2008年09月04日オバマは大統領になれない!?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 さて、小沢さんに煮え湯を飲まされ続けた福田総理ですけど、最後の最後に「仕返し」ができましたね。自民党総裁指名は22日。民主党代表指名は前日。これで無風選挙の民主党代表指名は盛り上がりに欠け、自民党ばかりがスポットライトを浴びることになりそうですな。

 福田さんは「自民党のため」に政権を放り出しましたが、これも信念あってのことでしょう。2代目には2代目にしかわからない信念というものがあります。安部さんしかり、麻生さんしかり、小沢さんしかり。おっと、麻生さんは3代目か。

 2代目、3代目のいいところは、初代と違ってしがみつかないところかな。地位に恋々としない。なぜって、苦労して得た地位じゃないもの。「織田がつき羽柴がこねし天下餅、座ったままで喰らう徳川」という狂歌がありますけど、徳川以上に楽して得た餅だもんね。
 めんどくさくなったら、すぐ放り出しますよ。小沢さんだって、自民党を飛び出し、あれやこれやといろんな党を作っては破壊してきましたよね。初代でこれだけできればたいしたモノだけど、やはり、2代目、3代目に共通するDNAは隠せませんな。

 さてさて、結論です。残念ながら、オバマは大統領にはなれません。なんて、この段階で言い切っちゃっていいのかね。
 でも、なれないものはなれない。

 メインの理由は、民主党が分裂してるから。小沢さんの民主党じゃありませんよ。アメリカの民主党ね。


ねじれ現象をどこまで解けるかで決まるわな。

 民主党には、ヒラリー党とオバマ党の2派があるわけ。11月の大統領選挙でオバマがいちばん困る事態は、ヒラリーが第3の候補として立つことだったでしょうね。

 でも、ヒラリーさん、負けるとはさらさら思っていなかった候補指名選挙に負けて多額の借金を作っちゃった。オバマも彼女に献金したように、たぶん応援、いや少なくとも邪魔しないことを条件に党で借金を肩代わりする云々という話はついてたんでしょうな。
 まっ、これが足枷となって彼女は立候補できない。かつて「鷲の翼」のロス・ペローが第3の候補として立候補したことあったけどね。

 だけど、ヒラリー党の党員は別。いまだにヒラリーに投票したいと考えてるわけ。


「1期4年」というのが勝因かもよ。

 共和党のマケインは「1期4年しかやらない」と常々明言してます。72歳だからね。長くやればいいってもんじゃない。この4年間にイラク、イラン、北朝鮮、それに中国。ついでにロシアとの関係も、レーガン、ケネディ以上にハードな政治力を行使して臨むはず。彼は日米関係をより強固なモノにしようというのが若い頃からの持論だかんね。

 さて、そこでだ。1期4年しかやらないマケインと、当選したらよっぽどのことがない限り8年はやるオバマと、いったいどちらの候補をヒラリー党は選ぶと思う?
 8年経ったら、ヒラリーはいくつ? 68歳だよ。高須クリニックに通っても無理でしょうな。

 64歳なら? ビル・クリントンのネットワークも使えるし、なによりも負けたオバマにリベンジの芽はない。「ヒラリーじゃないと勝てない」というキャンペーンが吹くからね。

 オバマもこのことはわかってるはず。だから死に物狂いで戦うと思う。ホントはヒラリーを副大統領にすれば良かったんだけど、自分の失脚を狙ってる刺客をそばに置いときたくはないわなあ。

 ヒラリー党にとっては、マケイン勝利=オバマ敗北ならば○。オバマ勝利=マケイン敗北ならば△か。「めでたさも 中くらいなり おらが春(秋だけど)」てなとこ。
 いずれにしても、この「ねじれ現象」が大統領選を最後までもつれさせる主因になります。

 そうなの。「ねじれ現象」は日本政治だけに見られることではなくて、アメリカの民主党もそうだったのよ。
 というわけで、オバマは大統領にはなれません。