2019年08月06日優良有料サイト連載記事「夢と勇気とサムマネー」

カテゴリー中島孝志のとってもいい加減な市場観測日記」

 ダウ急落ですね。といっても、トランプの仕掛け通り。ただでさえ夏枯れの時にこんな発言するからですよ。トランプ発言には元安で対処する、つうわけですな。

 二重の裏切り。トランプ激怒。

 8月場所は大喧嘩ですな。どれだけダウか落ちようがFRBの責任にしちゃうからいい気なもんです。

 というわけで、私が連載(月曜日更新)してるサイトの昨日の記事を転載させて頂きます。

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 FOMC(7/30・7/31)は大方の予想通り、0.25%幅の利下げとなりました。経済学のルールではドル安円高となるところ、ドル高円安。ダウ平均株価は大幅調整。そして日経平均株価は上昇。



 もちろん、0.50%という期待だけで市場は株価を上げ続けてきましたから、0.25%など織り込み済みというより期待外れ、いや、いますぐ追加利下げをしろ、というFRBへの催促相場でしょう。



 ドル高円安を一変させたのがトランプの一言でした。農作物を買う買うといいながら買わない中国に、「残り3000億ドルにも関税だ!9月1日からだ!」と怒りの発言。



 あっという間に円高ドル安。
 ダウも日経平均株価も大幅下落。ようやく円高。そして金価格高騰。





 このシーンはいままで何回も見てきましたよね。いまや「トランプの法則」といものがあります。すなわち、「トランプ発言で暴落した株価はトランプ発言で取り戻す」というものです。
 ただし、アメリカの株価は自社株買いでつくり上げた「人工相場」です。自社株買いを続けられる条件は「低金利」です。利下げが続けられるかどうか、が株高の絶対条件なのです。来年半ばには利下げの限界から、FRBはQE(量的緩和)実施に追い込まれるでしょう。



 株高がトランプ再選の絶対条件ですから、来年11月まではなんとか株価を持ち上げていくでしょう。もちろん、そのためには、最高値を更新するたびに「株価を暴落させる発言」を行い、市場からFRBに利下げを要求させる、というやり方は今後も続きそうです。



 金価格が1450ドルを超えました。「戦争相場」ですが、米中覇権戦争という新冷戦がすでに始まっています。現代の戦争、とくに核保有国のそれは「情報戦」「インテリジェンス戦争」です。Huaweiをめぐる戦いはまさに「情報戦」「インテリジェンス戦争」にほかありません。

 中国が農作物を買わない限り、9月1日にと関税制裁が始まります。いまのところ、9月に交渉はあるでしょうが、1日には間に合いません。ということは、株価はこれから大きく調整しそうです。

 長引く米中覇権戦争に、最後の3000憶ドルものダイナミックな関税戦争がこれから始まります。金価格はさらに上昇してもおかしくありません。

 来年から振り返ってみると、「19年8-9月(前半)が買い場だったな」となるのでは、というスタンスはいまも変わりません。