2008年02月03日「指の値段」 渡辺淳一著 新潮社 460円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 外は雪。夜からずっと雪でしたね。2月だもの、雪が降ってもおかしくありません。
 受験生は大変ですな。頑張ってね。

 春の雪。日本海側の日本人はうんざりだろうね。しかも北日本なら厳しくて厳しくて、「地球温暖化なんてウッソー」という気持ちでしょうな。

 「雪が降り積もると、深夜、みしみしと床柱が軋むような音がすることで、こうなると屋根の雪下ろしを急がねばならない」
 「『北の零年』で吉永小百合さんが、吹雪の中を子ども連れて歩くが、北海道に生きた人ならあんな無謀なことはしない」

 これ、著者のご意見。
 さて、タイトルは「指の値段」。指の値段? 怖ろしいこと想像してしまいますな。

 けど、これ、保険の話です。5本指の中でも、保険では1本1本、値段が違うんですね。
 いちばん高いのは・・・親指。これ、自賠責保険金額では9級。つまり、1本失うと616万円なのね。人差し指は461万円。中指、薬指は331万円。で、小指は139万円。
 で、これは1936年に決められたこと。つまり、戦前ですよ。

 たしかに、人差し指に損傷があると、銃の引き金が引けないからね。不合格になっましたよね。
 
 けど、どうかなぁ。人差し指と中指、薬指なんかどれも同じじゃない?
 で、厚労省は災害医学会から指摘を受け、こまたび、これら3本はいずれも11級となったわけ。小指は1階級特進で12級。

 ホントにこれでいいのかね。やくざのみなさんは小指がなくなると、力が入らないらしいよ。
 たとえば、ゴルフ、バット、ドス、ヤッパ、ハジキ・・・どんどん物騒になってくるんでこの辺でやめとくけど、どれも力が入らない。
 だから、以前のような「仕事」はできないわけよ。

 最近、そこら辺の事情がわかってるみたいで、むやみやたらに指は詰めちゃいかんらしいね。いやいや、聞いた話。

 さて、これ、私が大好きな渡辺淳一さんのエッセイ。「週刊新潮」に連載されてるヤツね。さすがに、この人の文章は読ませます。280円高。