち、ユーロ債一丁!てなわけでしょ。こんだけ実力差のある国債を一緒くたにしてどうすんの?
投資家もドイツ国債を買えばいいのか、それともユーロ共同債の発行を待てばいいのか、どっちにすればええねん、と迷いますわな。
60億ユーロのドイツ国債も完売できんわけですよ。だから2年ぶりに英国債より下落したわけでしょ。
無理筋じゃね? 来年1月末にはギリシャはユーロを離脱すんじゃね? そうならんように、いまのうちに「財政統合」したいわけですな。
「ドイツ国債ですら60パーセントしか売れんのよ。もうユーロ各国の国債はだれも買ってくれへん。こうなったらひと束いくらで売るしかないかんね」
けどさ、こんなバーゲンセールすると足下見られますわな。エルメス専門店の隣でスーパーがエルメス入りの福袋を販売してるようなもん。
お客さんの身になってみまひょ。エルメスを買うか、福袋を買うか。両方買う人はおまへん。リスクヘッジにならんからね。やっぱ福袋を買いますわな。
するとエルメス専門店は困る。
「元々、うちの商品がお目当てでしょ。にもかかわらず、エルメス専門店の商品が売れなくなってしまったやないか。どないしてくれまんねん」
「そしたら利率を上げたらよろし」
ドイツ国債はユーロ共同債より利率を上げる=価格が下がる。どうして、こんなリスクをわざわざブランド筆頭のドイツが負わねばならんの?
「そりゃユーロのためでっせ」
「その前にドイツがいかれたら、あんさん、どないすんねん?」
議論がまとまらんわけです。
いろいろ知恵を絞ってるんでしょうけど、ユーロは来年1月末にギリシャ離脱からドミノ倒し。。。となるんじゃね?
PIIGSの国債なんて、価格暴落=利率暴騰、すんのはわかりますよ。ありゃ国内経済の抜本的・根本的な対策が必要ですけど、いまさらねえ。そんなに急にできるものならとっくの昔にやってるよ、というわけでしょ。
アイルランドのように元々、勤勉な国民性なのに、英米の金融機関に騙されて、一時の気の迷いから法人税率を下げ、バブルに突入した国は別にして、あとは古代から有名な放蕩国民ではありませんか。。。
骨の髄まで怠け者。まっとうな稼業に励むよりも、だれかに寄生するかだれかから奪い取るかしたほうが楽だよ、という根っからの「植民地収奪気質」「海賊気質」がDNAに深く刻まれてる国民ですからね。
で、勤勉ドイツだけが「緊急避難先」と見られてたんだけど、これも時間の問題となりそうですね。
ドイツ連邦債(10年物)の利回り低下。フランス、オランダ、フィンランドの10年国債とのスプレッドが急拡大。ドイツ連邦債とフランス国債のスプレッドは155ベーシスポイント。10月末段階では106ベーシスポイント。年初は39ベーシスポイントだったのよ。
ということは、フランス国債が危ない? ユーロ危機では、フランスはドイツに次ぐ第2の資金提供国。そこが危険?となれば、ドイツが「最後の貸し手」になる? つうか、ならざるを得ないとだれもが考えてるわけ。
「それはダメ、絶対にダメだかんね」というのがメルケルさん。「あんたしなよ」と振られてるのがマリオ・ドラギさん。ECBですな。
この間にも、ドイツとフランスの株式市場はどんどん下落しています。で、「ECBが4兆ユーロくらい刷れ!」とフランス、イギリス、アメリカはやいのやいの言ってるわけです。つまり、「ユーロ版QE1&2」ですな。
で、刷ったらどうなんの? FRBは毒を食らわば皿までで、すでに「最後の貸し手」として刷りまくってますからね。すると、国債の利回り格差が圧縮されて危機は脱する、というのが机上の理論。
でも市場は「ユーロ≒ドイツ」と見ているわけで、超・量的緩和をしたら完全に「ユーロ=ドイツ」と判断されるでしょうな。
PIIGSは危機を脱するでしょうが、ドイツが危機に陥ります。だって、市場がドイツに「白紙小切手」を出せ、というに等しい行為でしょ、これって。
怠け者で植民地収奪主義者で「パイレーツ・オブ・地中海」の連中は、飲めや歌え、支払いはドイツ野郎に払わせればいいかんね、となるだけ。
「そんなことするわけないっしょ? ドイツに恩義があるんですよ!」
そう考えるのは、私たちが日本人だから。日本人は借金を返すためなら、平気で強盗とか身代金目的の誘拐とか自殺したりする国民性ですからね。彼らはそんなことしません。
借金? んなもの、いくらでも踏み倒したらええねん。これが世界の常識。少なくともPIGS(アイルランドは除こうか)の常識。ドイツはそれがわかってるから(英米もわかってるはず)踏み切れないのよ。
だってメルケルはドイツの首相であってユーロの大統領ではありませんからね。
この問題。今後スッキリいくとは思えません。財政統合まで進み、各国がドイツの州になりまっせと宣言しても、ドイツはこんな連中の「抱きつき心中」につきあいますかね。
で、メルケルさんの心中を察すると。。。「ユーロにとどまるべきか、それとも離脱すべきか?」というハムレット状態か、「忠たらんと欲すれば孝ならず。孝たらんと欲すれば忠ならず」という平重盛状態?
いえいえ。
「なんとかならないのお? やっぱ中国と日本よねえ。ねえお金もってるんでしょ。出しなさいよ〜。出さないと蹴飛ばしてやるんだから。どんだけえ〜」
ま、こんなもんでしょ。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた』(購買ネットワーク会著・日刊工業新聞社)です。あまりの力作に18分もしゃべり倒してしまいました。詳細はこちらからどうぞ。