2003年12月22日マクドナルドの教訓

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独り言

 忘年会シーズンも終わり、ビジネスマンの多くは今週で仕事納めではないですかね。今年はもう土曜から休みという人も少なくないでしょう。

 いいですねぇ。わたしは、これからが仕事です。

 家族みんなは旅行、わたしは例年通り、仕事場に引きこもりで仕事。

 たしか、今年の正月もいつ元旦だったのか、いつ松の内が終わったのか、まったく気づかなかったものね。家族が帰ってくるまでテレビも見なかったから、まったく世の中の動きに取り残されていました。

 おそらく、今回もそうなることでしょう。少なくとも1月末までは、目一杯、仕事が入ってますから、わたしの正月はこれまた例年通り2月からです。

 まるで受験生だよ、これじゃ。




一気に時代が変わる!

 マクドナルドに君臨してきた藤田田さんが完全に経営から退くことになりました。藤田商店と日本マクドナルドホールディングスの経営委託が解約されたんですね。

 この解約金、なんと62億4900万円とのこと。すごいですなぁ。それだけの金額を払っても、手を切りたかったのかねぇ。

 二年連続の赤字、とくに黒字予想を一転、大きく上回る赤字(税引き後利益)、前年同期比をつねに下回る数字では抜本的な対策は当然のことですね。

 元もと、日本マクドナルドは当初からマネジメントにおいては外国のマクドナルドと異なり、治外法権であったはずです。株式比率、内部留保の使い道など、超優等生として特別扱いされてきたからね。理由は、もちろん、藤田さんの打つ手打つ手がズバズバ的中させたことにあるからですね。

 創業当初、当時、三越社長の某氏にはほとんど嫌がらせともいえるほど多くの制約条件を課せられたにもかかわらず、銀座という立地にこだわって出店し、あっという間に日本にハンバーガー文化を普及させました。以来、新しい食文化は銀座が情報発信基地と注目されることになりました。ほかの外食産業にしても、マクドナルドの成功があればこそ、こまで伸びてきたともいえます。

 赤字転落のきっかけは、エコノミストたちによれば、「デフレ収束の判断ミスだ」とのことですが、わたしはそうは思いません。「ハンバーガー六十五円」という驚異的な価格破壊を引っ提げて業界に大激震を与えたあと、「デフレはもう終わった」と勝手に値上げしてしまいました。ところが、売上は急ブレーキ、慌てて再度の値下げで「五十九円」。

 この迷走に狂牛病騒動。

 藤田さんが指摘したようにデフレは収束しつつあることは確かです。しかし、「デフレ収束の判断ミス」という判断こそミスではなかったか、とわたしは思うのです。

 人間というものはそれほど論理的な動物ではありません。言いかえれば、経済的な判断ですべて動くものではないのです。それよりも、感情的、心理的な動機づけで判断を下す生き物です。だれにも「値頃感」というものがあります。「この商品なら六十五円までは払うけれどもそれ以上は嫌だ」という心理です。

 「日本人でも百年間、ハンバーガーを食べ続ければ金髪になる」と豪語した藤田さんですけど、価格を上げるのであれば、同時に付加価値をつけなければお客はけっして納得しない、という商人としての判断ミスではなかったでしょうか。



 ところで、ダンディ坂野、最近、元気ないな。間違いない! エネルギー、切れたか?