2007年05月03日「特待生制度」にもう1度もの申す!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 高校野球の特待生制度について、巷間、ごちゃごちゃ話題になっております。
 で、4/18付けの小生のブログ(「西武ライオンズの栄養費支給問題」について)をもう1度、ご紹介しておきたいと思います。

「出るわ、出るわ、西武に横浜。これからも続くんじゃないかな。
 いやね、プロ野球球団から、アマへの金銭提供問題ですよ。
 某大手新聞の記者と会ったら、横浜の場合は告発のFAXがマスコミ各社に届いたそうです。つまり、自浄作用ではなく、西武と同じく、マスコミにすっぱ抜かれる、逃げられない、ならば、自ら発表しようとしたまでなのね。
 隠しおおせるようなら、隠しますよね。

 さて、専大北上高校野球部は硬式野球部解散を決めましたね。ここ、甲子園に5回も出場してる名門よ。
 この決断を見て、プロ野球界はどう判断し、どう行動するんだろうね。あのコミッショナー代行でどこまでできるか甚だ不安ですけどね。選手会もオーナーサイドを突き上げて、なんとか打開策をまとめてもらいたいね。
 この際、広くアイデアを公募したらどうだろね? 賞金出してもいいんじゃないかな?

 栄養費名目でプロからアマへ、という金銭提供問題。これに似てる制度として、「これは!」という選手を高校にスカウトする「特待生制度」がアマ側ではあります。
 「地元の選手なんて1人もいませんよ」ってよく聞くよね。
 今後、アマ野球界では「特待生制度」を廃止する動きが出てくるんじゃないかなぁ(ほら、言ったとおりでしょ!)。

 特待生制度はなにも甲子園を目指す高校生だけの話ではありません。
 スポーツ枠って、高校、大学では必ずあるもの。たとえば、サッカーやバレー、水泳、ラグビー、バスケットボール、柔道だってあるでしょ?

 特待生制度って、悪いことなのかなぁ? スポーツで学校を全国的に宣伝できれば学校の名誉にもなるのよ。
 「あの学校、頭はバカだけど野球(ほかのスポーツも可)は強いんだよね」
 こんな学校、たくさんありますよ。有名プロ球団を引退した某選手なんて、九九ができないことで有名だもんね。学校が有名になると受験生が増える。受験生が増えると競争率が高まる。すると、偏差値がどん底から少し上がる。2年目、3年目と少しずつ少しずつ上がる。気づいてみたら、そこそこ進学校になってたりするわけね。

 きっかけはスポーツで有名になったこと。近所の私立高校でもこんな例はたくさんあります。

 生徒たちだって、野球部の連中が勉強せずに1日中野球やってるのわかってるわけ。でも、母校のために活躍してくれれば嬉しいわけ。まして、貧しい家庭で勉強もできない子どもが野球1つで高校、大学、プロへと進むことができたらいいじゃないですか? 

 特待生制度廃止で進路がふさがれたら、可哀想なのは子どもだと思うんだよね。フィギュアスケートの場合は、家庭が裕福でないと個人的にコーチなど付けられないから特待生制度など関係ないかもしれないけどさ。

 特待生っていうと、スポーツだけじゃなくて、中途半端な進学校にもあるよね。もち、これは偏差値の高い生徒が欲しいわけ。東大合格者数を引き上げるため、高校や予備校、塾による「栄養費提供」というわけね。これ、どこがどうちがうのかね?
 「授業料免除、図書費支給」という名目で、昔、私ももらってたけど、これ、構造は同じでしょ。育英会制度、奨学金制度等々もすべて構造は同じ。

 プロ野球の栄養費提供事件と、どこがどうちがうとかというと、「透明性」なのね。

 透明ということは、機会と競争が平等で、なおかつ、結果と処遇が公平なのよ。プロ野球のスカウトは、秘密主義でグレーかブラックでしょ。透明とはほど遠い。透明なのはドラフト会議だけなんだよね。

 アマの場合、あの洋七師匠も名門広島広陵高校野球部に特待生で入学してるんだからね。九州で2人しかいないんだから。これ、入学時にみな知ってるわけ。透明なのよ。

 いったいプロ野球界の裏金問題の真因がどこにあるかというと、結論は、プロとアマとの実力差がそんなにないからなのよ。実は、これがいちばん問題なの。なぜか? メジャーリーグ、見たら一目瞭然じゃない。

 アマでどんなに優秀だったとしても、いきなりメジャーに抜擢される選手が何人いると思う? ほとんどいないでしょ。歴代の名選手をカウントしても数人ですよ。
 一方、日本のプロ野球はほとんど即戦力なのよ。だから契約金にしたって、入団時がいちばん高かったという選手が山ほどいるわけね。
 つまり、層の薄さがいちばんの問題なのね。で、これからは緩和されるか? とんでもない、野球の人気はどんどん落ちてますよ。そのうち、球団数も減るし、選手も減るよ。
 「昔は野球やってると、栄養費がもらえたんだよ」という時代が来るんじゃないかな。」

 ここまで4/18付けのブログでは書きました。

 さて・・・私がいちばん懸念するのは、小泉・竹中コンビの政策によって格差社会になってしまって、勝ち組はいいけど、負け組で子弟を高校に上げられない家庭がやはりあると思うんですよね。
 「野球が頼り」という子どもたちは少なくないと思う。こんな子どもたちに進学のチャンスを奪わないでもらいたいわけよ。

 昔のように、優秀な子どもを郷里の資産家が書生として面倒見・・・、なんて時代じゃないでしょ。

 20年くらい前に、テレ朝で「タケシのスポーツ大将」という番組あったのね。これ見てて、短距離でも走り高跳びでも、「あれ、この人、凄いな」という人が多かったのね。 

 どうして、この素質を活かさなかったんだろう。オリンピックも夢じゃないのに・・・と感じたの。
 けど、彼らは一様にヤンキーなのよ。ヤンキーってのは、中卒が多いじゃん。中学だってクラブ活動なんてやんないんだよね。で、卒業と一緒に暴走族に加わるわけ。あとの人生はだいたい想像がつくわな。

 せっかく天から与えられた素質を宝の持ち腐れにせざるを得ない人間て多いと思うんだ。
 野球が得意なら野球特待生、多いに結構なんじゃないか? バレーでもバスケでもいいじゃん。こいつ東大合格できるぞ、っていう勉強のできる子どもの特待生はあんでしょ。
 これ、すべて一芸だと思うのよ。「一芸特待生」っていいんじゃないの。

 だって、世の中、完璧な人間なんていないんだ。「苦手なことばかり」って落ち込んでる人もたくさんいるわけ。けど、ありがたいことに、たった1つの得意なことでメシが食えるようになってるわけ。
 だから、私だってなんとかメシを食えてるわけ。

 得意なことをどんどん伸ばすチャンスを増やさず、奪ってしまうような判断は大間違い。こういう役人のような判断はしないでもらいたい。
 「人を活かす」という観点から判断しなくちゃね。