2019年04月22日「男はつらいよ」第18作「寅次郎純情詩集」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 今日の通勤快読は聴く方も、読む見る方も、どちらもテーマは「京マチ子」さん。

 紹介していて思い出し、DVDを引っ張り出そうとしたら見つからない。イライラするよりネットで見ればいいわけでね。いつもは「ながら鑑賞」ですけど、今回は集中しちゃいました。

 いいなあ、この映画は・・・いつもの通り、善人しか出てこないからね。



 「寅さん、お母様を愛してくれてました?」
 「冗談じゃねえや、オレが」
 「お母様はそう思ってたわよ、きっと」
 「・・・」
 「早く良くなって寅さんに会いに行きましょうね、と言ったら嬉しそうにこっくり頷いたわ」
 「・・・」
 「だれにも愛されたことのない生涯だったけど、最後に、ひと月だけでも寅さんていう人がそばにいてくれて、お母様がどんなに幸せだったか、私にはわかるの」

 「サクラ、あの人にピッタリの商売あったぞ」
 「なーに?」
 「花屋よ、あの奥さんが花の中に座っていたら似合うぞ」
 「そうね、とってもいい考えだわ」
 「仕込みとか配達とか掃除は、みな、オレがやるんだよ。奥さんはただ座ってりゃいいんだ。花束をもってお客さんに、どうもありがとうございましたって渡してくれりゃいいんだ。流行るぞ、この店は」
 「・・・」
 「本当になってたら、オレも渡世人稼業プッツリ足洗ってよ、おまえが言うように、とらやでゆっくり正月過ごすことができたんだよな」
 「そんなこと考えてたの、おにいちゃん。あのお母さんに、その話聞かせてあげたかったわね」
 「墓参りの時にでも話するさ。じゃあ、行くぞ」

 寅さん、優しくて素敵ですよ。けど、無銭飲食でサクラに信州までお金を届けさせたり。近くにいたらめんどくさい人。遠くで見てるのがベスト。まあ、私もそう言われてますけど。

 生きてるうちが花。生きてさえいればなんでもできます。いつまでも生きられる、と勘違いしてる人が多すぎるわな。油断大敵。