2018年09月30日節約と無駄遣い。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 かつて、日本経済が不況に落ち込んでいた時、松下幸之助さんはわざと高級車を買い込んだことがあります。
 「不況だから節約する、の一点張りでは経済は上向かない。こういうときこそ消費を積極的にせなあかん」

 昭和5(1930)年のことですね。政府は大蔵省の要望通りに緊縮政策を徹底していました。パナソニックは順風満帆。自動車の営業マンがセールスに来たわけです。

 「不況で車が売れません。助けると思って1台買っていただけないでしょうか?」

 当時のパナは町工場ですよ。幸之助さんはマイカーはもちろん社用車も持ってません。大阪広しといえども自動車を所有してる処はめったにありません。
 「身分不相応では」と幸之助さん自身も思ったようです。贅沢は敵だ、という時代ですからね。
 しかし考え直します。「経済を発展させるには生産と消費を同時に高めなければいけない。買える者が買ってこそ消費が喚起されて生産も高まり、結果、繁栄につながるのではなかろうか」
 「自動車を買ってほしいといってきているのは世間の要請ではないか」



 錦の御旗を掲げた時の幸之助さんほど強い人はいませんよ。石橋を叩いても渡らないほど慎重な人が、百万人といえどもわれゆかん、に変わります。
 
 その場で購入を決めちゃいます。当時の値段で1万5000円のスチュードベーカーを5800円に負けてくれました。商売上手は買い上手。お買い得でした。

 節約は美徳。たしかにそうです。しかし、1884兆円も抱え込んだ国民が節約に節約を重ね、450兆円の現金+利益剰余金を抱え込んだ企業がこれまた節約に節約を重ねる。

 結果、デフレから抜け出せない。



 雨の日のデパートでは濡れた傘を入れるビニールを用意してる店がたくさんありますね。この時、もったいないよ、捨てられてるビニールを使い回そう、とするお客さんもいます。

 ホテルでも、歯ブラシ、シャンプー、ヘアブラシ、コーヒー等が置かれてたりしますけど、「もったいない」と使わないお客さんもいます。

 私? ぜーんぶ使います。ヘアブラシも電動歯ブラシも持参してますけど、あえて使います。なぜか? 納入業者にしてみればたくさん消費してもらえばたくさん納入できるわけです。ホテルはコストがかかってしょうがないけどね。インバウンド効果でどこのホテルも満室ですよ。

 ここは消費を喚起しなくちゃ。