2013年05月21日尖閣トラブルは日本の農業が解決する!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 今日は東京原理原則研究会があります。メンバーはご出席のこと。テーマは「商道の原点」です。よろしくです。

 さて、この前のブログで書いたとおり、「四つ足なら椅子以外はなんでも食べる」といわれる健啖家の中国人でも、黄浦江に漂流した1万頭もの死豚のおかげで豚肉が敬遠され、牛肉は焼いたとたんに10分の1に縮み(なんと水で膨らませてる)、鶏肉は鳥インフルエンザ蔓延で台所から消え、ついでに卵も食卓から追放され、たのみの魚は重金属たっぷり。

 でもって、野菜は農薬漬け。洗うための水は野菜以上に汚染されていて、ペットボトルの水にしたって偽装の確率が高い。さすが中国。よくこんなとこに修学旅行で行かせてたと思いますよ。食事して腹が痛くなったのは水が合わない、という問題ではなかったんですな。

 なにが言いたいか? 日本農業は空前の大チャンス到来ということ。

 去年、中国はトウモロコシの輸入国に転落した。しかも前年比5倍。公称13億人と公表しているけど、これはあてにはならない。

 この爆発的な人口を食わせるために、中国は世界中の農地と水源地を買いまくってきた。いまもそう。もちろん日本も狙われている。いま、北京政府がいちばん怖いのは「食糧不足」であり、それに端を発した人民の暴動である。

 減反なんてバカなことはいますぐ止めて、中国に高値で売ればいい。いくらでも買う人間はいる。中国には日本の人口と同じくらい富裕層がいる。超金持ちは東京都の人口くらいいる。値段は日本と同じでいい。安くする必要はない。。そのかわり味も品質も日本並みにすること。中国進出時、安さを優先するあまり、日本よりも低品質の商品をそろえて総スカンを食らった「ユニクロの失敗」を教訓にしなければいけない。

 高くて売れるのか? いやいや、高いから売れるのだ。

 金持ちの中国人はベンツとマセラッティが大好き。高値でも買いに来る客だけを相手にすればいい。日本から輸出するのだから当たり前。
 せっかく安倍首相が円安にする、と宣言しているのだ。円安のいまこそ世界一安全で、清潔で、美味しい日本の「食」を輸出する大チャンスではないか。

 ワールドウォッチ研究所のレスター・ブラウン(当時)は『だれが中国を養うのか』という論文を発表したとき、李鵬首相(当時)は「中国を養うのは中国である」と反論してみせたか、どうやらこれは幻想になりそうだ。
 石油は盗掘したり、弱い周辺国を脅かせば奪えるが、食糧はそうはいかない。育てて収穫しなければならない。

 なにより天候がおおいにものをいう。平均気温が2度下がっただけで飢饉になる。それが自然の怖さだ。

 湖南省は中国最大の穀物生産地だが、干ばつが続いて収穫できない。世界の穀物生産の18%を占めるオーストラリアも毎年のように干ばつに見舞われている。カリフォルニア、テキサス、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア、チリといった農業国も異常気象で穀物生産や牧畜で深刻な被害を受けている。

 中国の食糧生産は98年にピーク。その後、毎年のように食糧の緊急輸入を続けている。年に関東1都5県もの規模の耕地が失われている。2030年には世界中の穀物を投入しても中国の餓死者は救えない。

 日本の食糧自給率は40%(07年)。カロリーベース(供給熱量ベース)の数字であり、生産額算出の金額ベースの食糧自給率では60%強。食糧を金額ベースで計算しても、いざというときにはなんの役にも立たない。
 日本は主食の米こそ100%の自給率だが、穀物自給率はわずか27%。アメリカ132%、フランス173%、ドイツ101%、イタリア73%、イギリス99%。怖ろしいことに東京は1%、大阪は2%しかない。

 しかも減反で米の自給率は減る一方。おかげで2012年にはパンに主食の座を奪われてしまった。

 だが、わたしはぜんぜん心配していない。わが国に食糧危機はありえない。少子化だからではない。そもそも食糧は余っているからだ。

 食品廃棄物は年間2500万トン。ファミレスや居酒屋で注文した料理をすべて平らげている人はほとんどいない。コンビニの廃棄弁当も少なくない。そんな国に食糧危機などありえない。

 しかも米食が主食というのが有利なのだ。戦前、戦中のドラマシーンでよく見る、梅干しと御飯の日の丸弁当は完全食である。梅干しで体内をアルカリに換え、そこに御飯を入れると、即、エネルギーになる。さすがに日本人の知恵である。

 農地が住宅に転用されているけれども、高齢化で空き家がますます増えているのだ。そんな家は潰してしまう。公園を農地(田んぼ)に換えて米をつくればいい。廃校の運動場なら最適である。
 なんなら土地なんてなくたって農業はできる。。東京のど真ん中、丸の内のオフィスビルで稲を栽培している会社だってある。L水気耕栽培にLEDを組み合わせれば真夜中だって光合成は可能。

 たまに麦飯を食べておけば脚気にもならない。メタボで悩む飽食日本人にはこのくらいでちょうどいい。

 これからの農業は儲かる。笑いが止まらないほどだ。安く売るな。高く売れる方法を考えよう。高く買うお客を探せ。高くても欲しくなる商品開発をしよう。安定的な流通ルートを開発しよう。

「石油を支配できればその国を支配できる。だが、食糧を支配できればその国民を支配できる」とはヘンリー・キッシンジャーの言葉だ。いかにもあの男らしい発言だ。
 日本語に翻訳しよう。
「尖閣で衝突したら、日本から食糧が入ってこなくなるぞ」
 北京政府が鬼より怖い中国人民の胃袋を人質に取ればいい。ミサイルや空母よりも効き目はあるはずだ。 

 さてさて、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『世界は「使われなかった人生」であふれてる』(沢木耕太郎著・幻冬舎)です。詳細はこちらからどうぞ。