2023年12月26日噂通りの傑作!PERFECT DAYS

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

■忘れないうちに・・・明日12/27(水)は年内最後の   中島孝志のワンハンドレッド俱楽部  (毎週水曜開催)  です。いつも通り 22:00スタート です
​​​​​​激動の世界情勢の真相、経済予測(株価、金価格、為替等の解析)など、ホット情報をライブ配信します。コンテンツはいまのとここんな感じ・・・。
■概要
◇100人限定完全プライベートサロンです。
​◇価値あるデータとチャートに次々ジャンプ。「ああそうなるのかー」と氷解。
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■コースは2つ
「Zoomライブ配信会員」
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◇Zoomについては「Zoomかんたん3分動画」を用意。手取り足取り教えてほしい方には電話・メールサービスもご用意しています!
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■申込方法
​​​◇ブログ右欄「中島孝志の100(ワンハンドレッド)倶楽部」からアクセスをお願いします。

ゆったりと時間が流れていきますね。「木漏れ日」を浴びてるような感覚。
​そういえば、主人公は昼飯のサンドイッチを食べながら盛んにアナログカメラで「木漏れ日」を撮影してたような・・・かなりこだわりがあるようで「いい写真」を選択する目は真剣そのもの。
読書と同じく、趣味ではなく生き甲斐でもなく、生き方そのもの。

​さて、​​ビム・ベンダース監督の心優しい日本人のキャラクター描写。 数十年の創作の中でも最高傑作・・・その通りでした。もち「パリテキ」「ベルリン」もとっくに見てますし、なんの因果かDVDが販売されてなかったときに入手したことを覚えてます。いまも売ってないのかしらん。netでは視聴できますよね。

​ 東京・渋谷の公衆トイレ清掃員。 押上の古いアパートに1人暮らし。規則正しい生活、つまり同じことの繰り返し。夜明け前に近所の老女が掃除する竹棒機の音を聞いて目を開けて、天井を見つめて、おもむろに起きる。薄い布団を畳み、歯を磨き、髪を整え、ユニフォームに身を包み、 車のキーと小銭とガラケーをいつものようにポケットにしまい・・・部屋を出る。
​アパートのドアを開けて空を見る。缶コーヒーが朝飯がわり。軽に乗って仕事へ向かう。いつもの角でカセットテープを押し込む。
​聞こえてくるのはアニマルズの「♪朝日のあたる家」。

​いくつもの風変わりなトイレを掃除して回る。一言も喋らず淡々と黙々と。昼は階段を上がって神社のベンチに座ってサンドイッチ1個。いつものように芽生えたばかりの花を愛で、宮司に挨拶して持って帰る。仕事が終わるといつものように浅草駅地下の居酒屋でいつものメニュー。ここ、食べたことあります。焼きそば美味し。
​日曜だけ通う居酒屋でもポテサラ大盛とチューハイ。どちらも黙っていても出てくる。つまり、お決まりで終わり。
​興が乗ると居酒屋のママが「♪朝日のあたる家」を歌ってくれる。そうか、もしかすると監督はちあきなおみさん出演してもらいたかったのかも・・・なぜなら、この歌、日本語バージョンはやはり彼女でしょ。でも引退しちゃってるからね。

​「​祖国ドイツに戻りもう1週間と少しが経ち、 あなたのいない寂しさをひしひしと感じています。 あの静かな佇まい、あの親しみある笑顔。あの仕事への献身的な姿勢は、私にとって慈しみ深いものになっていました」

​どんな事情があるんのかなー。つっこみどころ満載。お抱え運転手の車でアパまでやってきたは実妹。喧嘩で家出した娘を迎えに来た。つまり、姪が男のところを訪ねてきたわけです。
​家出するならおじさんとこ、と決めてたとか。
​鎌倉の裕福な実。好物はくるみっこ。うん、たしかに美味い。
​​「本当にトイレ掃除してるの?」と妹
​男はうなずく。認知症の父親に会ってやって、と一言。どうやら父親とはいさかいがあったらしい。わだかまりなのか、会えない事情でもあるのか、拒否。

主人公を演じた役所広司さん。「素晴らしき世界」では 元受刑者役でしたね。刑務所でミシン掛けを覚えたという設定。今回はトイレ掃除。もうプロにしか見えないマスター度。
​田中泯さんがホームレス役。主人公にしか見えない男の存在。

​田中さんで短編撮影。ベルリンで編集作業に頭を抱えたらしい。どうしてもシーンが入らない。強すぎた。悩み抜いた末、ほとんど使わずに完成させた。完成後もずっと気にしていた。 8分半の映画。PERFECT DAYSと繋がりがあるらしい。

​日本語には「​懐かしい」という美しい言葉があります。このニュアンスを伝える英語はなかなかありません。わざわざエンドクレジットで「木漏れ日」について解説。

​主人公のアバに転がり込んだ姪が手に取ったのがパトリシア・ハイスミスの「11の物語」。「スッポン」という短編に登場する少年ヴィクターは私だ、と言い出す。
​母親が迎えに来ると「ヴィクター になっちゃうよ」と助けを求める。気になって古本屋で読み直す。​
​「​木漏れ日」には木が必要。次に読む文庫本が幸田文の随筆「木」。何もないアパートにはいくつかの 小さな鉢植えと綺麗に積み上げられた、ほとんど 100円均一で買った本ばかり・・・この映画は透明なのかも。

さーて、​今回の  「中島孝志の聴く!見る!読む!通勤快読」 でご紹介する本は優しい日本人が気づかない 残酷な世界の本音 後編(川口マーン惠美・福井義高著・1760円・ワニブックス) です。
途中まで無料で読めるようになりました。 ​とってもいい本です。