2019年02月21日背中の人

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 最近、とんと記憶力が悪くなった。ほんの少し前まで、「オレって記憶の達人なんかな」と自惚れてたんすよ。

 つうのも、学生時代、体育の授業で週90分だけクラスが一緒。学部も違えば口すらきいたことがない。それから7年後、たまたま知人の独立発起パーティで名刺交換。

 もち、私の記憶には残ってたんで・・・。

 「1年でサッカーとってたでしょ? 文学部でしたよね?」
 「・・・そうですけど」
 「気にしないでください。人の顔と名前覚えるの得意なんで。たしか・・・」

 名前もズバリ。驚いてましたね。当時、世界文化社に勤務(たしか法政大学のそばだったんじゃないかな)。これが縁で主宰するキーマンネットワークという勉強会にも参加してくれました。

 「お坊さんみたいだね。雰囲気が」
 ある時、それとなく聞いたのね。
 「えっ! どうしてわかるんですか?」

 奥さんの実家が都内で有名なお寺さんらしく、跡取りになるべく通信教育で僧職資格をとるため猛勉強中だったとか。

 見えるモノは見えちゃうのよ。霊能者とはちがうけど。

 自慢してたこの記憶力がドカンドカンと大暴落。うーん、困りました。

 この前も、すれ違いましてね。顔はしっかり覚えてるけど、名前が出てこない。向こうは知ってるぞ、と自信満々。こういうのがいちばん困るわけですよ。

 愛想笑いでごまかして「どちら様でしたっけ」と正直に聞くしかない。記憶力が落ちるとこうなります。

 「バカ! おまえのオヤジだ!」

 落語の「粗忽長屋」のまくらですよ、これじゃ。

 さて、ここからが本題。。。

 銀座とか青山を歩いてると知人友人に会うことがホントに多い。経営者から芸能人までいろいろ(原原メンバーに会わないのは隠れてるからかなあ)。 

 「こんにちは。中島さん」

 ん? こんにちは、と言いたいけど、あまりの美形に声が出るまで少し時間がかかったと思う。気取られまいと焦る気持ちを抑えて、「久しぶりですね」と応えるとこれが失敗。

 「昨日、お会いしましたよ」

 う〜ん、記憶にない。飲み過ぎかなあ。どこで飲んだんだろ? いや、そうじゃなくて、どこで会ったんだろ? クラブ活動には縁がないしぃ。

 それにしても美人。CMモデル? 記憶にない。

 困った。ほんの数十秒。1分もない。ほとんどすれ違っただけでした。

 「今度は3カ月後ですからね。時間変更はダメですよ。昨日は認めましたけど」

 ああ、そういうこと? 行きつけの歯科医院(日本指折りの名医)のサブ先生だ。わかんないよー。こちらはすっぴんさらしてるけど、つうか、バカみたいに大口開けてるわけで。椅子に腰掛けてからサブ先生は現れますし、いつも背中越しの会話だもんね。顔なんてほとんど見たことないもん。

 声でわかりましたよ。

 主治医は治療の時だけマスク。この先生はいつもマスク。とればいいのに超美人なんだからさー。
 あ、そっか。ストーカーされちゃうな。指名がたくさん入っちゃって混乱するね。

 受付からして美人揃いなんすけど。へえ、サブ先生もこんなに美人だったんだ・・・背中の人よ、待ってておくれーー。