2009年08月21日「沈まぬ太陽」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 日本にも「GM」があった。
1お客様サービスよりも従業員サービス優先。
2奇妙なエリート意識(万年赤字のくせにどこがエリートなのかさっぱりわからないが)。
3経営能力・経営意識不在の経営陣。
4一枚岩にはなれない分断された組織。
5赤字になれば政府に泣きつく依存体質。
6当事者能力が無いか低い。
7経営力より政治力ばかりが際だつ社風。
 労働貴族ともいうべき様々な特権に守られた企業。業績? いいわけがない。

 そんな企業をモデルにした映画がこの10月に封切られる。
 「沈まぬ太陽」だ。


「週刊新潮」連載中(山崎豊子原作)から話題となった問題作の映画化。

 「国民航空」という名のナショナルフラッグを舞台に繰り広げられる人間ドラマ。ダメな組織はこうして腐敗する、というプロセスがよくわかる。
 モデルは日本航空らしい。おかげでJALの機内サービスでは連載中の週刊新潮がなかったとか。だが、日航のみならず、ダメ企業の「法則」はどんな組織にも共通すると思う。

 主人公の恩地元(労働組合委員長・小倉寛太郎氏がモデル)を
演じるのは渡辺謙さん。イラン・・テヘランで撮影したとか。そういえば、恩地は世界の果てをあちこち飛ばされまくっていたっけ。「真昼のワンマンオフィス」を思い出す。
 スポンサーに気兼ねして、永遠にドラマ化、映画化は無理だろうと言われた作品だけに公開が愉しみ。10月24日〜。原作も面白い。今年いちばんの話題作になること請け合い。

 ワクチンが足りなくなることがわかっていながらなんの決断もしてこなかった厚労大臣の舛添さん。「流行を防ぐ」という方針の米国政府、「重症患者を出さない」という方針の日本政府。トップの判断ミスですな。

 ところで、のりピー、立派な姐さんですな。