2013年07月01日「ありがとう」という言葉。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いよいよ7月ですな。もう今年の折り返し地点でっせ。早いもんでんなあ。光陰3本の矢のごとし。東京原原もいよいよ修了でんな。

 さて、職場にはたくさんの死語があります。いちばん重要な言葉は「ありがとう」です。これほど美しい日本語はありません。

 ハワイの精神医学者イハレアカラ・ ヒューレン博士は4つの言葉を大切にするように述べています。すなわち、「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください(日本語なら「すみません」)」「愛しています」ですね。
 これらを自分の内に向かって唱え続けると、内の問題がクリアになるばかりか外的問題も解消する、と述べていますが(秘法「ホ・オポノポノ」)、なかでも日本人が以前はよく言っていたのに、最近、急に口を閉ざしているのが「ありがとう」ですね。

 とくに「ありがとう」と「ごめんなさい(すみません)」を混同している人がたくさんいます。
 たとえば営業マン。契約が取れた。ものが売れた。そのとき、お客さんになんといいます?
「ありがとうございます」ですよね。けど、はたしてそう言ってますか? 周囲の声をよく聞いてください。「どうもすみません」と言ってる人が3〜5割はいます。
 以前、法人営業マンをしていたときも先輩はいつもこればかりでした。日本人は世界一謝っている国民です。なにかというと、「どうもすみません」を繰り返しています。

 満員電車で席を譲ってくれた若者に対しては、「すみません」。どうして謝るんのでしょ? なにか悪いことをしたのでしょうか? 坐りたかったのに席を取ってすみません、という意味でしょうが、若者は謝ってもらいたいから譲ったのではありません。

「ありがとう」「ありがとうございます」が正解です。

 託児所に小さな子どもを迎えに行った母親が「ごめんね」。ママは悪いことをしてる、と子どもは勘違いしてしまいます。

 「ずっと待っててくれてありがとう。えらかったね」が正解です。

 どうして、こんな簡単な言葉をまちがえてしまうかといえば、ふだん使っていないからです。人は使っている言葉しかボキャブラリーにはありません。「ありがとう」という言葉よりもはるかに頻繁に「ごめんなさい」「ごめんね」という言葉を使っているからです。

 他人に感謝することが圧倒的に少ないのです。残念ですが、語るに落ちる、というやつです。

 日本語の乱れを指摘する人がたくさんいます。
「ほんのさわりを紹介しました」という「さわり」は「出だし」とか「頭の部分」あるいは「ちょっとした些細な部分」という意味ではありません。「さわり」とは「クライマックス」のことです。

 しかし、こんな日本語よりも「ありがとう」という言葉をきちんと使うことを勧めたいのです。なぜなら仕事でも人生でも効果抜群だからです。

 店を出るとき、「ありがとうございます!」と大きな声を掛けてくれたら、よし、また来るよ、となります。サービスなんてそんなにむずかしいことではありません。お客さんの身になればわかることばかりです。

「お父さんお母さん、いままでありがとう・・・」と嫁入り前の娘がひと言。くさい芝居のようですが、このひと言がどれだけ効くか。あれだけ反対していた頑固父親もほろり。やせ我慢も打ち止めです。

「ありがとう」「ありがとうございます」という言葉はタイタニックの氷山をも瞬時に溶かす最強の熱い言葉なのです。どうしてそんなに強いかと言えば、最愛の人に届けたい言葉だからです。

 ありがとうございました。

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