2004年01月19日ゴールへの道は一本だけじゃない!

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ルートはいくつもある

 自衛隊のイラク派遣が現実のものとなりました。

 大臣は大仰な使命感を鼓舞して送り出していましたが、まるで出征兵士を送る歌のようでしたね。

 大義名分、使命感がなければ、人間は魂のこもった仕事ができないんです。

 これから何が起こるかわかりません。「不測の事態」があれば、政権瓦解もありうるでしょう。

 この行動が国際社会への仲間入りを宣言するものではけっしてありません。ただ、北朝鮮との問題を抱え、日本も軍事的な行動をとるのだというメッセージにはなったでしょうね。

 「自衛隊がイラクに行って何の役に立つの?」と思うかもしれませんが、小泉さんはイラクだけを見ているのではありません。北朝鮮に対してのメッセージを込めていると思いますよ。

 「経済制裁は戦争を意味する」

 これは北朝鮮側のスタンスです。同時に、これは本当だよという意見は小沢一郎さんです。ですから、いたずらに経済制裁という言葉を国会で議論すべきではない、というスタンスでしょう。

 拉致問題についても、北朝鮮は一つのルートだけに固執せず、二つ、三つとルートを作って、自国に有利に運べるように研究、模索しています。それに対して、日本の外務省など、いつだって道は一本しかありません。当然、このルートがなくなれば交渉破綻。かといって、NGOなどのルートは絶対に認めない。妨害する。国益ではなく、そこにあるのは省益だけなんでしょうな。

 けど、富士山登山でもルートは何通りもあります。問題解決には様々な方法があります。「これしかない」「このルートしか認めない」という狭量な選択で解決できるほどことは単純なんでしょうか。




キーパースンは一人で五票持っている!

 人間が二人以上集まれば、必ずリーダーとフォロアーに分かれます。リーダーは決裁権を持ち、フォロアーはその決定に従うのです。

 もし十人いたら十人全員が平等に票を持つことなどありません。一人で五票分持っている人が必ずいます。金正日さんなど、一人で全票持ってますものね。

 このキーパースンを動かすことが外交です。動かすという意味は、揺さぶりをかけるということです。そのためにも、一本のルート、方法ではダメなんです。

 彼らが展開しいるように、あらゆるルートから揺さぶりをかける。フックがあった部分に集中し、そこから全面展開する。一点集中全面展開は全共闘のスローガンだったではありませんか。

 「この数年間の努力が水の泡」

 こうならないためにも、ルートはたくさん作っておく。それがリスクマネジメントだと思うんですがねえ。



 ところで、自衛隊派遣した後、政界が平安すぎると思わない?