2007年08月23日「嘆きの天使」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 マレーネ・デートリッヒのデビュー作ですな。
 私、彼女、大好きですねん。なんちゅうか、ああいう顔が好きなのよね。
 
 美声と美脚で売った女優ですけど、ナチに協力せず、アメリカに渡って成功したという、筋を通す人でもありました。


ほら、とびきりのいい女!

 この映画、暗くてね。なんつっても、1930年の映画でモノクロだからってわけじゃなくて、内容がやりきれないわけね。
 元々の題は「ブルー・エンジェル」。憂鬱な天使ってことか。これ、この安キャバレーの店名なんだけど。

 この場合、この「嘆きの天使」をデートリッヒ演じる安キャバレーのローラ・ローラという踊り子と理解しちちゃうかもしれないけどさ。
 ローラ・ローラを妻に迎えて結局、奈落の底へと落ちていく初老の元高校教授を「嘆きの天使」と理解するのが正解でしょう。

 謹厳実直な独身の男が、手練れの踊り子に熱を上げちゃうわけ。高校を辞めされられちゃったから、踊り子の付き人然として、心の底ではバカにしてる無学の人間のおこぼれで生活するわけね。
 で、彼女と知り合った故郷の舞台「嘆きの天使」に舞い戻ってくるわけさ。
 でもね、満座の中でピエロを演じてプライドをずたずたに傷つけられちゃう。最愛の妻はっていうと、彼がおどけている最中、間男とよろしくやってるわけ。
 これじゃ発狂するのも無理はないよな。
 
 この映画、この初老の男を演じるのはエミール・ヤニングス。第1回アカデミー賞を受賞してる名優ですな。
 で、なかなか決まらなかった相手役のローラ・ローラに抜擢されたのがデートリッヒちゅうわけね。

 たしかに美脚です。ガーター姿を嫌と言うほど、見せつけてます。

 参考までに、美脚という場合、日本人はゴボウ脚を想像するけど、ありゃ外国人、とくにアメリカ人から言わせたら魅力0なんよ。
 アメリカ人て脚にはうるさいからね。どんなにブスな女でも、脚だけは選んでます。彼らの価値観からすっと、ふくら脛にしても太ももにしても筋肉質でなければあかんのだよ。で、足首だけはめちゃ細い。
 つまり、スカートをはいてる時はスラッと見えるけど、タイトスカートではピチピチ。脱がせるとボリュームたっぷりの太ももがドーン・・というのが理想なんだろうね。まっ、ハリウッド女優見てりゃわかるよな。

 うら返して言えば、薄っぺらの体型は「東洋の神秘」と感じられるらしいね。ベトナム、韓国、日本の女性には薄っぺらのイメージがあるみたいですな。
 

「バロン薩摩」の人生はまったく逆だったな。戦前、パリで有名な大金持ち。戦後、一文無しで日本に戻り、浅草の踊り子に恋しちゃう。で、奥さんの実家徳島に移るけど、この女性はバロンに尽すのね。

 「嘆きの天使」は1930年の作品。デートリッヒは29歳。
 で、翌年、制作されたのが空前の大ヒット映画「モロッコ」ですね。外人部隊の兵ジム・ブラウンを演じたのはゲーリー・クーパー。
 これまたヒット映画の「外人部隊」より、こっちのほうが私ゃ好きですな。まっ、あれもいいけど。

 おもしろいのは、この2つの映画、どちらも戦争シーンがないのね。正確に言うと、「モロッコ」では形式的に撃ち合ってるシーンが少しあんだけど、敵は見えないの。

 映画のラストを見るとわかるけど、男は愛する女のこれからを案じるんだけど、女はいまを熱く生きることを選択すんのね。で、裸足になって・・・危ねぇ危ねぇ。ネタバレしちゃうからやめとこうね。
 「嘆きの天使」はネタバレしちゃったなぁ。ごめん。

 まっ、マレーネ・デートリッヒの顔と脚を見るだけでも価値があると思うよ。

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