2008年07月15日「インテリジェンス読書術」 中島孝志著 講談社 840円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 ♪ぽ〜にょぽにょぽにょ魚の子♪ えっと、先日このサイトで紹介した『マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術』(松藤民輔著・講談社)がアマゾン書店で3位。1位はハリポ、2位は嵐。まっ、これはしょうがないでしょ。でも、どちらも予約販売。つうことは、実質1位ではありませんか。
 さすが松藤さんですなあ。この手のランキングは「やらせ1位」も少なくないけど、これは正真正銘。今度、ジョージ・ソロス本(8月刊・講談社)の監修もするとか。たいしたものですなあ。

 といってたら、水谷研治先生から電話。縁は異なもの味なものですなあ。
 『インテリジェンス読書術』(講談社)で先生のことをちょっと書いちゃったのね。「読者の方に教えてもらいました」って、いつも通り、紳士ですなあ。「よく書いてくれました。ありがとう」って感謝されちゃいました。嬉しいですね。



 どんな紹介をしたかというと、まだ読んでない方のために抄録しましょうね。

 読書スタイルで勧めたいのは「スパーリング・リーディング」。これは本を鵜呑みにせず自分の頭で考えるという読書法。
 わたしが尊敬するエコノミストに水谷研治さん(中京大学教授)がいらっしゃいます。以前、勉強会で講義していただいたことがあるわけ。旧東海銀行のニューヨーク支店長、調査部長、専務取締役などを歴任。
 水谷先生は20代から経済書を読んでも、「それはちがうんじゃないか」と自説をコメントする練習を続けたんですね。

 水谷先生が本領を発揮したのは1985年7月。「1ドル150円」という超円高を唱えたわけ。当時の為替レートは1ドル250円ですよ。いまでは信じられない超円安だけど、調査部長だった彼は「経済実態と乖離した相場だ」と疑問を投げかけ、調査レポートにみずからの経済予測を発表したんです。

 これが大波紋を呼び起こしちゃう。主要取引先のトヨタが猛抗議。こんな円高では事業計画が狂っちゃうもの。「きみは本当にこの相場が実現すると思ってるのか?」と頭取からは詰問。行内では「要注意人物」に指定。
 ところが、2カ月後、「プラザ合意」であっという間に円高ドル安になっちゃうわけ。

 この一件で、「東海銀行に水谷あり」と引っ張りだこのスター・エコノミストになるんです。彼を育てたのは喧嘩読書ではないかな・・・。
 まあ、こんな文章だったのね。 

 水谷先生の本は東洋経済では同僚が担当してましたけど、相変わらず、視点がユニーク。なおかつ、憂国の情に溢れてます。本サイトでも近々、ご紹介しましょう。

 さて、今日は原理原則研究会のラスト講義です。メンバーは参加のこと。テーマは「安岡正篤先生に学ぶ 日本人の品格」。もちろん、講師はこの方。下村 澄(しもむら・きよむ)先生です!
■プロフィール
佐賀県生まれ。早大政経学部卒業。大阪テレビ放送、毎日放送、(社)ニュービジネス協議会専務理事、(株)ビジネス情報センター代表取締役を経て、現在、株式会社日本企業調査相談役。
碩学、故安岡正篤翁に学ぶ。
著書にベストセラー『安岡正篤・中村天風の帝王学』『同 人望学』(ともにプレジデント社)ほか多数。この本も中島孝志がプロデュースさせてもらいました。


碩学安岡正篤翁。

 なお、この9月から始まる「ビジネス版すべらない話」と噂の第8期原理原則研究会(年間会員制)の新メンバーを募集します(つうか、すでに申し込みが殺到しています)。ご関心の向きは左上欄の玉ねぎ坊やをクリックしてくださいね。