2009年04月01日若さに贈る

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 4月1日。卒業シーズンも終わり、入社、入学、進級(留年)シーズンに突入しました。
 そういえば、電車の中で男女問わず、やけに紺色のスーツ姿にばかりお目にかかりますな。

 で、今回はそんな新人たち向けにひと言。

 大変な時代です。リーマンショック以降、その大変さは皆さんがいちばん肌身にしみて感じていたはず。
 私の頃もそこそこ厳しかったとはいえ、皆さん方ほど激烈なシューカツではなかったと思います。少子化とは言っても、門戸が狭いのですから競争は苛烈になるに決まっていますよね。もちろん、来年度の新人は皆さんよりさらに厳しくなるでしょう。

 ですから、社長も上司も先輩も「よく入社できたな」という驚きの念で皆さん方を迎えています。
 と同時に、「この厳しい時代によくまあ使い物にならない新人をこんなに採用したもんだ」と半ば呆れている人も少なくありません。というか、こちらの感想のほうが多いのではないでしょうか。

 さて、ビジネスパースンの先輩の1人として、皆さん方にスタートダッシュを切るための秘訣を3つだけご紹介しておきたいと思います。

 まず1つめは、徹底的に勉強好きであれということです。

 具体的に言うと、たとえば、「○○さんの本は面白いな」と先輩がチラッと話したとします。そしたら、その本をネットで書店で購入して勉強して欲しいのです。「クラウド・コンピューティング」という言葉が会議で出た。あなたは知らない。そしたら、ネットで調べるだけでなく、さらに突っ込んで入門書でいいから読んで欲しいのです。新聞やテレビ、雑誌を眺めているときも同じです。
 わからない言葉や重要な話が出てきたら、即、調べる、勉強するという習慣づけをしてほしいのです。

2つめは、とりあえずすぐにやる習慣をつけてほしいのです。
 待たせない、待たない。すぐに動く。すぐに聞く。すぐに調べる。すぐに集める。間髪を入れず、とにかくすぐに行動するのです。

 これから先輩に連れられていろんな会社を訪問するかもしれません。名刺交換した相手にすぐ礼状を書いて欲しいのです。いま忙しいからあとにしようではなく、5分以内に完了させることを義務づけて欲しいのです。
 打てば響く。考えながら動く「考動の人」であって欲しいのです。

 3つ目は、自分を励まし続けて欲しいのです。
 他人を励ますのはそんなに難しいことではありません。難しいのは、心が折れそうなときに「まだ大丈夫」「まだまだいける」と踏ん張る力なのです。自分を励まし続けることはなかなかできるものではありません。

 この3つのことを、騙されたと思って1カ月だけ続けてください。できれば、1年続けてください。

「大きなことを成し遂げるために 力を与えてほしいと神に求めたのに 謙虚さを学ぶようにと弱さを授かった。
 より偉大なことができるようにと健康を求めたのに より良きことができるようにと病弱な体を与えられた。
 幸せになろうとして富を求めたのに 賢明であるようにと貧困を授かった。
 世の人々の称讃を得ようとして権力を求めたのに 得意にならないようにと失敗を授かった。
 求めたものはひとつとして与えられなかったが 願いはすべて聞き届けられていた。
 言葉に表されていない祈りが叶えられていたのだ。
 ああ、私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されていたのだ。」

 これはニューヨーク大学病院リハビリセンターの壁に掛けてある、通称、「ある患者の詩」です。実はセントルイス市イエズス会修道院のJ・ロジャー・ルーシー神父の作です。
 覚悟と感謝と一途な愚直さを貫いてください。もし30歳まで3つのことを続けられたら、あなたがどんなに要領が悪くて損ばかりして周囲からなかなか認められない人であっても、30歳からは隠しようもないほど実力が溢れ出てくるはずです。
 なぜなら、仕事の現場でいちばん大切な「地頭(じあたま)の良さ」はこの3つが素になっているからです。

 「自信」という言葉があります。「自分を信頼すること」「自分の力を信じること」と考える人が少なくありませんが、自信とはそんな弱いものではありません。
 自分自身を信仰すること。これが自信です。自分の未来を信仰する。これがエネルギーの根源です。
 門出にひと言。エイプリルフールのプレゼントです。