2007年09月04日「いつまでもデブと思うなよ」 岡田斗司夫著 新潮社 735円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 117キロの体重が67キロ。1年で50キロもダイエットしちゃった・・・という実験本です。
 マクドナルド1カ月食べ続けてどうなるか? まっ、ノリとしてはこれに近いかもしれません。

「ワシントンポスト」によると、アメリカでは過去70年間で26000種のダイエット法が開発され、成功者は200人に10人。つまり、5%なわけ。
 成功という基準は「目標体重に達する」ということであって、その後も維持できた人となると200人中1人。すなわち、0.5%なのよ。
 キビシ〜!!

 で、著者は気づいたんだな。

「ダイエットの失敗とは、やせないことではなく、続けられないことにある」 

 当たり前じゃん! そう、当たり前。だけど、「これだ!」と本質をつかんでダイエットに挑戦している人は稀有だと思うよ。ほとんどの場合、「やせなくちゃ」という現象面に引きずられちゃうというか、とらわれちゃうもんね。

 著者も、いままで2回ダイエットに挑戦して、見るも無惨なリバウンドを経験してるのね。
 最初は「にんじん・りんごダイエット」。続いて「低インシュリンダイエット」+「水泳・トレーニング」。一応、成果はあったのよ。20キロも減ったんだから。
 けど、半年過ぎると気力喪失。元々、運動嫌いもあって、「仕事が忙しいんだもんね」という理由をつけてジムを休んじゃう。いつの間にか、食事も元通り・・・リバウンド!

 やっぱ、嫌なダイエットは続かないよなぁ。「ダイエットは愉しい」と思えるものじゃないとダメ。
 悟りました。

 で、彼がやったのは「レコーディング・ダイエット」。
 これはいつも通りの生活をする。好きな物を好きなだけ食べ、運動もしなくていい。そのかわり、1日に食べたものを克明にノートする。
 つまり、記録に残す=レコーディング、というわけね。

 記録に残すのは第1段階で、これができたら、次は食べたもの、飲んだもののカロリーをこれまた記録するわけ。
 するとどうなるか? 自然と食い過ぎ、飲み過ぎを控えるようになったのか、体重がぐんぐん減りだした。彼の場合、5カ月で10キロ落ちた。
 まっ、117キロだから周囲からは気づかれないと思うけどさ。
 でも、何もしないで10キロ落ちた! これが大きい。意識の力って大きいんだよね。

 ダイエットには強い意志の力が必要で・・・なんて思ってる人は続きません。
 なんか辛いよね。そもそもそんだけ意志の力があったら、最初からデブにはなっていないって。デブは意思が弱いからデブなんであって、だから、アメリカじゃ、デブは管理職失格と烙印を押されちゃうわけでしょ?

 なんか、デブいじめしてる? ごめん。

 さて、ここまで来たら、次は頭を使う番ね。つまり、低カロリーで美味しく食べられるメニューを、いかにたくさん手駒として持つか。ここが勝負の分かれ目なんだよ。
 軽い運動を取り入れるなんてのは、体重が落ちて軽い身体になってからやればいいの! ダイエット中は運動するな!

 とんでもないデブにとっては朗報かも。「スリムな体型を維持するためのダイエット法ではありません」って、著者も先にことわってます。

 私も2カ月で20キロのダイエットをしたことがあんだけどさ。当時を知る知人からは、「病的だった」「いまのほうがいい」だって。
 まっ、ハマの柴田恭兵よりもハマの舘ひろしがいいということか・・・(「危ない刑事」に入れてくれ!)

 私の場合はウォーキングと呼吸法がいちばん役に立ったと思うね。食事は少しだけ減らした。けど、その分、お酒の量が増えた。
 いつでも10キロくらいやせられる。人間風船。これが太るいちばんの原因なのよねぇ。280円高。