2007年01月05日「放送禁止落語大全2」 快楽亭ブラック著 洋泉社 1780円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 これねぇ、昨日のブログで紹介しようと思ってたのね。
 けど、昨日は仕事始め、プログ始めでしたでしょ? いくらなんでもね。
 で、1日ずらさせていただきました。

 ブラック師匠の第2弾! 即、買いましたがな、読みましたがな。掛け値なしに面白い! 今回も傑作! 抱腹絶倒! しかも、CDまで付いてまっせ。
 去年、私のブログでいちばんウケたのが、実は前作「放送禁止落語大全」なんですよ(ぜひ、去年のブログをチェックしてみてください!)。
 あの感動が蘇ってまいります。ハンカチ無しには読めません。

 今回の噺を紹介すっと、「オマン公社」「朝鮮人の恩返し」「聖水番屋」「お血脈」「カラオケ寄席」「マラ無し芳一」「人性劇場」「野ざらし」となっております。

 前回は「いっぱいのかけそば」のパロディ「一発のおま○こ」で感動というか、賞賛というか、顰蹙を買ってしまいましたので、今回、当ブログでは「カラオケ寄席」あたりでお茶を濁そうかなんて考えております。

 「カラオケ寄席」ってのは、客の入らない席亭(ここでは新宿末廣亭なんだけど)の再建策を話し合ってた噺家たち。出るアイデア、出るアイデアがくだらねぇの。
 で、なんとか採用されたのが、この「カラオケ寄席」ってなわけ。

 噺家がカラオケを歌うのか?
 とんでもない。噺家がずらっといる。その中から1人指名するってぇと、お客は替え歌が歌えるわけ。で、その囃子に乗って噺家が登場するってわけさ。

 たとえば、「芝浜」が聞きたいとする。三遊亭白鳥の「千葉浜」じゃなくて、本寸法の噺ね。すると、カラオケがジャーン!
 歌は裕次郎の「錆びたナイフ」です。張り切ってどうぞぉ! 

♪芝浜のぉ 砂を 指で掘ってたらぁ〜
 紐のつぅいた 革のサイフが 出てきたぜ
 どこのどいつが 埋めたかぁ
 明日から 働かなくていい 芝浜の朝だ♪

 「次、円楽師匠、お願いします」
 「歌はなにを?」
 「都はるみの涙の連絡船、お願いします」

♪いつも聞いてぇ〜る 前座さえ〜
 とうに呆れた ネタなぁのぉに
 今夜も藪入り、芝浜、子別れ、浜野矩随
 演ってぇい〜る
 泣けば喜ぶお客が バカね
 円楽さぁんの  泣くぅ高座ぁ♪

 「次は、立川談之助さんの、懐かしのスーパーヒーロー、お願いします」
 「はい、かしこまりました。で、歌は何を?」
 「え〜、一節太郎の浪曲子守歌をお願いします」

♪逃げた女房にゃ未練はないが
 オ○コ欲しがる この子がかわいい
 古典落語は 苦手な俺だが
 バカな男の 早替わりぃ
 ひとつ見せようか 星飛雄馬ぁ〜♪

 こんなのばっか。
 けど、これ、すべて古典落語を下敷きにしたパロディなんだよ。
 たとえば、「聖水番屋」のオリジナルはご存じ「禁酒番屋」。先代の小さん師匠が得意にしてた噺だよね。「オマン公社」は「ぜんざい公社」でしょ? 昔昔亭桃太郎師匠のCDもってるよ。

 いちばん好きなのは「マラ無し芳一」かな。
 これは怖い噺でね、聞いたらトイレに1人でいけなくなっちゃったもんね。気をつけてね。怖いから。
 
 今年は主宰する勉強会で1つ、落語会をシリーズで仕掛けようかと思ってます。知り合いの噺家はたくさんいるからね。協力してくれると思うんだ。
 傑作はたくさんありますよ。同じアホなら聞かなきゃソンソン!
 300円高。