2018年09月17日「ジュリーィィ!」

カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」

 私の世代ですとこのセリフでしょうね。ウケたのは。
 TBSドラマ『寺内貫太郎一家』で小林亜星さん演じる主人公の母親役。ま、きったねーババア役なんすけど、いっつもジュリーこと沢田研二さんのポスターを前に腰を振りながら叫ぶシーンが定番になってまして。

 『時間ですよ』もそうでしたけど、必ず見てましたね。





 樹木希林さん。当時は悠木千帆さんつう芸名でしたけど。「通勤快読」でご紹介したキョンキョンの本にもあったように、このババアの嫁役が加藤治子さん。
 加藤さん曰く、「この汚いばあさんの嫁役なのー? いやだわ、私」。けど、加藤さんのほうが希林さんより22歳も上だったのよ。だって、当時、29歳で演じてたんすから。

 脚本は向田邦子さん。当時、希林さん、なにもかもメンドくさくなっちゃって、「寝てるだけの役ないかしら」「いいわね、それ」ってんでババア役になっちゃった。

 始まれば、そこは希林さん。ウケるのが大好き。

 私が強烈に覚えてるのは『はなれ瞽女おりん』ですね。岩下志麻さんも驚いてましたけど、目があいてる盲目の役。これ、目をつぶって演じるより難しいですよ。それと『夢千代日記』ですね。




「これ以上ない!」というほど、小百合さんの夢千代はいじらしく、そして凛としていましたね。そこに絡む希林さんの巧さ。

 電池が切れるが如く大往生。癌とうまくつきあえたのかしらん。理想的な死に方ですな。

 今年だけでも『万引き家族』に『モリのいる場所』『日日是好日』と3本の映画に出演。死ぬまで現役で仕事してたなんてサイコーっすよね。ホント、存在感ある女優でした。合掌。