2018年05月21日「濹東綺譚」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 忘れないうちに・・・先週土曜開催の「ぴよこちゃん倶楽部」ですが、データ・速記録を午前3時半に一斉送信しています。メンバーはご確認ください。添付ではなくダウンロード方式ですから、極めてボリュームが軽量です。届いてないよ、つう方はまずはスパムメールに分類されてないかご確認ください。


 ええっと、DVDなんすけどね。「荷風になりたい」をご紹介したと思うけど、映画は山本富士子バージョンと、津川雅彦さん・墨田ユキさんバージョンがあるわけ。



 山本富士子バージョンという意味は、荷風役はどうでもいいんでしょう。あくまでもおゆきが主役なんすよね。けど、津川・墨田バージョンはあくまでも「荷風」が主役。どこまでも荷風が主役。そういう意味では「荷風になりたい」チックでいい。


墨田ユキさんは沢尻えりかさんによく似てます。もっと女優続ければよかったのにね。相も変わらずつまらんメディアが潰してしまいましたな。

 墨田ユキという女優名は「墨東のユキ」という意味なんでしょうな。

 墨東。かつての玉ノ井。いまの東向島あたりかな。

 『濹東綺譚』は朝日新聞の連載なんだよね。舞台となった玉ノ井にしても荷風が住んでいた偏奇館にしても、3月10日の東京大空襲ですべて消え失せました。荷風曰く、「万巻の書も焼き尽くされた」。

 「ぬけられます」で知られる玉ノ井は私娼街。荷風が歩いた麻布、銀座、三田、浅草、玉の井・・・。新藤兼人監督は原作に忠実ですけど、偏奇館のロケ地は鎌倉じゃないかなあ。御成町のあの屋敷じゃないか、と思うんだよね。



 好きなように生きた男。荷風のような男が生きられたんですから、日本は戦前も戦中も自由なお国柄だったんですよ。

 ああ、荷風になりたい。 


 今日の「通勤快読」でご紹介する本は「なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ 後編」(高橋洋一著・1,512円・KADOKAWA)です。