2016年12月14日プーチンは必ずのってくる。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 朝からプーチンのニュース一色ですな。で、あちこち流してましたら、テレ朝の朝番組「グッド!モーニング」でたまたまこんな発言が。

 「軍事力でクリミア共和国を併合・・・」
 「んんん?」
 
 こんなこと言ったら、テレ朝だけ記者会見場から閉め出されるんとちゃうか(プーチンはメディア排斥はしませんけど)。まあ局アナの解説なんでどうでもいいけど。正確には「住民投票」によってクリミア自治共和国はロシアに「編入」されたわけでね(ウクライナ、アメリカ、日本そしてEUは認めないけど)。
 さすが朝日。いままで確信犯の誤報が目立ったけど、こういうさりげない言い方で国民を誤った方向に導くわけか。。。ご本人も気づいてないようなんで、視聴者は気をつけなあかんな。

 ついでに思ったんやけど、北朝鮮問題が解決したら、いちばん困るのは朝日新聞でないかい? 理由? 来月の原原で詳しくお話しましょう。


 さあ、いよいよオバマの許しを得てプーチンと差しの交渉ということになります。

 北方領土問題ですな。。。日本にとっては。

 いま、チャンスですよ。相手は独裁者プーチンです。プーチンが決めたらだれも文句は言いません。こちらは安倍さん。5月6日、ソチで安倍さんがプーチンに提案した「8つの経済プロジェクト」が効いてます。プーチンは必ずのってきます。この延長線で領土問題も必然的に解決することになります。

 しかもアメリカの大統領はトランプ。神の采配では? 期待しすぎですか? ま、慌てず、成果ゼロを前提に交渉すればいいです。足下を見られるほど安倍さんは甘くないでしょう。

 プーチンの売り物は3つ。
 1つは北朝鮮への圧力。拉致問題進展・解決の鍵は中国ではなく、ロシアとアメリカが握ってます。
 2つめは、対中国包囲網。中国がいちばん信用していない国。それもアメリカとロシアです。毛沢東は核兵器を持つまでスターリンが怖くて怖くてしょうがなかったんです。いまでも怖いはず。なぜなら「戦争」する国だからです。「戦争しません」なんて国、バカにされるだけ。
 3つめは、資源・エネルギー。で、プーチンはこれをなんとかしたい。ルーブル安で実は輸出好調・内需拡大してるとはいえ、日本相手に儲けたいわなあ。

 今回の交渉が決裂して困るのはプーチンであって日本ではない。いつものようにワイドショーレベルのキャスター、コメンテーターは「経済だけ食い逃げされるんでないの?」と懸念してますが、プーチンの身になれば逆でしょ。「領土だけとられて終わりかいな?」では、さすがの独裁者もバッシングされるでしょ。

 双方、定期的に確認できるように「8つの経済プロジェクト」について進展を話し合う定期会合を提案したわけでね。いわば、お互いに「担保」をとる、つうこと。



 北方領土はロシアに戦後「実効支配」されてるわけでね。で、日本は領有権を主張してきました。
 学生時代、北方領土が見える納沙布岬に行きましたよ。歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島ね。EEZ(排他的経済水域)は北方領土と同じくロシア管理なのよ。



 この領土問題も竹島、尖閣同様、トラブルの芽をまき散らしたのはアメリカです。 

 さて、今回、いよいよ交渉というステップが踏めたのは、当のアメリカにとっては優先順位にしたがってのこと。あまりにも中国の野望が大きすぎましたな。で、その牙を完全に抜くにはロシアと組む。利害が一致したんで、日本がロシアと交渉できるつうこと。

 03年から、ロシアを激怒されることをアメリカはやりまくりましたからね。まずはグルジアのバラ革命、04年にウクライナのオレンジ革命、05年はキリギスのチューリップ革命。10年からはジャスミン革命でチュニジアを、その後、リビア、エジプト・・・いわゆる「アラブの春」つう名の氷河時代を北アフリカの住人にもたらしてしまいました。

 つまり、米ロのオセロゲームにアメリカが全面勝利つうこと。

 シリアも親米政権に転覆寸前でした。

 どこまで原油が欲しいんだろうね。ロックフェラーとロスチャイルドは? イラクのバース党の残党がおもに集まったIS(リーダーのアル・バグダディはユダヤ人)に武器を供与し、イスラエルで訓練したのもアメリカ。



 ドイツをはじめとしてEUと日本はアメリカに振り回されたけど、中国封じ込めを国策の最優先に転換したオバマは対ロ制裁をゆるめていきます。トランプは解除すんだろね。大きな敵を前にしたら小さな敵は味方にせんとね。


ウクライナの貿易の3割は対ロ向け。エネルギーはロシアに依存。「アメリカの代理戦争なんてまっぴらゴメン」とチョコレート屋のオヤジもようやく気づいたわけ。


対ロ戦闘態勢より対中包囲網をつくらんとあかんでしょ。



 わたし的には、いまさら北方領土かあ、という印象なんだよね。遅かったわなあ、やっぱり。

 「でも、領土でしょ?」
 「住んでるのは?」
 「ロシア人・・・」
 「いま、中国人が激増してます」

 ロシアは北方に住んでくれたら大判振る舞いするつう宣伝までしたけど応募者ゼロ。こんなとこ行くの、山間部の中国人しかいませんわな。
 返還されたら、ここに住んでる人たちの年金とか生活保護費をどう工面すんの? 全員ロシアに強制移民させるの? 少子高齢化で、100年後には中国人しか残っていないかも。。。

 「カニとかたくさんとれそうじゃん?」
 「んなもんロシア漁民から買えばいいじゃん」

 日本は少子高齢化です。農業も漁業もそうです。漁業の担い手がいればいいけど? いるの?

 「領土問題は経済問題を超越してます」
 「たしかにねえ」
 
 日本の経済水域は国土面積の10倍以上ですからね。日本の領土面積は38万平方キロ。世界第61位。EEZと領海を合わせると世界第6位の面積ですからね。
 中国領土の3倍です。道理で中国が沖縄を欲しがるはずです。

 日ソ共同宣言では「平和条約締結後に日本に引き渡す」と明記されたのは色丹島と歯舞群島だけです。しかも注意しなけければならないのは、「主権」ですよ。ロシアに主権があるまま引き渡す、つうこともありえますからね。

 なぜか? 日米安保条約・地位協定に問題点があるからね。



 主権は日本とロシア以外の第三国とか国連統治でもいいわけ。あるいは施政権を20年後まで担保する沖縄方式もあります。
 理由は2つ。
 1つは、日本の施政権が及ばなければ北方領土に米軍基地が出張ってくるリスクがない。ロシアはOKでしょ。
 もう1つは、日本のリスク回避です。奪われたモノは「武力」で奪い返す。それがロシアのお国柄です。返還はかえって「トラブルのタネ」を残しかねないのよ。

 「宝の持ち腐れ」つうことはロシアもわかってるわけ。どんなに宣伝したって中国人しか移民してくんないわけ。中東の難民たちも贅沢だから嫌がるだろうね。

 いっつも相場にふらふらしてるロシアの天然ガスと原油を日本は買い続けてやる。もち、アメリカのシェールオイルも買ってやる。原発は段階的に廃炉する。メタンハイドレート技術も確立しても活用しない。日本はリスク分散して常に「上得意先」になりきる。

 「日米安保条約を破棄すべし。でなきゃ返還しないよ」とまず言ってきますよ。ま、これはムリ。アメリカのスタンスは「実効支配されてたらなにもせんよ」つうもの。「尖閣諸島は安保の枠組の中」つうヒラリー国務長官(当時)の発言も実効支配されてないからでね。実効支配されたら終わり。それまでは自力で防衛せなあかんねん。当たり前っす。防衛は他人にお願いするもんじゃありません。

 それに、アメリカ政府は「尖閣諸島は日本の領土じゃー」とは一切言明してないの。二国間で話し合ってください、つうスタンスだもんね。

 けど、アメリカの戦後教育のおかげで「フリーライダー」が当然だと考えてる無知もいるし、「9条があるおかげで戦争に巻き込まれない」つう宗派のバカもいますからね。
 日本語読めないヤツにどうしてわかんのよ。米軍とアメリカの核があるからスターリンも毛沢東も手を出さなかっただけのこと。自衛隊の出動を許さないアメリカ政府と日本の国会議員たちもいましたしね。

 幸い、トランプは自分のことは自分でやれよ。カネがないから面倒みてらんないしぃ、つうスタンス。ならば、シビリアンも本気にならんとあかんわな。あくまでも専守防衛。その範囲をどうするか、なんてことはとっくにできてるわけでね。
 「平和平和」と唱えてれば平和が続くわけではないしね。「戦争しても勝てへんわ〜」つう武力に担保された国だけが平和を維持できるわけでね。

 野党の揚げ足取り党首より日本国民のほうが正しい判断をしてるんちゃう? 

 平和がいちばんコストがかかるわけ。資源国ほどアメリカに狙われてきた歴史をみれば一目瞭然ですよね。

 
 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「スタイルを持ち、身軽に暮らす いさぎよく、住む・着る・生きる」(石原左知子著・1,404円・SBクリエイティブ)です。