2009年02月21日「ライスカレー」

カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」

 GM傘下のサーブがとうとう破綻しました。自身、まな板の鯉で他人のことなどかまってられないGMはいかんともしがたい。で、スウェーデン政府に駆け込んだモノの、けんもほろろ。ま、ムリもないっしょ。

 NYダウは前日よりも100ドル下落。ドルは冴えず、ユーロ・ポンドはさらに冴えず、で、日本は死に体政府に急激な超円高と市場収縮で輸出産業は凋落。それに原油暴落ときたら・・・そうです。とうとう金価格1000ドル突破です。あとはどこまで高騰するかの問題ですなあ。



 さて、このドラマのDVD化を待ちに待ってた人って少なくないと思うよ。
 いまから22年前、フジテレビ系列で放送されましたけど、登場人物は「日本人」。当たり前かもしれないけど、これ、舞台がカナダなのよ。どうも脚本家の倉本聰さんは山んなか、森んなかがお好きなようですな。
 で、良くも悪しくも「日本人」が出てます。

 物語は高校時代の野球部の先輩(これが北島三郎さん)からカナダで「ライスカレー屋」をやろうぜ、夢に賭けようぜ、と誘われた洋食コックと寿司職人。カナダに旅立ったのはいいんだけど、この先輩がボスの奥さんと駆け落ちしちゃった。で、すべてはご破算に。

 言葉もできない。金もない。夢もない。0からどんな人生を作り上げるか。こんなとこからスタートするわけね。倉本聰さんの原点が伺える作品ですな。

 2人がカナダで放浪するうちに体験する「いろんなこと」。これをそのまま大学生活に置き換えると「ふぞろいの林檎たち(山田太一さんの脚本だけど)」になります。で、ジェネレーションを少しずらせば、「北の国から」になります。

 登場人物たちのキャラがすべての日本人に当てはまるように作られてるのが面白い。「たぶんこれはオレだな」と他人事とは思えなくなっちゃう。私? 寿司職人役の時任三郎さんでしょうね。
 カナダのログハウスで時任さんと別れて1人になった陣内さん。淋しくなって、機内で知り合った女性を追ってバンフまで行くんだけど、夢のない自分とちがってさ、あっちは「ダンス」という鮮明な夢に向かってレッスンに励んでる。そんな彼女を見て、いつもはお調子者の彼もひと声もかけられず帰っちゃう。これ、印象的でしたな。

 詳しく言っちゃうと興ざめするんでここら辺で止めときますけどね、う〜ん、2人か3人かで旅して現地でいろんな日本人に出会う「深夜特急」てな感じ?

 出演はほかに陣内孝則、中井貴一、藤谷美和子、布施博、ガッツ石松、風吹ジュン、室田日出男、田中邦衛、佐藤慶、三木のり平、檀ふみ、金子信雄、、寺田農、地井武男、小野武彦、石丸謙二郎、林家こぶ平(当時)、不破万作、角野卓造、笹野高史・・・の面々(敬称略)。

「若者と夢」ってのは切っても切り離せものだけど、たとえ夢が突然消えてなくなっても、いつの間にか夢みたいなモノをつかんでいるものなのかもしれません。これが夢です、みたいなものがなくたって、知らず知らずのうちに歩いている=「道」。
 そういう意味では、夢よりも「縁」のほうが決定的なのかもしれませんな。

 ところで、ライスカレー? カレーライス? どっち? ドラマでは、カレーライスはカレーとライスが別々の容器に盛られてるヤツ。で、ライスカレーはそば屋とか定食屋で出てくるデロリーンとしたヤツ。グリーンピースと福神漬け。少し待ってると膜ができてさ、少しソース入れたりしてね。そうそう、CoCo壱でいうとグランドマザーカレーなんかがそんなイメージだよな。ま、そういうこと。