2009年05月08日クライスラーで練習後、いよいよGM処理が始まる

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いま午前4時半ですけど、ダウは120ドルの下落。ま、昨日、上げてましたからね。利益確定の売りと、ストレステストの様子見といったところでしょうか。

 麻生さんとしては、なんとか日経平均株価を1万円まで上げて解散としたいでしょうな。選挙中にどかどか落ちたらお先真っ暗だわな。

 さて、ポルシェが傘下のフォルクスワーゲンと経営統合だとか。ポルシェは財務がいいからねえ。元々はフェルディナント・ポルシェ博士がヒトラーから命令されて「国民車(フォルクス・ワーゲン)」をデザインしたことから、戦後、オーストリアでの独占販売権を手にしたわけね。
 面白いのは、ベンツのゲレンデ・ヴァーゲン(大きな車)は「ヴァーゲン」と呼んでるのに、どうして同じドイツ車なのにこちらは「ワーゲン」なんだろね。考え始めると眠れなくなっちゃう。

 ところで、クライスラーは大方の予想通り、連邦破産法11条を適用して、フィァットと提携するという再生方法を採用しましたけど、もち、これはGM処理の露払いみたいなもんでしょう。
 GMの第1四半期は6000億円の赤字。ポンティアックは廃止。サーブもフィアットにたたき売り。サターンは日産に売りたいんだろうね。

 ポンティアックつうのは酋長の名前でね。ミシガンにポンティアック市ちゅうのがあるんよね。
 この車、昔、知人の経営者が乗ってましてね。スタイルはいいんだけど、なんと購入した翌日、首都高でエンストしちゃってさ。ディーラーに怒りの電話してたの思い出すなあ。でも、しばらく乗ってたなあ。

 そういえば、昔、パパ・ブッシュが大統領時代、GMとかクライスラーのCEOたち20人以上を引き連れて来日したことありましたね。
 当時の問題は日米貿易摩擦。いまや昔? いえいえ、クライスラーにしてもGMにしても再建するなら、邪魔なのは日本車でしょ。だから、オバマさんが保護貿易ならぬ「バイ・アメリカン」を展開しないとも限らない?
 たぶんそんなことはないと思いますね。というのも、たぶん、いまの時代、破綻後のGMを面倒見られるのはトヨタしかないもんね。ウルトラCでポルシェ・ワーゲングループか。

 いまから18年前、ポンティアック・ル・マンを1台1万ドルとすると、組立労賃は韓国へ1000ドル、エンジン代金は日本へ1750ドル、デザイン料はドイツへ750ドル、小型部品代は台湾とシンガポールへ400ドル、広告料は英国へ250ドル、データ処理費はアイルランドへ50ドル。デトロイトの本社に残るのは4000ドル。これ、92年発行の竹村健一さんの本に載ってるの。
 その後、ずっとドル安で来てるから、このコストはさらに膨らみ、GMに残るのはんのわずか。つうか赤字だったんでしょうな。

 最近、米国自動車産業が超不況で、彼の地のエンジン開発会社が日本メーカーに売り込みに来て、「えっ、エンジンまで外注してたの?」と一同呆れた、という記事が載ってたけど、もう18年前から外注してたんです。
 いちばんコストを食うのがエンジン開発ですからね。

 これ、ブラックジョークですよ。だって、人件費を削れば利益が出るというんで、どんどんリストラしたら、最後は社長しか残らなかったというジョークをそのまんまやってたわけだもんね。
 目先の利益ばかり追っていると、こういうことを本気でやっちゃうという証左ですな。