2012年01月26日アメリカのイラン原油輸入削減命令にひと言

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 ま、今日のニュースは「錦織選手」一色でしょうな。まさに快挙ですもんね。

 ま、それはおいといて。。。

 さてさて、世界のジャイアン、エリカ様ならぬアメリカ様がまたまたごり押しでございます。「イラン産原油輸入の削減」だとか(不思議なことに、来日したガイトナー財務長官には経産大臣ではなく財務大臣が報告していましたね)。

 イラン原油をめぐっては、イランとの交渉よりもアメリカの横やりのおかげで日本はいままで何回も煮え湯を飲まされてきています。

 現在、日本はイランから年間必要量の1割もの原油を輸入してるわけ。イラン原油は過去5年間で4割も削減してきてるんです。今後も削減されていくでしょう。脱原油ですから。

 困ったことに、日本はイランから原油を買ってるだけでなくて、99年に発見されたアザデガン油田開発を手がけてるわけ。

 これは推定埋蔵260億バレル。資源のない日本としては絶対に実現したいプロジェクト。

 けどね。。。やっぱ、石油業界(悪名高いメジャー)の指示を受けて、ブッシュもオバマも日本政府に横やりを入れてきました。イランの核疑惑なんて、この契約をぶちこわすために利用できるぞなもし、とアメリカはほくそ笑んでたでしょうなあ。

 もし油田開発に成功でもされたら、メジャーから日本への原油輸出が減ってまうやんかあ。減った売上はそっくりイランに入るやんかあ。その資金で核をさらに開発されるやんかあ。。。紀香様でなくともわかりますわな。

 アメリカとしては、この契約は絶対にぶちこわしたい。

 さすがに100年に1度のビッグプロジェクトだかんね。政府はのらりくらりと交わして契約調印までなんとかこぎ着けた。けど、アメリカ政府の別働隊IAEAがイランに警告を発した瞬間。勝負あったでおます。

 もし日本がアメリカの命令に従って契約を中止してたら、フランスが契約したでしょうな。そのフランスもイラン制裁に同調したんで、結局、漁夫の利を得るのは。。。やっぱ中国。

「そんなこというならホルムズ海峡を封鎖しまっせ。レインボーブリッジの封鎖とはちゃいまっせ」とイランも尻をまくってます。で、ニューヨークの原油相場はバレル100ドル突破。メジャーはホクホク。儲かりまっせ。原油は。トラブルがあるとねえ(自作自演ちゃうか)。

 中国はアメリカの行動には与しません。日本と韓国、ヨーロッパが買えない原油はそっくり中国が引き取りまんねん。どさくさ紛れにイランと直接契約。代金決済も人民元のスワップ取引だとか。

 中国という国はどこまでもしぶといでんなあ。見習わないとあかんな。

 ま、イラン制裁問題はアメリカの思うとおりには進みませんよ。でも、日本政府はどこまでもアメリカに従うんだろうね。ま、高い相場では買わず、安くなってから第3者取引でどこぞにプールしといたらええねんけど。。。政官はアホやから、商社に頑張ってもらわなあかんな。


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