2003年07月14日「親バカ」と「バカ親」

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傷ましい事件

 長崎の幼児誘拐殺人事件はなんと十二歳の少年犯罪ということが明るみになり、一応、捜査本部は解散。

 舞台は児童相談所、医療施設、家庭裁判所に移されることになりそうです。

 加害者の少年はいままで執拗に幼児にいたずらを繰り返し、心身を傷つけていたようですね。

 マスコミは加害者の両親の周辺取材に入り、大臣の中にも市中引き回しの上に獄門、というメッセージを送った人すらいます。

 気持ちはわかります。重大犯罪ですし、いとけない幼児に対するむごい殺人行為ですからね。少年の周辺ではいままでも兆候があったようです。それを見抜けない両親だから、糾弾されて当然だ、というわけです。

 ここで、「親と子は別人格だから、一緒にして議論してはいけない」という人権派弁護士のようなことを言うつもりはありません。親でも気づかなかった。両親も被害者なのだ、ということを吟味することが必要ではないでしょうか。




世間受けするな

 「どうしようもないヤツだから、あんなのは死刑にしてほしい」

 親が極悪非道のわが子にこういえば、そうだ、その通り、親ですら見放した悪いやつだ、と親は加害者から解放されます。

 あの大阪の阪大付属池田小学校で児童を殺傷した男の親が、まさにそうでした。

 一見、よくわかったような親。

 でも、親がこんな人間では情けないとしか言いようがありません。

 これはバカ親の典型です。

 「絶対にうちの子じゃない!」と最後の最後まで信じてやる。わが子への盲信、盲愛といってもいいかもしれませんが、両親だけは見捨てずに信じてやってほしいんですね。

 罪を認め、償うことは、少年ばかりではなく、両親も同じです。一緒に十字架を背負って歩いていくしかないんです。

 これは親バカの典型です。

 重大犯罪を引き起こした人間にとって、バカ親は必要ありません。親バカだけが少年を救うのではないか、と考えます。