2019年02月26日『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』(東京都美術館・上野公園)

カテゴリー中島孝志の「日本伝統文化研究会」」

 そこそこ混んでますね。土日は大変だと思うな。

 案内によりますと「1970年に刊行された美術史家辻惟雄による『奇想の系譜』に基づく、江戸時代の「奇想の絵画」の決定版です。
 岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人の代表作を一堂に会し、重要文化財を多数含む展示となっています。
 豊かな想像力、奇想天外な発想にみちた江戸絵画の魅力を紹介。現代の目を通した新しい「奇想の系譜」を発信します。」とのこと。



 ブームの若冲がお目当てという人もいるでしょうし、やはり、国芳という人もいるでしょうね。


「達磨像」(白隠慧鶴筆・江戸時代・18世紀・大分 萬壽寺蔵)

 私? やっぱ白隠かなあ。画もいいけど、添えられてる言葉がいいんですよね。

 たとえば、この画には「直指人心 見性成仏(じきしじんしん けんしょうじょうぶつ)」とあります。「心をまっすぐ見つめなはれ。仏になろうとする必要なんてあらへん。本来あんたに備わっとる仏性があるんやからね」つう意味ですな。
 なんとも白隠禅師らしい。わかりやすい。言葉ではなくて、画のほうが添えられてるのよ。

 禅宗を説くために1万点以上の絵画と墨蹟をしたためた。

 キリスト教でもそうです。言葉はなかなか難しい。絵とか音楽とかたとえ話で伝えるしかなかった。インテリなんていないんだから。インテリは教会や修道院、僧院にしかいない。教会がすべてのインテリジェンスを独占していたわけ。

 時を刻むのも教会が独占。神の代理人ですからね。日本もお寺さんが時の鐘を撞いてたわけでね。

 それにしても国芳は渋いね。アダチ伝統木版画技術保存財団の作品思わず買っちゃいましたよ。