2008年02月12日「イジ女」 春口裕子著 双葉社 1680円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 2日でインフルエンザを退治。気合いというのは凄いものですな。
 けど、大事を取って今週は夕刻からの約束はすべてキャンセル。
 夕刻からの約束? そう、飲み会。今日も明日も明後日も・・打ち合わせ兼飲み会があったのよ。

 打ち合わせにアルコールはいらんでしょ? 昼間しろ、昼間。夜は早く寝なさい。歯磨いたか? 風呂入ったか?(昔、カトちゃんの問いかけに、いちいち、「うるせぇ」「余計なお世話だ」と答えてた小学生がいました。はい、私のことです)。

 インフルエンザのおかげで、怖ろしく早寝早起きできちゃいました。朝4時起きどころじゃありません。朝2時起きです。だって、夕方5時過ぎのニュースが始まる頃にはぐーぴーぐーぴー。薬が効いてるんだろうね。

 けど、これ、たかだか土日月の3日間だけのことなのよ。でも、どうも身体がすっかり馴染んじゃって、安藤優子さんの顔を見ると眠たくなっちゃう。
 そのうち、この人の写真見ただけで眠たくなるだろうなぁ。

 さて、高熱にもめげず、面白くてついつい読んじゃった本がこれ(「読む暇あったら原稿書け!」とお怒りの出版社が3社ほどあるのは知ってます。ごめんね)。

 春口裕子さん。この名前、よ〜く覚えておこう。きっとそのうち出てくる。メジャーになります。

 「こういう女いるよ。ねっねっ?」というケースが8つ。どれも面白い。どれもドラマに使える。
 この人、脚本書いたらヒットするだろうなぁ。

 最近、ドラマの脚本まともなの少ないから、プロデューサー諸君、この人に書いてもらったら?
 野島伸司さんもびっくり、北川悦吏子さんもどっきり、内舘牧子さんもうっちゃりみたいな脚本書くんでないかい?(なんで北海道弁なんだ?)

 ネタバレしちゃうと悪いんだけど、1個だけ勘弁。どれにしようかなっと。
 よし、これだっ。「あんぽんたん」

 どこの会社にもいるよね。コネ入社。建設会社なんか市会議員、県会議員などの子弟がとっても多いみたいですよ。まっ、人質なんだろうね。
 女性のコネ入社は、たいてい秘書室あたりに配属されるわけ。
 
 ここもそう。けど、仕事ができないの。で、人のいいヤツに任せちゃう。そういう点はちゃっかり屋。凡ミスなんて反省しない。周囲の空気は読まない。究極のKY・・・「あんぽんたん」もそんな1人。

 で、結婚式になるんだけど、同僚が嫌がらせで2人続けてドタキャン。慌てふためいたあんぽんたんは、招待しなかった秘書室の2人に急遽召集をかけるわけ。
 式当日、会場に行くと名前すらないんだなぁ。このあんぽんたん、会場側に連絡しないんだもの。あるわけない。で、ドタキャンした2人の名前が明記されてるわけ。
 
 あんぽんたんにとっては、周囲の人間は自分を祝福するためにあるんであって、その人たちの事情なんてものには無頓着なのよ。
 究極のジコチュー? そう。

 こういう女、います。たしかにいます。で、こういうジコチューにかぎって、周囲にお節介なくらい面倒見のいい人がまたいるんだわ。「そこまですることないよ」と周囲から言われるほど人のいい人間がいつもバカを見ちゃう。

 このあんぽんたん。披露宴の最中、とんでもない事件に巻き込まれちゃいます。
 だれが? いったいどんな目的で? なぜ?

 どの章も女性の深層心理があざといくらいきっちり描かれてます。怖いなあ、女って。この小説読んでると、私ゃ男で良かったわ。
 女の世界はストレスが多すぎるわい。また、熱出てきそうだよ。280円高。