2019年07月14日「三国志」

カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」

 全作品撮影OKなのがいいっすね。いつものトーハク。先週火曜から『三国志』なんですよ。

 大好きなのが諸葛亮孔明。ファンの方多いと思いますけど。「赤壁の戦い」「一夜で十万本の矢を得る法」もいいですけど、やはり、「孟獲を七度解放する」「泣いて馬謖を斬る」「死せる孔明、生ける仲達を走らす」がサイコーですね。『三国志演義』ですけどね。


上野の東京国立博物館でやってまんねん。


 とくに「孟獲を七度捕縛しては七度解放する」なんてのは「心をつかむ=人望=徳」を考えるときに大切です。



 一夜で弓10万本をゲット! 天井に弓がずらり。演出がなかなかいいですよ、今回は。



 2世紀末、漢王朝の権威がかげりをみせます。各地の有力武将が歴史の表舞台へと躍り出ます。

 魏、蜀、呉。孔明は天下三分の計でバランスをとり、それぞれが生き抜く道を提案しますけどね。







 河南省の曹操高陵(墓)が発見されましたよね。等身大で鑑賞できます。出土品もいろいろ。



 曹操は将の器ですよね。遺言が見事。将たるもの、自分の亡き後のことも心配りする。いのは戦争中なのだ、という意識。



 三顧の礼で迎えられた孔明が使えた劉備玄徳は先に亡くなり、 孔明の死後30年も蜀は続きますが、曹操の魏に滅ぼされてしまいます。しかし、中国を統一したのは魏ではなく、仲達の子孫が拓いた晋でした。
 
 魏のような政治は続かない・・・孔明の予言ですよ。

 そうそう、事態が悪化するのに当事者意識ゼロ。ミスったら責任転嫁。被害者意識で凝り固まってる人物が「宰相」になどなったら国民は地獄を味わいますよ。「兵は拙速を尊ぶ」ものです。

 「将師、勇ならざれば将なきに同じ」

 やるべきときに、やるべきことを、やるべき方法で、断行する。それができるのはリーダーだけです。右顧左眄し、なにも決断できず、いたずらに事態を放任するようでは、国を滅ぼします。こんなリーダーは排除しなければいけません。

 天子は天命によってその地位を与えられて天下を治めるもので、もし天命に背くならば,天はその地位は奪われます。易姓革命の所以ですね。

 だれとはいいませんけどね。