2011年05月23日福島県の生きる道

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 新緑の候。。。ですね。どこも混んでます。もう地震のことなどケセラセラなんでしょうか。
 
 ようやく七里ヶ浜の床屋さんに行きましたよ。

「2カ月ぶり?」
「津波が怖くてね」
「あのときは大変でしたよ」

 そう、目の前が海岸なんだけど、あっという間に水が引いた。戻ってきたのは深夜未明だったんだと。慌てて山上までお客さんを誘導したらしい。シャンプー中の人どうしたんだろ?

 ところで、いま、横浜のスーパーやデパートの肉屋さんに行きますと、湘南ポークとか松阪牛とか明示されたケースは別にして、たんに「国産」と書いてある肉は福島産が多いですなあ。福島は野菜も肉も米も名産地。以前、村興しのシンポジウムで福島の農家の人と一緒になりましてね。後日、米を送ってくれたけど、あれは美味しかった。

 それがいまや放射能で崖っぷち。「これ安全です。米国産ですから」だって。なめられたもんですよ。丹誠込めて無農薬野菜つくっても放射線が降り注いでパー。農薬で爆発する中国産のほうが安全だ、と勘違いしてる人も少なくありませんからね。

 東電の罪は大きいよなあ。どこまで広がるかわかんない。あちこちで福島、宮城、岩手の農産物フェアをやってるけど、全体の売上は激減でしょうね。

 あらゆる努力が水の泡? この悔しさをどこにぶつけていいか。そりゃ当然にぶつけるべきだろうけどね。日本人は諦めず、東北人は根性の塊だから、誠実に愚直に粘り強く土地を現状復帰させていくと思う。

 こういうときこそ、農協は政治力を発揮するべきじゃないの。電事連や医師会より強い圧力団体なんだからさ。全中・全農はなにやってんだろ。自民党も民主党もいちころでしょ。

 と思っていたら。。。東京電力への損害賠償請求に向けてJAグループの代理人を務めることになった久保利英明弁護士が「風評とは根も葉もないうわさのこと。健全な消費者が健全に判断して買わない結果の被害は風評被害ではない。実害として認めるべきだ」ときっぱり。

 その通り。東電&電事連から宣伝費をたっぷりもらってるテレビ局は、福島の農産物フェアをニュースで取り上げてブームを演出してますけど、全体の売上はどうなのか。スーパーも協力してるけど、これだけ売れました、これだけ売れませんでしたと、すべて公表して損失分を東電に請求したらどうかね。

 政府はきちんとデータを公表しないとあきません。ただでさえあの総理は信用ないんだから。
 3月15日と16日にメルトダウンを起こしてるにかかわらず、大気中と海水に放射線を大量にばらまいた(60京ベクレル以上)なのに、「SPEED1」の数値すら公表させなかった菅さん。この人は隠すのがお好きですな。きっと国民を心の底からバカにしてるんだと思う。

「こいつらバカですぐヒステリーを起こすから公表しないでいいよ」ってね。

 役人以上に役人体質の東電幹部には隠せませんよ。いちいち経産省・安全保安院にお伺いを立ててるはず。隠してるのは官邸だな。

 どうしてこんなことを言うかというと、私たちが守らねばならないのはだれか、ということなんです。生産者なのか? 生産者はJAが守りますよ。だから有能な弁護士を用意してるわけでしょ。
 優先順位の筆頭は消費者ですよ。それも乳幼児と成長期の子どもたち。なぜなら細胞分裂が盛んで放射能を吸収しやすいからね。
 子どもたちを守れるのは保護者であり、先生であり、教育委員会なんだけど。この人たちがあまりにも鈍感。自分の子どもがなに食べてるかわかってるのかね。「給食は食べません。お弁当持たせます」というのが常識じゃないかな。

 あの政府ですよ。あとから「実は・・・」なんて切り出されたらどうします? 再臨界があるんだかないんだか、コロコロ変わる内閣ですからね。「危険性がある」と「危険性は0ではない」の違いがわかるのは役人くらいでしょ。

 参考までに、私は鎌倉野菜も静岡茶も買わなくなっちゃった。大ファンだったけど。消費者のことを思えば検査を拒否せず結果を堂々と公表すればいいのよ。セシウム、ヨウ素、ストロンチウム、プルトニウム・・・情報を消費者に公開しないと、たぶん関東近郊の農業と漁業はじり貧になると思う。

 なにしろ毒餃子事件を契機に中国製品を静かに駆逐した日本人ですよ。大げさなボイコット運動などしなかったでしょ。けど、あっという間に中国産はシェアを激減させました。だから、温家宝さんは来日前に無理矢理犯人を逮捕したんだもんね。

 生産者は真剣に考えたほうがいいと思う。

 どうしてグリーンピースの調査を門前払いにしたのかね。私ですら不信感を持つんですから、海外が日本製品をボイコットするのもわかりますよ。風評ではなく実害なんだから、こそこそせずに検査して、悪ければ東電にすべて請求すればいいんですよ。


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