2017年10月02日「解散は買いだ!」は今回も成立するの?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 「自民党をぶっこわす!」と叫んだのは小泉さんでしたが、「民進党をぶっこわす!」と言ってないのに、あっという間に自然解党。小池さんの功績は大きいっすね。

 民進の前原さんは「厚化粧の大年増」にひれ伏しても当選したい!つうわけでしょ。小池さんは、「難民政治家」たちに踏み絵させて(「改憲賛成」「消費税凍結」「反原発」)の分別処理。これで民進左派は全滅。辻元某など風前の灯火。

 これ正解。

 あの党って内ゲバ体質だもんね。当選してから、やいのやいの言われても困りますわな。いまのうちに去勢しとかなあかん。



 カンチョクトや上島竜平さんのような首相や大臣、党の要職経験者は「希望の党」の公認はムリ。松原さんみたいに除名されても寄らば大樹、つう目ざといセンセもいるけどさ。こんなもん入れたら評判悪くなるんちゃう。

 あれ、この人、民進じゃね? この人も? ウリは「フレッシュさ」と「パフォーマンス」だけなんだから、手垢のついたセコハン入れたら風は吹かんわな。

 「民進候補者は全員入れろ!」
 「地方議員は使い捨てするつもりか!」

 当然でしょ。使い捨てです。つうか、そもそも使いたくない。その価値ないもん。あのね、「希望の党」つうのは都市優先・地方切り捨てなの。小池さんが都知事だからではなく、そもそも都市型政党なの。もち、予算配分比率も大幅に都市へと振り向けます。で、地方は捨てます。

 そこが自民と大違い。いままで地方は優遇されすぎました。自民は低コスパだけど得票のためにやむなく「生活保護装置」を取り付けてたんです。

 さて、「希望の党」って政策は自民の別働隊。資金と組織は民進を利用したい。つまり、ええとこ取りのパッチワーク政党なんだよね。で、民進色だけは薄めたい。有権者はあの3年半、どんだけ政治、経済、外交、安保をめちゃくちゃにされたか、まだ覚えてますからね。

 小池さんに勝たせてもいいけど、あの連中が大臣になるのだけはやめておくなはれ。それじゃ「絶望の党」でっせ。

 さてと、御用メディアしか知らん人は、小池さんと民進の合流は突然で驚きかもしれんけど、綿密な打ち合わせの結果ですよ。この2人、日本新党の同期。政権交代したら、前原さんだけは「副総理格」で協力してもらいたいんで、あえて「無所属」で出馬してもらうわけ。



 安倍解散はアメリカの要請です。プーチン提案をトランプが拒否し、いざ戦争となった時、日本政府は集団的自衛権を発動するかどうか。今回の総選挙で国民の判断を問うつうこと。トランプ来日から逆算して総選挙を決めた。

 それ以外の理由は二の次三の次。自民党の村上誠一郎センセ(元行政改革担当相)はTBSの誘導に引っかかって、「トップとして判断を大きく読み違えた。相手の準備ができてないと考えたのは王道ではない。そこをうまく切り返された」と応えてましたけど、このセンセが言うような些末な動機じゃありませんよ。

 政権を棒に振るにはもったいない。けど、やるっきゃないのよ。

 でもさ、御用メディアに洗脳されてる有権者ってどんだけいるんだろ。田舎の人はしたたかだから、自分の生活が良くなるかどうかきっちり秤にかけるよね。

 いつも騙されるのは都会の有権者ばっか。ブームに乗っては「騙された!」「こんなはずじゃなかった!」と後悔するばかり。いつになったら自分の頭で考えるんだか。

 さすがに小池ブームは賞味期限切れだと思うけどね、私ゃ。まだ切れてない? そうかなあ。

 そうそう、都議会初の定例会、いつ始まったかご存じ? 9月20日です。まだ10日しか経ってないの。なのに、もう国政に鞍替え? 都民はとんとこバカにされてんだけど、気づいてないみたい。小池さんとしちゃ、どうせブームなんだからいまのうちに高く売らなきゃ損だわな。



 さてさて、肝心の「選挙と株価の関係」ですけどね。メディアは過去のデータから「11勝1敗」。つまり、「解散は買い!」と吹聴してます。
 けど先日、お話したように、株価ってのは上がるには上がる理屈、下がるには下がる理屈があんのよね。パターンで決めつけちゃあかんわけ。





 召集から解散そして選挙活動、投票、開票、結果発表・・・という段取りですよね。それぞれのタイミングで株価の上昇率、下落率は変わります。で、「ここ何回かの解散総選挙ではこうでした」つうデータを各社がまとめてるわけね。

 へえ、なんだかんだ言いながら、投票までは上昇? で、開票後は下落に転じてるわけ? ざっくり見るとそうなってますけど、「理屈」があるわけよ。

 選挙があろうとなかろうと、日本の株価を左右するのはだれ? 外国人ですね。動かしてるボリュームで60%。金額で30%くらいでしょ。外国人が買えば上がるし、売れば下がる。

 では、彼らはいつ買うか? いつ売るか? 儲かる時に買い、儲かる時に売る。そりゃそうだわな。
 では、いつ儲かるの? 上がり始める前に買い、上がりきった時に売る。下がり始める時に売り、下がりきった時に買う。

 ですよね?

 政権与党ってのは「打ち出の小槌」を持ってますね。選挙に勝つためには「株価操縦」も当たり前でしょ。



 09年9月。自民党から民主党へと政権交代しました。選挙中に株価は上昇。でも政権交代翌日から下落。当たり前です。民主党政権なんだから。
 12年末の選挙は上島竜平政権で行われましたけど、解散前から円高から円安へと転換。選挙になれば安倍自民党の勝ち。量的緩和に踏み切る、と市場が読んでましたからね。外国人は一斉にシフトしました。
 通貨をばらまく→円の価値毀損→相対的円安(=ドル高)。結果として日本株上昇。



 どうして自民党だと株価は上昇し、民主党では下落するの?

 釈迦に説法なんすけど・・・株価を左右する要素って、1為替、2ダウ、3上海市場です。でも、いちばん重要なのは「企業収益」ですよね。株価って「未来の通信簿」だもん。これから業績が上がるかどうかがキモでしょ。
 で、自民党って企業を儲けさせるための政党なのよ。先日書いたように、法人税を下げ、所得税を下げ、その代わり消費税と相続税、贈与税ばかり上げてきました。企業数字をよくする政党だから、企業収益が上がるのは当然。結果、株価が上がるのも当然。

 つうことは、今回、「安倍政権継続!」と出れば、売られた株価は投票日翌日に暴騰するかも。トランプ当選時、1日で1000円乱高下したのと同じ。谷深ければ山高しだもん。

 ただし安倍さん、233議席以下だと責任問題が出てきます。つまり、辞任つう話。この瞬間ミサイルが飛んでくるかも。で、国民は思い知るわけ。

 「希望の党」が第一党になりそうなら暴落。リスクマネーは一斉に引き上げます。だってあの民進残党だもん。法人税も所得税も高くなり、かといって消費税は下げんでしょ。企業利益が悪化するから株価は下がる。しごく当然です。

 小池さんに代わっても年収は増えませんよ。かえって減ります。この人、経済音痴ですから。

 都知事になって最初にしたこと。「築地は守る、豊洲は生かす」と中央卸売市場を豊洲に移して、築地は5年後に再開発して「食のテーマパーク」をつくるらしい。跡地は売却せず民間に貸し出すわけでしょ。
 けどさ、豊洲の建設費6000億円って跡地の売却益(4000億円)でやりくりする話だったのね。でも売却しないんだからこの分すべて都民が被るしかない。テーマパークの建設費用も増えちゃう。

 気づいたら都政は大赤字。で、都民税ばかりがガーンと上がります。小池さんのおかげで空前の大赤字。

 こんなこと、都民は知らんだろうなあ。祭りが終わればいつもゴミが残る。あとで困るの自分たちなんだけど。この繰り返し。

 政治家はプロを選ぶべきなのよ。悪の限りをつくすようなヤツでもね。
 「知らない仏=パフォーマンス命の小池さん」と「知ってる鬼=アベノミクス息切れの安倍さん」のどちらを選択するか。これが今回の選挙ですな。

 つうことで、東京原原は明日から毎回18時半スタートにします。「まくら」を話すことにします。ブログでは危なくて話せないことばっかだもん。忙しい人は19時スタートの本講義からどうぞ。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「高倉健 七つの顔を隠し続けた男 前編」(森功著・1,728円・講談社)です。