2011年08月23日やっぱアメリカに金はない!
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
金価格の高騰が止まりませんね。ブログでもおなじみの松藤さんは以前から、金価格は2011年中にとりあえず1トロイオンス2100ドルを目指す、と一連の著書で予測してましたけど、その通りになりそうですね。
もちろん調整期間はあるでしょうけど。
さて、この金と切っても切れないのが、金細工職人ゴールドスミス&ロスチャイルドのコンビですね。
16世紀〜17世紀まで、どこぞの国と同じで、イギリスは資金が世界中から集まってくる国でした。
決済手段は金。治安は最悪。だから、お金持ちは金を金細工職人に預けた。彼らは商売柄、頑丈な金庫を持ってましたからね。
で、あちこちの商人から金を預かっては「預り証」を発行しました。
商人は仕入れ代金を払う都度、この預り証で金現物を金庫から出してもらってたんですけど、何度も続けてるいと、ゴールドスミスは気づいたのよ。
金を引き出されても、ある程度の金はいつも残ってる。だれも使わないなら、だれかに貸し出してもかまわないんじゃね? だれにもいわなきゃばれないっつうの。
で、商人に金を貸すようになったわけ。もち、手数料とか金利をふんだくってね。
参考までに、イスラム教では金利はとったらあかんよといわれてることはご存じだと思うけど、キリスト教だってそうです。でも異教徒からならいくらとってもいいの。しかも彼らはユダヤ人ですからね、こりゃガンガンとりますよ。
もち、他人の金を勝手に貸して儲けてるんですから、明らかに詐欺です。横領罪もつきますわな。
で、たまにお客が多額の預り証を持ち込んできて大量の金が必要となったら困ります。だって、貸し出しちゃってるから、渡すべき金がないんだもん。
じゃ、どうするか? そんなときこそ詐欺師同士のネットワークが力を発揮巣します。一丸となって互いの金を融通しあってその場を凌ぐ。
すると、「あそこは安全だ」と高い評価がつきます。格付けだって上がりますわな。そうやって信用させてさらに金を集めた。またまた高金利で貸す。で、しこたま儲ける。
もうお気づきの通り、これが「銀行」の発祥ですね。
さて、先日、日経がなかなかチャベス大統領が金を回収してることについて書かないな、と述べました。日経はたしかに書いてたのよ。けど、これがまったく方向違いの記事でした。だから気づかなかったというわけ。
日経の見出しだけご紹介しましょう。次の通りです。
「ベネズエラ、海外の金資産を国内へ 差し押さえ回避か」
えっ、どうして? これじゃベネズエラは北朝鮮みたいじゃん。「制裁(差し押さえ)」を怖れて資産を国内に移すってか? ちがうでしょ。逆でしょ。

チャベスといえば、反米大統領として有名ですよね。しかもベネズエラは南米屈指の金産出国にして金保有国。石油は世界8位。ベネズエラ中央銀行は世界第15位の金保有者ですよ。366トンの金地金のうち211トンをイングランド銀行やバークレイズ、いまリストラ中のHSBC、JPモルガン銀行などに預託してます。これらの金塊を自国の銀行にぜんぶ移す、と決めた。
どうしてこんなことをしたのでしょうか?
金地金を買う投資家は100人が100人、自己保有してません。重たいもん。だから銀行とか三菱マテリアルにそのまま預けてます。で、もらうのは紙切れ1枚(証券とか預かり証)。
けど、銀行には金がないか、あってもほんの一部だけ。たとえば、オカネにしてもいきなり10億円くらい支店の窓口で貯金から下ろして、といっても、「そんな急には無理ですよ」「2日くらい前に言ってくださいよ」と断られます。
金現物だともっと難しいでしょうね。
JPモルガンなど、直近の監査で10.6トンの金地金を保有していることがわかりましたが、これはベネズエラが預けた金地金の総量とほぼ同量です。つまり、ベネズエラが引き出したらJPモルガンの金庫は空っぽになっちゃうわけ。
けど、不思議なことにJPモルガンは1000トン以上の金地金ETF(上場投信)証券を発行しています。
どうしてこんなことができるかといえば、投資家全員が「わしの金返してくれ!」とはいわないから。
では、全員が言い出したらどうなるか? 取り付け騒ぎになりますわな。金融恐慌で銀行にドルや円を引き出すために並んだ、あの取り付け騒ぎです。
金ETFには金現物との交換を保証していないものが少なくありません。金融機関にしても、発行額以上の金保有を義務づけられているわけではありません。
カラクリはあのコンビの時代からなにも変わっちゃいないんです。
さて、アメリカです。フランス人の前IMF専務理事ストロスカーンはフォートノックスの金庫にあるはずの金塊が実は外に貸し出されていて空っぽだ、とオバマを追及。するとノーコメント。それなら記者会見で糺そうとしたら・・・直前に逮捕されてしまった。
それを見たチャベスが考えたこと。
「こりゃあかん。アメリカはあちこちから金現物をかき集めるにちがいない」
「そないなったら、わしの金塊もあいつらの金現物に紛れ込んでしまうがな」
「ヘタするとわしの金塊戻ってこんかもしれんわな」
「そうされる前に、わしの金塊、きっちり戻してもらわなあかん」
ま、これが真相でしょう。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『サンデルよ、「正義」を教えよう』(高山正之著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。
もちろん調整期間はあるでしょうけど。
さて、この金と切っても切れないのが、金細工職人ゴールドスミス&ロスチャイルドのコンビですね。
16世紀〜17世紀まで、どこぞの国と同じで、イギリスは資金が世界中から集まってくる国でした。
決済手段は金。治安は最悪。だから、お金持ちは金を金細工職人に預けた。彼らは商売柄、頑丈な金庫を持ってましたからね。
で、あちこちの商人から金を預かっては「預り証」を発行しました。
商人は仕入れ代金を払う都度、この預り証で金現物を金庫から出してもらってたんですけど、何度も続けてるいと、ゴールドスミスは気づいたのよ。
金を引き出されても、ある程度の金はいつも残ってる。だれも使わないなら、だれかに貸し出してもかまわないんじゃね? だれにもいわなきゃばれないっつうの。
で、商人に金を貸すようになったわけ。もち、手数料とか金利をふんだくってね。
参考までに、イスラム教では金利はとったらあかんよといわれてることはご存じだと思うけど、キリスト教だってそうです。でも異教徒からならいくらとってもいいの。しかも彼らはユダヤ人ですからね、こりゃガンガンとりますよ。
もち、他人の金を勝手に貸して儲けてるんですから、明らかに詐欺です。横領罪もつきますわな。
で、たまにお客が多額の預り証を持ち込んできて大量の金が必要となったら困ります。だって、貸し出しちゃってるから、渡すべき金がないんだもん。
じゃ、どうするか? そんなときこそ詐欺師同士のネットワークが力を発揮巣します。一丸となって互いの金を融通しあってその場を凌ぐ。
すると、「あそこは安全だ」と高い評価がつきます。格付けだって上がりますわな。そうやって信用させてさらに金を集めた。またまた高金利で貸す。で、しこたま儲ける。
もうお気づきの通り、これが「銀行」の発祥ですね。
さて、先日、日経がなかなかチャベス大統領が金を回収してることについて書かないな、と述べました。日経はたしかに書いてたのよ。けど、これがまったく方向違いの記事でした。だから気づかなかったというわけ。
日経の見出しだけご紹介しましょう。次の通りです。
「ベネズエラ、海外の金資産を国内へ 差し押さえ回避か」
えっ、どうして? これじゃベネズエラは北朝鮮みたいじゃん。「制裁(差し押さえ)」を怖れて資産を国内に移すってか? ちがうでしょ。逆でしょ。

チャベスといえば、反米大統領として有名ですよね。しかもベネズエラは南米屈指の金産出国にして金保有国。石油は世界8位。ベネズエラ中央銀行は世界第15位の金保有者ですよ。366トンの金地金のうち211トンをイングランド銀行やバークレイズ、いまリストラ中のHSBC、JPモルガン銀行などに預託してます。これらの金塊を自国の銀行にぜんぶ移す、と決めた。
どうしてこんなことをしたのでしょうか?
金地金を買う投資家は100人が100人、自己保有してません。重たいもん。だから銀行とか三菱マテリアルにそのまま預けてます。で、もらうのは紙切れ1枚(証券とか預かり証)。
けど、銀行には金がないか、あってもほんの一部だけ。たとえば、オカネにしてもいきなり10億円くらい支店の窓口で貯金から下ろして、といっても、「そんな急には無理ですよ」「2日くらい前に言ってくださいよ」と断られます。
金現物だともっと難しいでしょうね。
JPモルガンなど、直近の監査で10.6トンの金地金を保有していることがわかりましたが、これはベネズエラが預けた金地金の総量とほぼ同量です。つまり、ベネズエラが引き出したらJPモルガンの金庫は空っぽになっちゃうわけ。
けど、不思議なことにJPモルガンは1000トン以上の金地金ETF(上場投信)証券を発行しています。
どうしてこんなことができるかといえば、投資家全員が「わしの金返してくれ!」とはいわないから。
では、全員が言い出したらどうなるか? 取り付け騒ぎになりますわな。金融恐慌で銀行にドルや円を引き出すために並んだ、あの取り付け騒ぎです。
金ETFには金現物との交換を保証していないものが少なくありません。金融機関にしても、発行額以上の金保有を義務づけられているわけではありません。
カラクリはあのコンビの時代からなにも変わっちゃいないんです。
さて、アメリカです。フランス人の前IMF専務理事ストロスカーンはフォートノックスの金庫にあるはずの金塊が実は外に貸し出されていて空っぽだ、とオバマを追及。するとノーコメント。それなら記者会見で糺そうとしたら・・・直前に逮捕されてしまった。
それを見たチャベスが考えたこと。
「こりゃあかん。アメリカはあちこちから金現物をかき集めるにちがいない」
「そないなったら、わしの金塊もあいつらの金現物に紛れ込んでしまうがな」
「ヘタするとわしの金塊戻ってこんかもしれんわな」
「そうされる前に、わしの金塊、きっちり戻してもらわなあかん」
ま、これが真相でしょう。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『サンデルよ、「正義」を教えよう』(高山正之著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。