2015年08月09日「きみに読む物語」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 「私には1つだけだれにも負けなかったことがある・・・ただ1人の人を愛したことだ」 

 全米で450万部売れたラブ・ストーリー。といっても、ちょいと趣がちゃいまんねん。
 「身分違いの恋」をテーマにする映画なんざ、どこにでも転がってますな。けど、これは二重三重に仕掛けられてましてね、なかなかシナリオが巧くできてます。450万部はダテではありませんな。

 一夏の恋。♪あなたにはゴールでも、私には始まりだったの。。。てな感じかいな。

 病院に入院してる老人は時間を見ては認知性患者に読み聞かせをしてあげる毎日。朗読は若い頃から続けているみたいで巧いのよ。

 いつも同じ本がネタなのね。



 その本てのが・・・南部チャールストンの大金持ちの娘が別荘に滞在中、一目惚れした若者。周囲が呆れるほど猛烈にアタックすんだよね。で、家のルールに縛られた女は型破りの男に惹かれてどんどん愛してしまうわけ。

 でも、結局はお定まりのコースでね。両親から反対されてパー。

 「続きを聞かせて・・・」

 男は戦争に行き、除隊後、父親が勧める農園を買い、女と約束した家を自分で建てます。「絵を描きたい」と言ってた女のためにアトリエまで用意してね。

 女のほうはっつうと、最初の頃は泣き暮らしてたけど、ニューヨークの名門大学に入ってからは、軍の病院でボランティアしたりして、失恋も癒えて、病院看護で知り合った大金持ちの御曹司(弁護士)と熱々。。。

 もち、女の両親は大喜び。理想のカップルてなわけよ。ところが、かつての男は2人の熱々場面を見かけちゃうんだよなあ。傷心ずたずたボロボロなわけ。

 「続きを聞かせて・・・」 

 南部一の結婚式になるよ、と評判になってる頃、新聞に知事まで来ると掲載されちゃうんだけど、広告にかつての男が載っててね。驚きのあまり失神しちゃうわけ。

 「最後はどうなるの?」
 「それを教えたらつまんないよ」

 認知性ですからね。明日、話す頃にはもう前のストーリーなど忘れてるんですよ。けど、この老人、気長に読み聞かせを続けるわけさ。

 よっぽど暇なんだね。

 けど、この若者と大金持ちのご令嬢、御曹司がどうなるかは知りたいわな。「続きを聞かせて・・・」つうのは私でもそうなりまっせ。

 さて、どうなることやら。ま、映画か原作を見てちょ。原作はニコラス・スパークス。そういえば、この22日から恵比寿等の映画館で封切られる『かけがえのない人』の原作者ですわな。


こちらも観に行かなくちゃ。。。 

 意外とラブ・ストーリー好きなんだね。もう枯れてると思ってたんだけど。『ラブ・アクチュアリー』『マジソン郡』なんて何回観たかわかんないしぃ。潤いだな、潤い。。。

 「私には1つだけだれにも負けなかったことがある・・・ただ1人の人を愛したことだ」

 老いらくの恋? おばあちゃん、いい年してなに考えてるの? じいさん、色惚けか?

 ええんでないの。とことんやればええんよ。どうせ死ぬんですから。ローソクも線香花火も燃え尽きる直前がいちばんだもんなあ。。。

♥輝かせてなんぼでっせ。人生は。