2007年11月26日京都議定書ってなんだろう?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 近頃、世間を賑わすもの。サブプライム問題と京都議定書。後者は97年12月に京都で開催されたヤツね。
 Co2など6種類の温室効果ガスの排出削減義務を決めた議定書のこと。日本は対90年6%の削減義務。まっ、無理なんだけど。そこでハンガリーから「排出枠」を買うのだとか。
 これじゃ、まるでサブプライム問題と同じ証券化じゃない?

 排出削減のオペレーションには「京都メカニズム」と呼ばれるものがあるわけね。「共同実施」「クリーン開発メカニズム」「排出量取引」「吸収源活動」という4つ。
?共同実施てえのは、先進国の共同プロジェクトによる削減量を取引するもの。
?クリーン開発メカニズムは「先進国+途上国」の共同プロジェクト。後進国を指導した結果、得られた削減量を先進国のほうに移転するもの。
?排出量取引とは、今回、日本がハンガリーに交渉する方式ですな。先進国間で排出枠を売買するものだよ。
?吸収源活動は植林とかでCo2を吸収するもの。
 まっ、いろいろあるんです。

 発展途上国からしてみれば、「あんたらが勝手に増やしといて、おまえらもいまから同じように削減しろと言われても、それは少々無理なんちゃう?」てな感じ。だから、京都議定書では途上国の数値目標はなかったの。
 でも、エネルギー効率を上げること。つまり、森林育成とかでCo2吸収は義務づけられたわけですな。

 けどさ、いま、世界でいちばんCo2を排出してる国はどこよ? 中国とインドでしょ。
 この大国には削減義務がなくて、既に世界の省エネ先進国である日本が、さらに6%の削減をしろというのは、少々厳しいですな。

 日本は74年、78年と2回のオイルショックのおかげで、世界でいちばんエネルギー効率のいい国に変わっちゃった。
 74年の石油ショックなんて、中東戦争のおかげでOPECの湾岸6カ国は原油を21%も上げたのよ。で、3カ月後には2倍に引き上げたんだよね。ニクソンショック(ドルショック)からようやく立ち直りかけてた景気を直撃。インフレが急加速しちゃった。買占め騒動もあったけど、エスカレータ中止、ネオン消灯や深夜放送休止とかで乗り切るわけよ。
 で、第2次オイルショック(イラン革命で石油生産中断)ではほとんど影響を被らなかったのね。

 日本のGDP(国内総生産)の中で原油輸入が占める割合ってのは、74年4.10%、79年3.33%から05年1.76%にまで低下してんのね。おかげで、いま、エネルギー効率では、日本はアメリカの2倍、韓国の3倍、中国の8.7倍、インドの9,2倍、ロシアの18倍なのよ。

 元もと、日本て鉄道中心でしょ。横浜−東京間なんて車なら3時間(昼間)。電車なら30分。
 明治時代から鉄道インフラを充実させてきたもんね。ダイヤもめちゃ正確。1分の狂いもない。「点と線」という小説が成立するのも日本だからだよ。インドなんて、私ゃ何回も行ってるけど、定刻に来たら奇跡だよ。
 この前、時間ぴったりに来たんでびっくり。
「凄いねぇ、インドも」
「ちょうど24時間遅れです」

 京都議定書で日本は自分で自分のクビを絞めてるようだけど、これでますます日本は強くなります。ダントツの省エネ国家=環境最適応国家になりますよ。

「中島孝志の毒書倶楽部」、ただいまメンバー募集中!